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遠足4

「先生、まだですか?他のクラスはもう遊園地に入っていきましたよ」

「コラコラ待て、そう焦るな。おかしいな。バスの中で数えた時は一人足りなくて、パーキングエリアに一人置いて来たとばかり焦っていたが、勘違いか」


 先生が生徒の人数を何回も数え直しているとしびれを切らした生徒が訴えている。

 今朝、出席確認した人数と今いる人数は欠員はいない。生徒同士でいないクラスメイトがいないか確認させていたが全員いると答えが返ってきた。

 先生が何度も確認したせいで点呼だけで二十分も食らったが、遊園地で遊ぶ気はないので俺は気にしていない。

 パーキングエリアで置いて行かれてそのままどこかに行かなくてよかった。遊園地に到着したら点呼するから、あのまま遊びに行ったら俺がいないことに発覚して警察沙汰に発展なるとこだった。


「先生の気のせいじゃないですか?十分確認したじゃないですか」

「そうか。そうだな。みんな18時にここに集合だ。我が校の生徒であることを忘れることなく節度ある行動をするように」


 クラスメイト達は解き放たれたように遊園地の中へ消えていった。

 ある者はクラスメイト共に、待っていた別のクラスと共に。

 俺は後者らしく。ミキミ達が待っていた。


「マヒルちゃん遅いよ。なんでマヒルちゃんのクラスだけがこんなに時間かかったの?誰かいなかったの?」

「先生の勘違いだったみたい。それと僕を置いて三人で先に回っててもよかったのに」


 ルカがなぜに時間がかかったか聞いてきたが、適当に言い訳をした。

 先生の勘違いじゃなくて本当に俺がパーキングエリアに置いて行かれたせいで三十分近く遊園地の駐車場で待たせてしまった。

 影が薄いのも考え物だな。


「そういわないの。四人で回るって約束していたでしょ?」


 ミキミに怒られてしまった。

 俺としては三人で回ってもらった方が都合がいいのだが。学生の身であるから休日限定になるが千葉にあるネズミの夢の国から大阪のハリウッドの超大作映画のテーマパークにいつでも行けるから今日は出席だけして自由時間の間は無人島でゆっくりするなりゲーセンにでも行こうかなって考えていたのに、自分のせいでミキミ達に見つかった。


「せっかくの遊園地だよ。行こう」

「遊園地ってゴールデンウィークに観覧車に乗ったじゃないか」

「あんな怖い乗り物はノーカン。遊園地のアトラクションじゃないから。高い乗り物も乗らないの!」


 ゴールデンウィークでスタッフの不手際でゴンドラが落ちた一件でミキミは高所恐怖症になってしまったから今日はコースターなど高いところに上るようなアトラクションはダメになった。

 ルカもミキミほどじゃないが、高いところに上るのはちょっとっといった感じで身を引いていた。


「時間が少ないのだから早く行こう」

「もう押すなよ」

「タマコちゃんも行こう!」

「待って」


 ミキミに手を引かれ、ルカに背中を押される中でタマコは自身のスマホを凝視してその場に立ち止まっていた。


「みんなこれ見て、バスでトイレ休憩に立ち寄ったパーキングエリアで少年が突然消えたって、この写真よく見たらうちの学校の男子の制服だよね?」


 タマコはスマホの画面を俺達に向けていう。

 画面に映し出された画像は荒いが、うちの学校の制服ぽい服を着ている人物が大人の男性と揉めている写真がSNSに投稿されていた。

 SNSに書かれている文章を読み進めると、少年と青年が揉めていたが、突然少年が多目的トイレに入って忽然と消えたと書かれていた。


 これは絶対俺とさっきの人じゃないか。

 あの時、パーキングエリアに誰もいないと思っていたけど誰かに見られていたか。

 この写真は荒すぎて顔の判別できないからこの写真の少年は俺とわからないだろう。


「この青年の方、絶対ヘルメスさんだと思うのよね」


 タマコが俺の予想の斜め上方向なことを言い始めた。

 タマコの勘違いはそのままにしておこう。そうなれば俺がヘルメスさんだと気づくまい。


「はいはい、そういうのはガセだからまともに受け取らないようにね」

「写真の子、マヒロくんに似ていない?ぼやけているけど背格好や髪がそれっぽくない?」


 ルカが鋭く、写真の少年の特徴と男の方の俺の特徴を述べる。


「本当!言われてみるとそっくり」

「そ、そうか?僕は全然似ていないと思うけど」


 ミキミが俺を見ながらルカに肯定する。そして俺は震えながらルカの指摘を否定する。

 ミキミ、俺を見るな。写真の人物が俺だと思われるだろう。いや、マヒロと俺が同一人物って思われるだろうが!

 俺の思いは届かずミキミは俺に微笑んだ。


 SNSの投稿は連鎖的にいくつもの続いて、「少年の制服は○○高校の男子の生徒ではないか」とか「確か、今日はその学校の一年生は遠足だ」とかプライバシーの保護と心無い投稿が上がってきた。

 ネット上はそんなものだ。他人のプライバシーを気にする人間はネット上にはいない。

 他人のプライバシーを気にする人間がネット上にいるならヘルメスさんのことが世界的な奇人に知れ渡ることはなかっただろう。

 後日、このSNSの投稿は学校に広まり、誰もこの写真の少年のことについて分からないが、遠足の日に一人の教師が生徒一人足りない話も広がって、写真の少年が神隠しにあって存在自体消されたという都市伝説になった。

 そんな都市伝説を二週間後タマコから聞いた。


「そんなのはいいだろう。時間なんて限りあるものだからさっさと行くぞ。」


 念力を使って三人の少女達を引っ張って遊園地に入っていった。

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