遠足15
「やっと解放された」
俺の能力を見た二人は驚いた後に凄く盛り上がった。
後は何ができるのかとせがまれたりして大変だった。
最後に俺の能力の利用方法に気づいたアイちゃんから唐突なお願いを言われた。それも土下座する勢いで。
その願いは胸を大きくしてほしいと。
断る理由もわかったのでこれは借りだと告げて彼女の胸に触り、大きくしてやった。
胸を大きくしてやったら今にも飛んでいきそう感じで大喜びした。
その後、アイちゃんの胸を見たミナは目が飛び出るほど驚いていた。開いた口が塞がらないといった感じだ。
俺は素早く着替えて二人に気づかれないように銭湯から脱出した。
人気のない場所から事故があった森へヘルメスさんの姿で再度テレポートをした。
ミキミ達が気になるから森に向かうのだ。一応、食料を置いてきたが、三桁を超える人数分の食料としては少ないだろう。今日か明日あたりには全員保護されると思うが、気になるものは気になる。
森の中を彷徨い歩いたが、ミキミ達がいる場所にはたどり着けなったが、人がいっぱいいる場所に行きついた。
空を飛べるのに空から探さないのは夜とは違い飛んでいたら生徒達に見つかる可能性がある。気配を消せることもできるが、完全に姿を消せるわけではない、空から探すのは森の中で迷った時の最終手段にしよう。
人の声が聞こえる。でも学生じゃないな。
「一班は土砂をどかせ!二班と三班は学生達の捜索だ!」
そこは俺が昨日のバスに置いて行かれたパーキングエリアだった。
駐車場にはパトカー、救急車などの車両が乱雑に留められていて、空にはヘリコプターが二台も飛んでいた。
ヘリコプターが飛んでいることに気づかなかった。
駐車場から警察官、医者、猟銃を持った人達が森の中に入っていくのが見えた。
西野達が通報した捜索隊の人達のようだ。
ヘリコプターが飛んでいるから最終手段として考えていた空から探すのはやめとこう。
諦めは肝心で完全に迷ってはマヌケとだ。潔くテレポートで家に帰るとしよう。
ヘリコプターを見ていたら、森の奥から黒い煙が上がるのが見た。
たぶん、誰かがヘリコプターに気づいて燃やしたのだろう。俺達はここにいるぞって意味の狼煙だろう。
狼煙の場所にミキミがいるはずだから誰にも見られないように細心の注意を払いつつそこへ向かう。
「生徒の一人が行方不明になっているのですよ!我々教師が探さなくて誰が探すですか」
「それは救助隊に任せればいいのではありませんか。我々が探し出して遭難したらミイラ取りミイラになってしまいますよ。そこはプロの方にお任せすればいいのではないのでしょうか?救助のヘリコプターが飛んでいます。先ほど上げた煙に気づいて捜索隊が来るのは時間の問題でしょう」
「でも生徒が森の中で怪我をしているかもしれません!それに昨夜発見した不審なコンテナにの近くに人の指が落ちていたではありませんか。そんな人任せのことを言ってあなたはそれでも教師ですか?男性教師が探せばいいのですよ」
おばちゃん先生と初老の男性教師が何やら揉めている現場遭遇した。その他にも教師がいるけども二人の言い争いをただ見ているだけのようだ。
木の陰に隠れて話を聞いたところ生徒が行方不明だから男性教師が探せとおばちゃん先生がヒステリックに捲し立てるが一方で初老の男性教師は自分の考えを述べているだけのようだ。
ただ見ている先生方はおばちゃん先生の矛先が自分に向かうのが嫌で黙っているようだ。
俺がいないから探せ、救助隊に任せようと揉めているようだ。俺のことなんてほっとけばいいのに。
どうでもいいことで揉めていたので俺はその場から離れて生徒達がいる方へ向かう。
ちなみに俺が頑張って集めた海の幸は誰も手を付けていないそうだ。魚は全部死んでいたが、肺呼吸で海を泳ぐイルカとウミガメはまだ生きていたが、海の生き物は陸では生きていられない神々が作ったルールの通り、泥にまみれぐったりとしていた。
イルカの弱弱しいキュウと泣く声はとても可哀そうだ。みんなが二匹を食べないのならあとで海へ帰してあげよう。
草や小枝をかき分けて煙を焚いている焚き木に女生徒が群がるように暖を取っていた場所に着いた。
そしてその近くには。
「離して私はマヒルちゃんを探しに行くの!」
「待ちなって、マヒルちゃん?探しに行くってこの広い森の中をどうやって探すんだよ。ヘリコプターも飛んでいたし、もうすぐ救助が来る」
「そうだよミキミちゃん。探すにしても広すぎるよ。こんどはミキミちゃんが迷子になるよ。やめなって。タマコも止めてよ」
ミキミが俺を探すと言って森の中に入ろうとしているところに野球部員であろうガタイのいい男子生徒とルカに止められていた。
男子生徒は右腕が折れているのか腕に添え木と一緒に布で巻かれている。
ルカの隣に黄昏ているタマコは空を眺めていた。スマホを弄っていて充電が無くなったようだ。
俺の捜索を諦めきれないミキミの手元をよく見ると両手にスマホが握られていた。その左手には握られているのは俺のスマホだ。
俺のスマホをミキミが拾ってくれていたんだな。
このままミキミは諦めないだろうからヘルメスさんの姿で出ることにした。




