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ゴールデンウィークの最終日2

夏が終わって少しずつ暑さが消えていきますね。

 肩にトートバックをぶら下げて道を駆けていく。

 誰もいないも見ていないことを確認して、走る合間に女の姿に変身した。

 道すがら駆けているとミキミ達が見えた。

 危ないところだった。二分ぐらいで遅れていたら、ミキミ達が家に着いていた。


「っふ、おーいミキミ!」


 息を整えてミキミ達に声を掛けた。


「マヒルちゃん!出かけていたの?」


 ミキミが振り向きざまに驚きの声を上げた。

 俺からしたら白々しい反応だ。考えすぎか。散々、電話もメッセージも無視していたから今日みたいに強硬してきたのだろう。

 十回中一回くらいは電話を出ても、いや、これからもミキミの電話は無視しておこう。でも今日みたいにルカやタマコを引き連れて家に押しかけられたらそれはそれでめんどくさい。

 うーん。電話に出てもうるさい。電話を無視したらめんどくさい。どちらにしろ俺の安らかな時間が邪魔されるのは変わらないか。

 電話に出てもミキミがグダグダと喋るだけなんだよな。まるでヘルメスさんを語るタマコみたいで鬱陶しいから嫌なんだよな。

 目の前で話すのは俺の目を見つめるだけで、いや。電話以外でもミキミは俺と二人になるとマシンガントークを発していたな。それで中学はミキミと距離を置いていた。

 中学時代はミキミと距離を置いていたからあまりコミュニケーションを取ることはなかった。付きまとってられていたけども、今と変わらず無視してればミキミが諦めてくれていたが、高校に入ってミキミに友達ができた。

 中学時代から大きく成長して友達の力を借りて強硬手段を取ってきた。

 ミキミにとっては大きな成長と言えるだろう。

 俺にとっては迷惑な話だ。友達ができたから俺にこだわる必要はないだろうに。

 遊びに誘うならルカとタマコだけにしてほしい。

 と思っていながらもミキミ達とツルむのも悪くはないなと思う今日このごろ。


「マヒルちゃん何してたの?それとどうして電話に出てくれないのよ?」

「タイミングが悪くて、寝てたり、電車とかバスに乗っていたから出られなかった。それでメッセージで送った。悪い」


 少し機嫌が悪そうなルカに詰問されたが、適当に言い訳をして、謝る。

 相手の溜飲が下げるのに謝ることは大切。昔からの教えだ。

 溜飲の言葉の意味を知らないけど漫画とかで責められている場面で使われていたからこれであっているはずだ。


「電車やバスに乗っていたことは」

「タマコが思っているところには行っていない」


 タマコが何か言いだしそうだったので、それを塞ぐように答えた。

 タマコのことだからヘルメスさん関係のことを言おうとしたのだろう。それはない。だって俺がヘルメスさん本人だもん。


「えっ?私の話を聞いて、ヘルメスさんに興味を持ってくれたんじゃないの?この三日間はヘルメスさんが現れた場所の聖地巡礼をしていたから」

「それはタマコじゃあるまいし、それにヘルメスさんが現れた場所完全に把握している人なんていないんじゃないの?」


 ヘルメスさんの聖地巡礼って何?ヘルメスさんは歴史の偉人か何かなのか?

 ヘルメスさんの張本人である俺はそんな話は知らないぞ。

 ネット上でヘルメスさんがどういった感じで語られているんだ。最近タマコからヘルメスさん語らいを聞き始めてからさらに調べる気が失せているからネットで自分であるヘルメスさんについて検索していない。

 聖地巡礼云々も含めて調べる気力はゼロだ。

 ルカも聖地巡礼について知っているんだ。ってタマコのヘルメスさん語らいで知ったのか。


「立って話していても埒が明かないからどこか行こう。僕宿題が終わっていないんだ。どこかに行こう」


 どこかお店に入ってミキミ達三人がおしゃべりしている間に宿題を済ませよう。


「マヒルちゃん宿題やっていなかったのね。明日から学校よ。今日中に終わるの?」

「そういうルカ宿題終わったの?」

「まだだけど、後一、二時間ぐらいで終わるわ」

「く、ヘルメスさんのことを調べていたから私はまだ全然。マヒルが宿題をやるなら私も宿題を持ってくればよかった。ルカ宿題写させて」

「ダメに決まっているでしょ。宿題は自分の力でやる物でしょ。ミキミちゃんは?」

「私はもう終わっているの」

「ミキミー!」


 宿題が終わっていなかったのは俺とタマコとルカで、ミキミはすでに終わっていたという。ミキミが宿題を終わっていたのを知ったタマコは道端にも関わらずにミキミに宿題を「見せてくれ」と土下座した。

 人が土下座をしているのをはじめてみた。

 そのあとタマコの家で勉強することになった。ルカは自分の家に宿題を取りに行くと言うことで別れた。ルカはゴールデンウィーク中にタマコの家に何回かお邪魔していたらしく一人で来れるそうだ。

 タマコの家はマンションの上階だった。それを知ったミキミは顔を青くしながらもタマコ家にお邪魔した。

 ずっと目を瞑ったまま俺の腕を抱きついていた。鬱陶しかったが、二の腕に当る胸の感触を感じれたのでそのまました。

 勉強会ではミキミが俺の宿題を手伝うためか。俺が宿題をしている横で覗いてくる。高いところを忘れる為に見ていたかもしれない。

 俺は未来予知や視界を駆使してノートに問題や答えを写しているから、ミキミからしたら宿題をすらすら解いているように見えたのだろう。

 一方タマコは宿題をやると言っときながら、ルカが来るまで俺やミキミにヘルメスさん語りを始めたり、スマホでヘルメスさん情報を集めていた。

 ルカが来てもタマコは真面目に宿題を取り組むことができなかった。タマコに宿題をやらせようとしたルカも宿題が進まなかった。

 タマコとルカのやり取りがうるさいなと思いつつも無事に宿題を終わらせることができた。

 まったく宿題が進んでいなかったタマコは先生に怒られるのはゴールデンウィーク後に聞かされた。

次回は遠足の話になります。

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