遠足5
ミキミ達と遊園地を回った。
高所恐怖症になってしまったミキミや観覧車の件を思い出したくないルカがいる為、高いアトラクションを避けて、コーヒーカップやミラーハウス、お化け屋敷などを回った。
「ねえ、みんな気づいている?」
次のアトラクションに向かう途中、ずっとスマホを見ていたタマコが急に言い出した。
「何が?」
「私達つけられていることを」
「嘘ー!ストーカー!どこにいるの?」
「マヒルちゃん怖いよ」
何を言い出すかと思えば、俺達の後を付け回すあの人のことか。
タマコ気づいていたんだ。俺も最初から気づいていたけど。最初からと言っても俺のクラスが駐車場で待たされた時から俺を見ていた人物には気づいていた。
話しかけることもなく俺達の後をついてくるだけだったので放置していた。
「そのストーカーって誰なのよ?」
「後ろの男の人だよ。さっきからアトラクションに乗らずに私達のことをずっと見ている」
「あの人?特に害はないからほっといたら?」
「えー!マヒルちゃん怖くないの?ストーカーだよ?」
「ただ僕達の後をついてくるだけだろ?それだけのことを怖がる必要ないでしょ?」
タマコが言うストーカーはやっぱり俺に言い寄ってきた青年だった。
あの人の用は俺にあるからミキミ達がそんなに怖がる必要がない。俺と別行動をすればあの人も俺の方について行くからミキミ達は気にせず遊べるよ。ミキミ達と別れてすぐに人気が無い場所に移動してからどこかにテレポートをしてするから、今からでも別行動しよう。
ミキミに腕を抱きしめられているからミキミ達と別行動したいのにそれができないでいる。さっきからミキミが俺の手と繋いだりしている。
きっと俺がどこかに行かないようにしているようだ。
あの人も俺に何の用があるんだ?パーキングエリアでもそうだったし、俺を追ってまで遊園地まで来るなんて暇な人なのだろうか。さっきのやり取りで興味を持ったのか?
「みんな待って私、あの人と話してくる」
タマコがまた変なことを言い始めた。
「タマコちゃんやめよう。先生とか係員を探しにいこうよ」
「そうよ。相手はストーカーなのよ。やめといた方がいいわ」
「だって今がまたとないチャンスなんだ。今を逃したら次は会えない気がする。せめて話だけでも」
ミキミやルカがタマコを必死に止めるが、タマコは摩訶不思議なことを言いだす。
ヘルメスさんを調べすぎてついに頭がおかしくなったか?
「何を言い出すんだ。ああいう人達は無視するのが一番なんだよ。次のアトラクションに行くよ。近くに釣りができるスペースがあるみたいだし、そこに行くよ」
念力の力を借りてタマコの手を必死に引く。
俺はあの人ともう関わりたくないんだ。だからお願いだ。タマコもあの人無視しよう。
タマコは何を考えているかわからないから、もしかするとタマコをあの人のところへ向かわせたらペラペラ俺のことをしゃべりそうだ。
「タマコちゃんはなんであのストーカーさんと話したいの?」
「気づかないの?あの人さっきのSNSに載っていた写真の人に似ているからその写真をあの人に見せて聞きたいことがあるの」
っげ!あの荒い画像であの人が画像の人って言うことに気づきやがったのか。しかもただ似ているだけで声かけるのも凄い。恐るべしタマコ。
「ほらさ、変な人だったら不味いじゃん」
「みんなで行こうよ。みんなで行けば怖くないだからみんなで行こう」
謎論理を展開して青年のところへ行こうするタマコを諦めてくれない。
「君達?私に何か用かな?」
そうこうしている内にあの青年が話しかけてきた。
「いいえ、なんでも」
「あなたに聞きたいがあります!この写真ってあなたですか?」
「タマコちゃんやめようよ」
「写真?どれ」
俺が青年を煙まこうと青年の質問を真っ向から否定しようとしたら俺の声を被せるようにタマコが止めるミキミをスルーして青年に質問をし始めた。
いきなり突き付けられらスマホを困惑することなく青年は覗き見る。
「この写真の大人の方の人物があなたの服装にそっくりではありませんか?」
「この場所はパーキングエリアだね。その場所に三時間前ぐらいいたかな?だけどその写真の子はわからないな。どそれがどうしたの?」
のほほんとした様子で青年が嘘をついた。確かにその写真に写っているのは俺と青年だ。それなのに知らないと言う。パーキングエリアにいた青年と目の前にいる青年は別人とはないだろう。
彼の考えはわからないが、俺にとってこの嘘は都合がいい。
「ほら、タマコ満足したでしょ?次行くよ」
「待って、君の輝きは」
タマコの背を押して青年の前から去ろうと言う時に青年は不可思議なことを口にし始めたのでスルーする。
「やっぱり見間違いではない。あの少年と全く同じ輝きを放っている。用事を蹴ってまで来てよかった」
何この人、自らの用事を取り消してまで俺を追ってきたって言うのかよ?ガチのストーカーじゃん。タマコよりもドン引きするほどのことをしているぞ。
ボソッと青年の独り言を聞いた俺は引いた。
人を見て輝きとか言っているし、この人本当に頭がおかしいんじゃないのか。
ピピピ、と青年の胸元から機械音が聞こえた。
青年は胸元からスマホを取り出して、苦渋の表情で画面を見てから、スマホを耳にあてた。
どうやら電話のようだ。
「マヒル待ってまだ聞きたいことがまだあるの。それを聞いてからでも」
「はいはい、後でヘルメスさん語らいを聞いてあげるからあの人から離れよう。マジで」
青年が電話に出ている隙を突いて俺とミキミ、ルカでタマコを引きずって青年の前から退散した。




