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観覧車2

 数十分ほど並んで、ついに俺達の番になりゴンドラに乗りこんだ。

 ゴンドラはゆっくりと上っていく。


「今日、晴れてよかったね」

「そうだよね。遠くまでよく見えるよ。観覧車なんて初めて乗ったよ。タマコちゃんありがとう」

「お礼なんていいよ。私も観覧車に乗りたくてみんなを連れてきただけだから、あーこの景色をヘルメスさんと見えたらな」


 三人の少女達はゴンドラから見える絶景の景色にそれぞれの感想が口から出る。

 ヘルメスさんと一緒に乗っているが、面倒になるので正体を明かさない。てか一生この俺がヘルメスさんだと言うことを知られることはないだろう。たぶん。


 先ほどからゴンドラの天井付近から不審な音が聞こえている。少女達は景色に夢中で気づいていない。

 調べてい見たら滑車の部分が錆びついておりそこからギギギと音が鳴っている。無理に揺らさなちゃ落ちることはなさそうだ。


「マヒルちゃん外いい眺めだよ。見てみなよ」

「あれれ、マヒルちゃんはやっぱり高いところダメなのかな」

「大丈夫!てか見える景色はビルばかりで面白くないだろう。近くに海があればさらにいい景色だろう。下にいる人間達がまるでゴミのようだ」


 ゴンドラから見える景色は観覧車の回りがビル群ばかりでビルしか見えない。かろうじて遠くに山が見える程度だ。ビルに入れば似たような景色が見えるだろう。観覧車より高いビルもあるわけだし、そっちの方を上ったら遠くに海が見えるかもしれない。

 ルカの煽りを軽く答えて景色を見る。そして地面の方を見てとあるアニメ映画の敵キャラのオマージュしたセルフを吐く。


「どうしたの?マヒルちゃん?急にそんなことを言って。ルカちゃんの言う通り高いところダメだった?下に着くまで私が抱っこする?」

「マヒル男の子みたいなことを言って受け狙い?」


 中高生男子なら高い場所に上ったら必ず言ううであろうセリフを吐いてみたが、有名なセリフを知らないらしいミキミは戸惑いを見せた。タマコが別の反応を見せた。

 俺は確かに男だけどもそれはこの場にはミキミしか知らないはずだ。ミキミが漏らしていなければ。

 二人だけの秘密だからミキミは誰にも話していないはずだ。

 ミキミ、俺は高いとこは大丈夫だから俺を膝の上に乗せないでくれ。そして重くないか?女モードになっているから男の時と比べて体重はだいぶ落としているが、人ひとり膝上に乗せるのは重いだろうに。

 何故か俺を膝の上に乗せているミキミは心なしか嬉しそうだ。


「高いところまで来ると揺れるね」

「落ちそうで怖い」


 ゴンドラが頂点に差し掛かるぐらいの高さで強風が吹いてゴンドラを揺らす。

 地上の方ではそこまで風が吹いていなかったが、高いところは強い風が吹いているようだ。


 カツンとゴンドラの天井に小さい物が当った。

 またカツンカツンとゴンドラに当る音が聞こえる。

 上に何もないはずなのにゴンドラの天井に当る音がやはり聞こえる。カラスが胡桃などの木の実でも落としてイタズラでもしているのかと思っているとガコンと大きくゴンドラが揺れた。


「キャ!」


 揺れが強くて俺達はバランスが崩れて倒れた。

 俺が倒れたところにタマコの胸が上からドップンと振ってきた。正確にはタマコが俺の上に倒れてきたのだが、タマコの胸は俺のよりも、ミキミのよりも大きかった。昨日、一緒に風呂に入ったから見たから俺達四人の中で一番大きいのは大きいのはわかっていたけど。


「みんな大丈夫?」

「ええ、何とか。ミキミもマヒルも大丈夫そうね」

「いたた。一体何が起きたの?」

「ゴンドラの動きが止まっているみたい。何かの原因で緊急停止したみたい」


 起き上がり状況を確認して、ゴンドラが止まっていることが分かった。前と後ろのゴンドラに乗る乗客も不審な緊急停止に戸惑って下の方を見ている。

 今日は風が強かったからそれで停止したのかもしれない。数分もすれば再び動き出すだろう。


 数分で動き出すと思っていたが、五分ぐらい経過してもゴンドラが動き出すことがない。

 風でなく別の要因で止まったのか?


「もう!今回のゴールデンウィークはついてないよ」

「そうね。強盗に襲われて、気分転換に乗った観覧車が止まるなんてね。すまない、私が観覧車に乗りたいと言ったばかりに」


 ルカが現状にブツブツと文句を言うのに対してタマコが謝罪する。


「タマコちゃんは悪くないよ。たまにはこういう偶然もあるよ」


 慰めるようにミキミがタマコの背中を摩る。


「しかし、動かないね。下のスタッフは何をしているだろう?」


 俺は下に向けて視界を飛ばして様子を見た。

 下は観覧車のスタッフが大慌てで消防署や警察に電話をしていた。ゴンドラに乗った乗客を救出するために呼んでいるみたいだ。

 観覧車は機械的なトラブルで安全装置が働き、緊急停止が作動したようで、スタッフが何をやっても観覧車は動かなくなって最終的な手段で消防署や警察を呼んだようだ。


 救援を待つしかないのでゴンドラの中で待っている間も風が吹けば揺れる。俺達が乗るゴンドラはある意味絶叫系のアトラクションに乗っていると思えば楽しく感じるはず。


 カーツン!と気持ちいほどの甲高いが聞こえたと思ったら、ゴンドラが落ちた。

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