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自己紹介と少し外れた女子会

久しぶりの投稿です。

 引きずられて着いたカフェはいたって普通のカフェでそれぞれ自身が飲みたいものを注文した。

 俺はメロンソーダを注文した。美人さんと痴漢少女は紅茶とオレンジジュースを注文していた。


「で?私達をここに連れてきて何がしたいの?」

「僕達三人で入学祝いをするみたいだけど?カフェで入学祝いはちょっと、しかも僕達だけで。ファミレスの方がよかったんじゃないの?」


 俺と美人さんが痴漢少女に質問を投げかける。


「もー!そんなことはいいでしょ。ごほん、私達自己紹介がまだわよね?まずは私から二組の流花ルカって言うの三年間よろしくね。はい次はあなた」


 痴漢少女改め、ルカは自己紹介をして、美人さんを指す。


「次は私なのね。しょうがないわね。四組の多摩子タマコよ。好きな人はヘルメスさんよ。よろしくね。これで満足?これで私の自己紹介は終わり、私がやったのだから次はあなたよ」


「はいはい。僕は一組の真昼です。特異なことは無いけど目立たないようにするのはうまいよ。はい、おしまい」

「それでおしまい?何かの縁で出会えたのだからもっと盛り上げようよ」


 ルカは盛り上げようとしているが、俺は盛り上げるのは得意じゃない。タマコも俺と同じく盛り上げるのは得意ではないらしく、ルカに対してあからさまに嫌な顔をしていた。


「自己紹介も済んだことだし、もう解散ね」

「ええっ、待ってよ。始まったばかりだしさ、なんで帰るの?」

「なんでってそりゃあ、特に理由もわからず連れて来られたわけだし、図書館に行きたいわ」

「マヒルちゃんはどうなの?」

「帰れるなら帰りたいな。家に帰ってゲームをしたいから」

「待って、わかった。ヘルメスさんのことが好きなんでしょ?タマコちゃんはなんでヘルメスさんのことが好きなのか聞かせてよ」

「ヘルメスさんのことね。それは...」


 ルカは引き金を引いてしまった。それはタマコの口から無限に出る言葉の弾丸の引き金を引いてしまったのだ。

 タマコから出る言葉はヘルメスさんをほめたり、ヘルメスさんの目撃情報が乗っているサイトの紹介だったりと三時間以上すごく嬉しそうにしゃべり続けている。

 話しを振ったルカはもう一時間ぐらい聞いてぐったりしている。ヘルメスさんの話をタマコに投げたのを後悔しているっぽい。

 俺も聞いている最初はこそばゆいと言うか自分のことをこんな美人がほめているのは恥ずかしかったが、二時間超えた時点で脳がとろけだしてタマコが何を言っているのか理解できなくなってきていた。


「それでヘルメスさんは、って二人ともどうしたの?」

「もう終わった?」

「多分終わっていないと思う。ヘルメスさんの目撃情報はアフリカとか東南アジアにもあったはずだからあと軽く見積もって二時間は超えると思う。もう帰っていい?ゲームのログインしてないから早くすましたい」

「そっか。まだ続くのかぁ。でも帰っちゃダメ。あれ話は終わったの?じゃあ次マヒルちゃんは何が好きなの?」

「ゲームが好き。特にアクションゲームが好き」


 この入学祝いはしばらく続きそうだ。そしてルカが話を俺に振ってきた。

 ルカは話題をゲームにシフトチェンジしてタマコのヘルメスさん話に終止符を打ったことでタマコの口が止まった。

 三時間も付き合ったんだからいい加減解放してほしいよ。

 てか、高校生にもなって友達を作る気はない。だから僕をお家に帰らせてほしい。

 中学時代だってずっと一人だった。グループ学習とかはあまり物組に組み込まれてそこそこなことをしていたけど、友達と呼ばれる存在なんていなかった。

 だから同級生同士で話すのがとても苦痛でつまらないと感じる。


「アクションゲームってどこが面白いの?弟がハマっている戦争のゲームを横で見たことあるんだけどさあ。面白さが分からないの?」


 タマコがルカに話せないようにゲームの話題を盛り上げようと頑張っている。


「FPSゲームか?僕はあのゲームの類いはやらないよ。下手だとすぐに蹴られるし」


 二人に前にFPSゲームを一時間だけやった時の話を10分ぐらいした。

 少し動いただけで敵のプレイヤーにキルされるし、自分が下手だと悟られるとプレイグループから追い出されると。ああいうゲームは得意とする人がするゲームで、自分はシングルでできるゲームをしていると。

 ハッとして気づいた。こうして自分の好きなことを誰かに語るのが少し楽しいと感じている自分がいた。

 二人は黙って自分の話を聞いていた。

 タマコは自分が好きなことを長々と語った分、今度は自分も聞く番だと。


「クラスの男子も同じゲームをしているっていっていたけど最近つまらなくなったとか言ってた」

「でも弟は友達と話しながらやるのが最高に楽しいって言っていたよ?」

「僕には最初からそのゲームの面白みが理解できないから何とも言えない。僕がやるのは銃を使うけど敵はゾンビとか怪物とかのホラーとかなんだよね。後はスマホとかでゲームをしているかな?」


 FPSの嫌な思い出を語りつくしたので今やっているゲームの話をした。


「そういえば最近のアニメで転生するな何とかっていうヤツやっているよね。それのスマホゲームをやっているよね」

「ああ、ウェブ小説から始まったやつね。最近その手の物が増えたよね」


 ルカが俺の話しに食いついてくる。タマコにヘルメスさんについて話せないためでもあるだろうけど、本とか好きなのかな?

 ルカって眼鏡かけていて、図書委員ぽい女の子だよな。物静かなイメージで活字好きそうだ。


 この場を楽しいと感じている自分がいるけど、同級生と話すのが苦手なんだ。俺という人間は。

 女の子のふりをして話すのが。って嘘になるな。

 中学時代の青春の半分を女の子として過ごした俺は女の子として人と話すのは無理だ。男の時の姿でも人と話すのは無理だ。好きなことを話題にして話ができたが、こう気づいてみると次は何を話せばいいのか分からなくなる。

 女の子として買い物やら出歩くことは日常的にしてきた。けどこうして家族以外の人と話すのは久しぶりで苦手だ。


 彼女達と楽し気な会話は続かない。

 ここから脱する隙を伺っていた。

 いや、もうかれこれ三時間もいるんだ。もう帰ると言っていいはずだ。


「おっと、気づいたらこんなに時間が経っている。僕もう帰るね。後は二人で楽しんで!」


 わざとらしい言い方で席を立った俺は財布を出して一万円をテーブルに置いて店から脱出した。

 すぐに帰った俺はまっすぐ自室へ行きパソコンを立ち上げてゲームをするのであった。

モラトリアム・クラスタっていい曲だよな。


次、投稿はその内する予定。(いつになるかわからない)

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