表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/197

遠足12

「君!大丈夫いきなり飛び出しちゃ危ないよ。って大丈夫!?」


 暴走族の一人が俺の姿を見てバイクから慌てて降りて俺に駆け寄ってきた。フルフェイスのヘルメットで顔はわからないが声と胸の膨らみから見て女性だろう。

 全員フルフェイスのヘルメットを被っているから素顔が分からない。


「ほらね。森の中から人が出てくるって、何か言っただろ?」

「なんで出てくるってわかったんだ?予知能力じゃないのに」


 二人が俺見て何やら話しているが、そんなことはどうでもいい。片方が乗るバイクに見覚えがあった。そして声に聞き覚えがあった。


「お前は僕達のストーカーの人!」

「ストーカーってずいぶん酷いいいようじゃないか。君が森の中にいるのを見つけて仲間を連れて助けにきたのに。マヒルちゃん?」


 見覚えがあるバイクに乗るのは遊園地で俺達の後を付け回していた青年だった。

 青年は心外だと言わんばかりにヘルメットを取ってここにいる理由を口にした。


「この子西野さんの知り合いで?」

「勧誘して断られた。ヘタレなのにしつこいナンパ男みたいに何も考えないで話しかけるから断られる」

「アイちゃん人の心の中を見るのはやめてくれよ」


 バイクのサイドカーに乗る俺と同じくらいのアイと呼ばれた少女が西野と呼ばれた青年を呆れた感じに非難する。

 しかしなんで西野と呼ばれた青年は俺のいる場所が分かるように言うのか話しているのか謎だった。発信機でもついているのか?遊園地で発信機をつけるチャンスはいくらでもあったはずだ。

 マジでストーカーだな。後で制服を燃やそう。


「みんなそれよりも大事なことがあるでしょ?君はなんでこんなところに?服もボロボロで何が起きたの?病院行く?」


 駆け寄ってきた女性は心配そうに前からずっこけた俺を抱き寄せた。

 鼻から鼻血が出てた。こんなかすり傷はすぐに治せるからどうでもいい。


「僕のことより事故が起きたんです。僕達が乗っていたバスが夕方の土砂に巻き込まれて崖下に巻き込まれて、スマホも圏外で救助も呼べなくて」

「そんなことがあったのね。辛い思いをしたわね。でも大丈夫よ。私達が貴女も、友達も助けてみせるわ」


 俺は彼女達に事故のことを伝えた。

 駆け寄ってきた彼女は俺に置かれた状況を理解したのか俺を安心させるためなのか優しく両腕を広げてハグして俺を包み込んだ。


「ここだと電波が届かないから一度人里に下りるしかないよ」

「そんなのわかっているわよ。マヒルちゃんだっけ?立てる?」

「うん。ありがとう。でも僕はみんなの下へ戻らないと」


 今ごろミキミ辺りが騒いで生徒達が迷惑していると思うし。この人達に警察とかの連絡してもらうおうと。

 まだ同級生の治療していないからな。


「そんなのだめよ!女の子一人で森の中は危険よ。貴女は私達と来て。私のヘルメットを貸してあげるからさあ、私の後ろに乗って」

「身体が冷えているだろう?これを羽織ってくれ」


 森の中へ再び戻ろうとした俺は強引に彼女のヘルメットを被せられて、彼女の仲間の一人がジャケットを羽織らせてくれた。俺は言われるがままバイクを二人乗りする形で彼女の後ろに乗った。

 彼女の素顔は美人でヘルメットは薔薇の香水のいい匂いがしたが、ジャケットはカビ臭さと汗臭さが混ざった匂いがした。そこらへんに捨てたい気持ちがあったが、人の親切を無下にするにもいかずそのまま羽織ることにした。

 彼女の腰にしがみつくとバイクは走り出した。その後に西野や彼女の仲間が追いかけるようについてきた。


「潮の匂い?いいえ、気のせいね。ここは山の中。海まで5時間も走らないといけないわ」


 彼女はぼそりと呟いた。

 海に入ってからシャワーを浴びてなかったせいで体臭が潮臭くなっている。今いる場所は山の中、池や湖があれど近くに海はない。海がないイコールここら辺の水は海水じゃなくて淡水だ。

 雨は淡水なのかは知らんが。ともかく俺の身体から潮の匂いがするのはおかしいはずだ。

 もし何か聞かれたら誤魔化そう。


 バイクを走らせること一時間ほどで近場の農村の交番に到着したが、誰もいなかった。

 市の方まで行くことになった。市と言うことは警察署に行くのだろう。

 ミキミ達は今頃何しているのだろうか。森の中で俺を探しているのかな?考えていると静まり返った街に到着した。

 空も黒から藍色へ変わっていき朝が近づいてきているのが分かる。

 公園の時計を確認すると現在の時刻は5時ちょうどだった。さらにバイクを走られて警察署に到着した。

 警察署には捜索隊と思われる部隊が結成されていた。


「あのー女の子を保護したんですけど」


 西野と言うストーカー青年が警察署前で作業していた警官に話しかけた。


「女の子を保護した?その制服は昨日行方不明になった高校の制服!誰か例の高校の制服だー!」


 俺の姿を見た警官は慌てて仲間を呼んで俺達は事情聴取を受けた。

 俺の場合は警察署内に案内されて暖かな紅茶と毛布を渡されて一言二言聞かれて受付のソファーで放置された。

 俺を保護したバイクの人達は別室で警官達に根掘り葉掘り聞かれている。大方、俺をどこで保護したか聞かれているのだろう。

 俺を拾った場所を中心にミキミ達が救助されるのは時間の問題だろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ