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朝食の時間

旅行が楽しみだ。

いろいろと準備していたけどワクワクが止まらない。

 ミキミの家に泊まって朝を迎えた。

 俺達は田中さんが作ってくれた朝食、と言っても昨日のカレーの残りを食べていた。


「ミキミちゃん、昨晩は大丈夫でしたか?」

「うん。みんながいてくれたから怖くはなかったよ。田中さん心配してくれてありがとう」


 カレーを食べながら横目でミキミと田中さんのやり取りを見て昨晩のことを思い浮かべた。

 空き巣達は無事に警察のご厄介になった。足にコンクリのブロックをつけていたから病院に搬送されたらしい。

 ブロックを外す為にトンカチで割ったりしていたらしい。後日、駆けつけた婦警さんから聞いたらしいミキミが言っていた。

 空き巣の件は置いといて、その後が大変だった。

 眠れないと言うミキミが俺が寝る布団の中に入ってきた。ルカとタマコも便乗して入ってきた。

 混じり合う女体の中(自分も含めて)で眠れることが無く。誰かの手が俺の胸を揉んだり、俺の手がミキミのパンツの中に吸い込まれたりして大変だった。

 俺の胸を揉んだのはルカだと思うが、気が付けばタマコの顔が俺の胸に埋めていたし、暑苦しくて溜らなかった。三人が寝たところを見計らって、隣の布団に移動しても密着しているから誰かが動けば少なからず目が覚めて移動した布団に三人が潜り込んでいた。

 俺は一睡もできなかった。


「ミキミちゃん、まだ家の中の片づけがまだなの」


 昨日の空き巣が荒らした片づけがまだ終わっていないらしい。

 家の中を派手に荒らしたそうで、空き巣が逮捕されてから五時間しか経過してない。片づけるのに一日かかると言っていたからまだ終わっていないのは当然。しかも田中さんはそれを徹夜で寝ずに作業していた。

 それなのにキッチンに立つ田中さんからは一切の眠気を感じ取れない。


「うん手伝うよ」

「そうじゃなくて、お友達と遊んできなさいってことよ。家の片づけは私が全部やりますから。あ、でも昨晩空き巣が入ってきたことお友達の親御さん方に言った方がいいのかしら」

「いえ、大丈夫です。僕は襲われて怪我したわけではないので、それよりもタマコの方が」


 空き巣に性的暴行を受けそうになった当の本人のタマコは憧れのヘルメスさんに出会えて上書きされたのか俺の隣でスマホを見ながらツーショットお願いすればよかったと嘆いていた。

 対面に座るルカが呆れて顔が引きつっている。

 精神タフすぎるだろう。


「そうね。タマコちゃんのご両親に連絡したほうがいいのかもしれないけどタマコちゃんも怪我がないから大丈夫っていうのよね」


 タマコも怪我がないから両親に連絡不要と言っている。ついでにもし怪我したらヘルメスさんに責任を取ってもらってお嫁さんにしてもらうと意味不明で恐ろしいことを口にしている。

 俺は今女の子だからタマコをお嫁にできない。ってタマコは俺がヘルメスさんってことを知らないじゃないかい。

 と一人漫才は中止。

 タマコもケロッとしているし、タマコの両親に連絡しなくてもいいじゃないだろうか。

 何かあれば警察経由で家に行くだろうから。

 警察経由で家に連絡が行く?やらかした。昨日の事情聴取で家の住所と電話番号を婦警さんに言ってしまった。まあ、何もないことを祈るが。


 おそるおそる、スマホを起動してみると妹から10件以上の着信とメッセージが入っていたが、両親からの連絡は一件もなかった。

 両親からの連絡が一切ないことに安心した俺はスマホを閉じた。妹からのメッセージは後で確認すればいいだろう。


「私が遊びに行って田中さん大丈夫?」

「ミキミちゃん心配いらないわ。私はこの家の家政婦、いいえ。メイドなのよ。掃除は大得意なの。心置きなくお友達と遊んでいらっしゃい。何かあったら私に連絡するのよ?すぐに駆け付けるから」


 心配そうにミキミは田中さんの顔色を窺うが、心配無用と言った感じで田中さんは親指を立てた。


 そしてもう一日ミキミ達に付き合わなくちゃいけなくなった。せっかくの休みを、とは言ってもやることが無く暇だからもう一日だけミキミ達と遊ぶか。

 女の子は何で遊んでいるのだろうか?田舎に近い町だから遊ぶと言っても遊ぶ場所はカラオケやゲーセンぐらいしかない。男だけならそれで充分遊べるが、女子は長期休みをどう過ごしているか十分興味がある。


「遊んでおいでと言われても何もないよね?マヒルちゃんはどこか行きたい場所ある?」

「特にないよ。暇ならゲーセンでも行く?時間を潰せて楽しいと思うけど」

「ゲームセンターはないない。せっかくの休みなのに」

「それなら遠くに行く?」


 タマコの口から遠くに行くと言う提案が出された。

 電車やバスを乗り継げば都会に出ることができるが、都会で何をするの?と疑問が浮かぶ中で女の子と言ったら買い物しか思いつかない。

 自分の発想の無さが悔やまれる。


「遠くってどこに?海を見に行くって言わないわよね?」

「えー海なんて、もう見飽きたよ。まだ五月だよ。海で遊ぶにはまだ寒いよ」


 無人島で散々見ていたのに電車に乗って海を見に行くのはごめんだし、真冬だろうが、真夏だろうが、海で泳いでいたから今更だ。

 海で泳ぎたい気分になったら無人島に行って普通に泳ぐし、俺は別に行かなくてもいいかな。


「「「え?」」」


 三人から疑問の声が出た。


「マヒルちゃん、海って?」

「えーと、そう、去年の夏休みとか入学式の前に飽きるほど海に行っていたからさ。趣味の一環で」


 苦し紛れの言い訳で誤魔化した。

 趣味の一環で海に行くって俺は釣りやサーフィンの趣味があるのではないかと思われたかな?そういった趣味はないけど一日中眺めているから海を眺めるのは俺の趣味だ。

 この三年間丸一日海を眺めるだけで終わった日が何日あったか数えきれないほどある。


 俺達は四人は一日何をするか話し合った。それを暖かく見守る田中さんがいた。

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