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遠足11

※ルカ視点です。

 マヒルが無人島で食料確保中のこと。


「マヒルちゃん遅いな」

「ん?ルカちゃん?マヒルちゃんは?」

「トイレだって。すぐに戻ってくるから待ってよう」

「うん」


 ルカの方を枕にしていたミキミが起きた。マヒルがいないことに不安な表情をするミキミを安心させる為にトイレに行ったっという。

 ミキミはぬいぐるみを腹の上に抱いて再び目を瞑ってスースーと寝息をたて始めた。四人で遊園地をぐるりと回ったから疲れているのだろう。

 しかし、彼女はトイレに行くと言ってからもう一時間ほど経っている。トイレにしてみれば凄く長い。トイレに行って森の中で迷子になっているかもしれない。

 高校生になったばっかりの女の子が一人で暗い森の中をうろつくのは心配だ。

 タマコあたりと一緒に行かせればよかったと後悔した。

 タマコはルカの隣でスマホが圏外で日課であったヘルメスさんの情報収集ができなくてふて寝している。

 誰かにマヒルちゃんを探してもらおうと考えたが、自分がここを離れたらミキミが起きるかもしれないので無暗に動くことができない。

 待っても帰ってこないマヒルを捜索してもらわないとこのまま行方不明になってしまいそうで背中がぞわりと悪寒が走る。


「どうしたらいいの?」

「あら、どうしたの?何か困りごと?」


 近くで寝ていた女生徒が起きて話しかけてきた。


「うるさくしてごめんなさい」

「謝らなくていいわ。こんな場所じゃぐっすりできないし、周りの子もブツブツと帰りたいって言っているから多少声を出しても誰も気にしないわ。で?どうしたの?」

「実は、友達がトイレから帰ってきてこないの」


 うるさくして彼女を起こしていまったルカは静かに謝ったが、彼女は周りいるスマホを弄る少女達を指して気にするなと言ってもう一度困りごとがあるのか聞いてきた。

 ルカはマヒルが戻ってこないことを彼女に話した。


「友達が戻ってこないのね。もしかしたら非常事態の状況だから男子達に襲われているかもね」

「襲われている!」


 彼女はマヒルがこの非常事態の状況に応じて男子達に襲われていると言い放った。エロゲやエロ漫画でありきたりな展開みたいなことを言うからそれを聞いたルカはさらに心配するようになった。


「静かに!例えよ。例えの話よ。ごめんね。マンガじゃないわよね。ただ単に迷っている可能性もあるわね」

「そうよね。このこと誰かに言いたいけど、この子を心配させたくないの。トイレに言った子はこの子の親友なの」


 自分が言ったことが不安になると察した彼女はすぐさま訂正してルカを落ち着かせた。そしてルカはマヒルを捜索してもらいたいけどマヒルの幼馴染であるミキミがマヒルを心配して自分も捜索しかねない。だからミキミが心配させない方向で誰かにお願いするか悩んでいることを打ち明けた。

 ルカにとってマヒルとミキミは親友と思っているようだ。


「その子の名前はとクラスは?」

「一組のマヒルちゃんって言うの」

「一組のマヒルちゃんね。私が頼んでくるね。ねえ、起きてちょっと付き合って」


 彼女は彼女の友達と思われる少女を起こして二人で教師達がいる場所へ向けて走り去って行った。

 彼女達に面倒なことを押し付けたみたいでチクリと胸が痛んだ。他力本願な自分が恨めしい。

 ミキミを撫でながら彼女達が待っているとどこかからドオンと重々しい爆発音が暗い森の中に響き渡った。

 爆発音でほとんどの生徒が目が覚めた。

 生徒達はバスが爆発したとか、誰かが爆竹を持ってきており悪戯で炸裂されたと口々に話し合う。


「何が起きたの?」

「マヒルちゃんが戻ってきたの?」


 先ほどまで眠っていたミキミとタマコも例外なく不審な爆発音に目を覚ました。


「マヒルちゃんはまだ戻って来てないけど私にも何が起きたのかわからないよ。何かが爆発した音が聞こえたけど」


 バスの方へ視線を向けるとバスがある辺りに燃えている様子がない。バスが爆発したのなら爆発したのが原因でバスの周辺が燃え広がるからここから避難する必要があるし、バスの周囲は薄暗く、ゆらゆら動く小さな明かりはガソリンで湿らせた衣服を巻いた松明だ。どうやって燃やしたかは教師の中にヘビースモーカーの初老の教師のライターで火をつけたらしい。


 しかし、ゆらゆら動く明かりの様子がおかしい。

 ほとんどが森の中へ向かっている。何かあったのだろうか。


「明かりが森の奥に行っているね。何か見つけたのかな」

「爆発音と何か関係あるのかな?」

「マヒルちゃんまだ戻って来てないのね」


 ルカとタマコが森の奥へ向かっていく明かりを見ながら話し合う中でミキミだけが悲し気にマヒルを心配するのであった。


 その後、マヒルの捜索を頼みに行った彼女達が戻ってきて何があったか聞いた。

 なんでもコンテナを発見して、大量の食糧が手に入ったようだ。

 コンテナの中身が何と全部生きた魚で、しかも海にしかいない魚ばかりであったそうだ。

 これで数日間は持つようなことを教師達が話していたみたい。

 普通なら出どころ不明な物は食べたくないと思うが、不思議と食料が手に入ったと聞いた途端、ホッとした。

 タマコは相変わらずその食料はヘルメスさんの差し入れだと騒いでいた。

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