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新たな能力者

 バスの事故から一週間ほど経った。

 軽傷で済んだ生徒は大きな病院で精密検査を受けたがほとんどの生徒は骨折している生徒はほとんどいなかった。

 だいたい八割ぐらいの教師含めて一週間ほど休みになった。休みとは言っても自宅待機だったからそれを休みと呼ぶのかは俺にはわからない。それに学校側も保護者会とかを開いて大変だったみたいで学校自体が三日間休みだったそうだ。

 残りの二割は重傷で入院していたことを風の噂で聞いた。

 俺は真夜中に重傷者が入院する病院に忍び込んで全員治療した。ついでとばかりに他に入院していた幼い子供の病気も治療した。

 治療した次の日、その病院はニュースに取り上げられた。ドナーを待っていた子供達の病気が完治したとか、死を待つしかない不治の病の子供が走りまわっていたとかで言っていた。それとその病院に勤務する看護婦がインタビューを受けていた。

 なんでもヘルメットを被っていた人物が徘徊していたとのこと。不審人物だと思い通報したと言う。

 道理でパトカーが止まっていたわけだな。

 SNSでもその病院について投稿があった。そのヘルメットの人物はヘルメスさんではないかと言う声の中にはヘルメットの人物はただの泥棒だとか、患者は病院内で違法な人体実験で病気が治ったとか、何かの陰謀だとか。漫画の読み過ぎと思われる投稿がいくつもあった。

 俺にはどうでもいい話だが。


「お兄ちゃん、今日から学校でしょ?お母さん達もう仕事に行ったよ。朝ごはんテーブルの上に置いてあるから食べて学校に遅刻するなだって」

「わかったから布団を返して」


 ベッドの上で微睡んでいると我が妹様が制服姿で布団を引っぺがして起こしてくださった。俺からスカートの中が丸見えだ。見えるのはパンツではなくスパッツだけど。


「そういってまた寝るんでしょ?それとお兄ちゃんの友達が迎えに来ているよ。ボッチなお兄ちゃんでも友達いるんだ」

「はあ?」


 俺は取られた布団を取り返そうと引っ張るが、妹様の言葉に耳を疑った。

 俺には友達がいないと言うのになぜだ。

 ヨルノの顔を見ても嘘をついているようには見えない。じゃあミキミなのかというと、ヨルノはミキミと面識があるはずだからちゃんと名前で呼ぶはずだ。

 だから来ているのはミキミじゃない。じゃあ来ているのは誰かと言う話になる。


「外で待ってもらっているから早くご飯食べてね」


 我が妹のヨルノはそう言って出て行った。

 今日は平日でヨルノも学校に行くだろう。耳を澄ませば玄関先でヨルノの声が聞こえる。「もうすぐ来るんで」と言って投稿していった。

 窓の外を隠れながら覗いても丁度屋根が邪魔で誰がいる見えない。かろうじて足元と朝日で照らされた影が見えた。

 玄関先にいる人物はヨルノの反応と足元が見えるうちの学校の男子制服っぽいのズボンを履いていることからおそらくは男だろう。ただ男に知り合いがいないわけではないが同じ学年で仲良くしている男子生徒はいない。いないはずだ。

 クラスメイトも俺の顔を知らないはずだ。顔を知らないクラスメイトを迎えに来るか。


 一体誰だ呟きながら視界を玄関の外へ飛ばした。

 そこにいたのは知らない小柄な男子生徒だ。

 その男子生徒は急にあたりを見回し始めた。決死の覚悟を決めたような顔で玄関のドアに手を開けた。

 するとみるみると手がドアに吸い込まれていった。


「はあ。なんだアイツは」


 男子生徒の奇行と言うべきかおかしな現象を見て俺は思わず声を上げてしまった。

 そしてどんどん男子生徒の手がドアに吸い込まれて、次に身体が吸い込まれていった。

 摩訶不思議な現象に驚いたが、よく考えてみると彼も能力者なのだろう。ミナ達の仲間なんだろう。それにしても俺の住所をどうやって特定したのか気になるが、今はそれどころじゃない。

 ドアに吸い込まれていった生徒はいつの間にか家の中に入っていた。吸い込まれたように見えただけでドアをすり抜けたようだ。彼は物質を通り抜ける能力を持っているのだろう。

 しかし奴は無断で家の中に侵入してきた。これは立派な犯罪だ。

 奴の行いは見過ごすことはできないが、俺も犯罪紛いなことをしている。無断で無人島を居座ったり、能力を使ってパスポート無しで海外へ遊びに行ったりしているが、俺のことは抜きにしても人の家に無断で入るのは立派で完全アウトな犯罪行為だろう。

 普通の人なら知らない誰かが家の中に侵入して来たら一目散に逃げるだろうが、俺は違う。俺の家に入ったことを後悔させてやる。

 ようは目に物見せてやる。


「マヒルちゃんの部屋はどこだろう?妹さんはまだ寝ているって言っていたけど。はあー、なんで僕がこんなことをしなくちゃいけないだ。これじゃ泥棒と言われても仕方ないじゃんか。こんど西野さんに高い焼肉を奢ってもらわないと」


 男子生徒は厭いながらも俺の名前をブツブツと呟きながらキッチン、リビング、トイレと見て回って何かを探しているように見える。

 呟きを視界で聞いている限り、探しているのは俺のことだろう。それと男子生徒の口から西野の名前が聞こえた。

 あのストーカー野郎め。遊園地で付け回しただけでも万死に値するのに今度は刺客を送ってきやがったな。

 ストーカー西野の仲間のアイちゃんとミナに能力の一部を見せたけどもなんで刺客を送ってくる理由は分からないが、彼から情報を聞き出そう。

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