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遠足8

 スタッフのお兄さんからぬいぐるみをもらった俺達は集合時間までゲームセンターコーナー内を回った。

 音ゲーや格ゲーを独占していた男子生徒をタマコが話しかけてタジタジにしていた。あれはひどいものだった。音ゲーをしていた彼はもう少しでフルコンボだったのにタマコが話しかけたせいで逃していたから彼はタマコに激怒してもいいと思うけど、ゲームをしながら顔を赤らめてチラチラとタマコを見ていた。

 タマコにいいところを見せようとして難易度MAXの曲を挑戦したが、タマコが気になって集中できなくなったのか曲が始まってからすぐに失敗して秒で終わった。

 俺は彼の青春を応援している。


「プリクラあるみたいよ」

「本当だ。みんなで取ろう。あーマヒルちゃんどこ行くの?こっちだよ。みんなで記念に撮ろう」


 ルカがコーナーの奥にあったプリクラを見つけた。

 丁度俺は懐かしいアクションゲームの機体を発見した。それを見ていただけなのにミキミはまたもや俺の手を引いてプリクラの中へ連れ込む。


「ポーズをとってこういう風に可愛く」

「ルカちゃんこうかな?」


 ルカとミキミはノリノリでポーズを決めてプリクラを楽しんでいたのに対して俺やタマコは無表情でルカ達のポーズを真似て撮った。

 プリクラの醍醐味の撮影した写真のデフォルメはルカとミキミに任せた。


「はいマヒルちゃんの分」


 機体から出てきたプリントシールをミキミから手渡された。

 それを見ていると映し出された俺がぱっちりした目や病的なほど白い肌に写っていた。それにプラスされるかのように動物の耳や文字が可愛くデフォルメされていた。

 ルカやミキミにすべて任せていたから文句はないが、大きなプリントシールには私達は永遠に友達!!とデフォルメされていた。それを見た俺はこれも悪くないなと思い笑った。


「ヤバいよ!もう集合時間だよ」


 のんびりゲームを遊んでいたら集合時間になっていた。

 俺達四人は急いで集合場所である駐車場へ駆けた。ゲームセンターコーナーは遊園地内でも駐車場から離れた位置にあるので着くには走っても10分はかかる。


「先生達に怒られるかな?」

「さあ、私達の他にも遅れている子がいたら軽く注意される程度じゃない?」

「みんな待ってよ。早すぎるよ」


 無駄話しをしながら走るルカとタマコは余裕があるのに対して遅れ始めたミキミが必死に俺達の後を追いかける。


「もう、しょうがねえな」

「キャ!マヒルちゃん?やめて恥ずかしいよう」


 遅れ始めたミキミを俺がお姫様抱っこしてルカとタマコの背中を追いかけた。

 思った通り十分ぐらい遅れたが先生に怒られることはなかった。


 先生が人数確認をして俺達はそれぞれのバスに乗り込んみ、バスが出発すると同時にザーザーと強めの雨が降り始めた。


「私達のクラスにあんな子いたっけ?」

「うーん、でも人数確認した時、人数はピッタリだったよ。きっと疲れているんだよ」

「そうかな?あの子見たことが無いような」


 バスの一番前の席に座る俺を見ながらこそこそクラスメイトが話をしている。

 不味いな。影を薄くなることを忘れていた。でもなんだかめんどくさくなってきた。

 こそこそ話すクラスメイトをスルーした俺はこれからにあんな出来事が起こることを知らずに疲れ果てて寝てしまった。


 次に目を開けた時に身体中に痛いが走りまわっていた。

 頭から生暖かい物が垂れ流れていたのでそれを触れてみた手を見ると赤く染まっていた。これは俺の頭から垂れ出た血らしい。

 何が起きたのか分からないがまず身体を治療した。

 右の腕が骨折と頭部のタンコブから出血している以外は怪我はなかった。

 怪我が治ったことで情報を整理した。

 遠足の帰りのバスで寝てしまったところまでは覚えている。俺が寝ている間にないかが起こったこととなる。

 バスの中を見回してみたが、バスは横たわっていて窓はすべて割れており土砂が散乱していた。

 この現場が物がっている。俺達は運悪く山道を走行中に土砂崩れに巻き込まれたみたいだ。

 まず俺が取った行動は気絶しているクラスメイト達や大人である教師と運転手の状態を確認して治療してから教師の顔面に雨水をぶっかけて叩き起こした。


「先生、先生」

「ん?もう学校に着いたのか?」

「違います。土砂崩れに巻き込まれたようです」


 予想の斜め上のことを言いだした教師の顔面にもう一度雨水をぶっかけた。

 そのあと気絶していたクラスメイトを同じように雨水を駆けて叩き起こした。

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