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学校のショートでアクティブな鬼ごっこ

「あ!マヒルちゃん!探したよ」


 一組の教室にいたのはミキミ達ではなかった。

 朝の男子ことアキラが教室に押しかけていた。

 俺はそのまま回れ右してミキミを探しに。


「ちょっと待って朝のことは謝るから話を聞いてよ」

「僕はアナタのことは知りません。人違いでは?」


 アキラに回り込まれた。

 俺は目線を合わせず棒読みで他人のふりをする。

 俺達のやり取りを見たクラスメイトや通りすがる人達には痴話げんかとかこそこそ言われている。


「僕は友達と約束があるんで」

「待って」


 アキラの横を通り過ぎる。諦めずないアキラが俺の手を掴むのを視界で見ていたから、そのタイミングで掴む部分を瞬時に部分テレポートをして、あたかも通り抜けたように感じただろう。


「え?今のは、確かに掴んだのに」

「アナタさ、しつこいですよ?それと人が見ている前でそれを使うのは良くないと思いますよ?」


 アキラが能力を使ったように装う。

 アキラの方はただ手を掴もうとしたはずなのに無意識のうちに能力を使ってしまったと思っただろう。

 これで諦めてくれればいいのだが、何故、俺にこだわるのかはわからない。今日会ったばかりでお互い顔も知らなかったはず。アキラがしつこく言い寄るのは西野の差し金とはわかっているが、あのストーカーも俺を追い回したかもわからない。

 アキラが自身の手を見つめている間に足を進めて角を曲がる。

 そこの角で人がいなければテレポートしよう。人がいるなら女子トイレに逃げ込んでそこでテレポートをしよう。アキラはいくら壁を通り抜けることができるとはいえ流石に女子トイレに入ってくることはないだろう。


「キャア!」

「うわ!」


 角を曲がったら可愛らしい悲鳴と胸にポヨンとぶつかった感触がした。

 相手の姿は見えなかったが、俺は人とぶつかってしまったらしい。らしいと言うのは相手を見ずに俺はそのまま謝りもせずに走り去った。

 それほどアキラと関わりたくはないが、ぶつかった相手はおそらく同級生だろう。上級生がここに来るのは珍しい子ではないが、今は学校側が帰宅するように促しているから上級生はこの場にいない。用があれば話は別だが。

 普段の俺は人から見えないからぶつかった相手は走り去った俺を見つけることができないから文句すらいえないだろう。

 まあ、俺の不注意でぶつかったわけだし、もしもの為に相手の顔だけでも見ておこう。


 俺は視界で後方を見た。

 そこには尻もちをついた小学六年生くらいの女の子がうちの高校の制服を着ていた。なぜに小学生女児が高校の制服を着ているのか疑問に思ったが、自分の不注意で小学生とぶつかって謝らないなんて大人気なかった。

 顔を覚えた。後でお菓子でも送ろう。念の為忘れられないようにスマホのカメラ部分だけをテレポートして顔写真を撮っておいた。これで忘れないだろう。

 近くの女子トイレに入った。女子トイレの中にトイレに設置してある鏡を使って化粧をするギャルがいたが、気にせず個室に気にすることなく入った。

 急いで入ってきたからかギャルが驚いた表情をしていた。駆け込んできた俺が漏れそうとでも思ったようで特に気にした用はなく、そのまま化粧の続きをした。

 俺はギャルがトイレから出ていくのを待った。出て行ったのを音で確認して他に誰もいないのを視界で確認してから個室から出る。


「もう行ったか?フウ。ここに入ればアイツも入ってこれまい。さて、ミキミには学校の外で待ち合わせをしてもらおう」

「どこに行くと言うの?」

「どこって、どこに行こうかな?ん?」


 ポッケからスマホを取り出してミキミに送るメッセージを打っていると真上から問いかける声が聞こえた。

 上を見上げるとぬうっと天井から液体が垂れるようにアキラが出てきた。


「ぎゃあああああ!」


 天井からアキラが出てくる様は一種のホラーだった。ほんと天井からゆっくり出てくるのは幽霊みたいで夜だったら泣いていた。(ミキミが)

 思わず叫んでしまった。能力を使わなかったのはほめて欲しい。


「うるさっ。って待って逃げないで」


 俺はトイレから飛び出した。

 アイツ、女子トイレに入ってくるとは思わなかったぞ。どうやったら天井から出てこれるんだよ。アイツ壁の中を移動できるのかよ。

 もはや妖怪じゃん。

 さっさとテレポートして逃げればよかったわ。


「こらー廊下を走るな。キミー止まりなさい!」

「ちょ!あぶな」

「おっと、危ないな」


 思いっきり廊下を走っているから人にぶつかるわ。それを堅物教師に見つかって鬼の形相で追いかけてきたがすぐに振り切れた。

 それももうすぐ終わる。俺の目の前には玄関が見えた。

 それと壁から出てくるアキラの姿も。

 玄関には人の姿は見られない。つまり人がいないってことだ。

 このまま走り続けたらアキラとぶつかってしまうが、俺は構わず走り続けた。

 最大速度で走って、玄関一歩手前で後ろに倒れた。

 俺は矢となり、弓から放たれた矢が飛んでいくように玄関へ速度を殺さずに進んでいく。スライディングをしているように見えるが、体を念力で浮かして時速三十キロぐらいの速度で進んでいるだけだ。

 スライディング中に上履きを脱いで自分の下駄箱に向けて投げた。下駄箱のドアが勝手に開いて、ウェルカムトゥウ下駄箱みたいな感じで上履きが下駄箱に吸い込まれて、代わりにスニーカーが吐き出されてパタンと音を立ててドアが閉まった。

 下駄箱から吐き出されたスニーカーは俺の足に食い付くようにすっぽりと足に収まった。

 そして最後に人一人ギリギリ通れそうな幅が開いた横開きの玄関に滑るように玄関から出た。

 スライディング時の速度を維持したまま体制を整えて再び走り出した。


 あ、鞄を忘れたので視界と念力を駆使して、空から鞄が落ちてきたかのように見せかけてキャッチ。

 学校からの脱出に成功した。


 視界でアキラを見たら、拳が二個ほど入りそうなぐらい口を開けていた。

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