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その後

八月の旅行が楽しみ


他の予定があるから八月は投稿がオチる

 昨晩は散々だった。

 空き巣達は無事に逮捕されたものの俺達を待っていたのは警察の事情聴取だった。

 俺達の格好がネグリジェだったからか事情聴取をするのは三十越えたくらいの婦警さん。


 ルカとミキミは空き巣と遭遇から三階の一室に隠れたからルカとミキミの事情聴取は十分も掛からなかった。

 その代わりに。


「私が強姦魔に襲われている所にヘルメスさんが助けに来てくれたんですよ。お巡りさん!憧れのヘルメスさんですよ」

「ヘルメスさんと言うのは?」

「お巡りさんヘルメスさんを知らないのですか?ヘルメスさんは神出鬼没で空を飛べる人なんです」


 タマコによるヘルメスさん語らいが始まった。

 婦警さんには悪いけどタマコの語らいが始まってしまったらタマコは止まらない。耐えてくれ。


「あなたは階段に隠れていたのですね」


 俺はもう一人の婦警さんの事情聴取を受けていた。


「はい、友達が襲われているのに僕は何もできなかった。タマコの服が破かれたところでヘルメットの人が煙のように現れたんです」

「それがあの娘が話しているヘルメスさんと言う人物ですね?」

「はい、ネットで見た風体と変わらなかったのでそうかと思います。実際に見るのは初めてだったので空き巣の仲間だと思いました」


 自分の動画や写真がネットに流れている。こんなネットタトゥーを消し去りたいと思っているが、一度流れた物は俺の超能力を使っても消すことはできない。

 今ではインターネットのオモチャになっている。

 俺が写った動画を編集されてMAD動画なんてものが作られているし、写真なんて加工されてどこかの国の大統領と握手している写真も出回っている。


「ちょっと通してください」


 外の野次馬の中から聞いたことのある声が聞こえたので視界を飛ばしてみた。

 その人物は野次馬を掻き分け、玄関に突っ立ている警官を遮ってミキミの家に入ってきた。


「あなた今は入って来ちゃダメでしょ?それであなたはどちら様で?」

「私は田中と言います。この家に雇われている家政婦です。ミキミちゃんは無事ですよね?ひどい目にはあってませんよね?」


 凄い剣幕で田中さんを止めた警察の人に迫っている。

 あまりの迫力に警察の人も引いている。

 雇い主の家に泥棒が入ったからきたってよりも田中さんとミキミの関係は思えば駆けつけるのは当然である。


「お屋敷の関係者ですか。お嬢さん方はリビングで事情聴取を受けています。そして一人が犯人達に押し倒されようですが、家の中を荒らされた以外は対した被害はないようです」

「押し倒されたのですか!ミキミちゃん!」


 田中さんは警察を押しのけてリビングに急いで入ってきた。


「田中さん」

「ミキミちゃん大丈夫ですか!」

「私は大丈夫。泥棒さん達が見つかった時は怖かったけど、マヒルちゃんのおかげで隠れることができた。でもタマコちゃんが泥棒さんに乱暴されたみたい」


 ミキミが婦警さんにヘルメスさんのすばらしさを語るタマコを指さした。

 婦警さんはうんざりして事情聴取のメモの手を止めている。

 まだ十分も経っていないのに情けない。タマコと始めた会った時は三時間ぐらいヘルメスさん語りをしていたぞ。


「みんな怪我はないよ」

「無事でよかった」


 田中さんは安心したのか床にぺたりと座り込んだ。

 一時間ほどして警察は撤収していった。タマコの事情聴取をしていた婦警さんはものすごくぐったりしていた。事情聴取も仕事の内だと思うのに不真面目な警察官だな。


「皆さんすみません。私がお留守をしたばかりに」

「田中さんはちっとも悪くないよ」

「いいえ。ミキミちゃんのお母さんとお父さんに私以外のお手伝いさんを何人か雇うように言います」


 田中さんは今回起きた対策提示した。

 用意は越したことは無いけど。田中さんは過保護になりそうだ。

 数日後、ミキミの家に二人ほどお手伝いさんを新たに雇ったそうだ。


「片づけは私がしておきますのでお休みください。眠れないのでしたら暖かいココアでも入れましょうか」

「片づけは私がするから大丈夫だよ。それより田中さんは用事はどうしたの?」


 空き巣達が荒らしたキッチンや地下室、以外にも二部屋が荒らされて片づけるのに早くても丸一日ぐらいかかりそうだ。

 それをミキミと田中さんが取り合っている。


「ミキミちゃん。怖い思いをしたのだから無理をしなくていいのよ?用事はもう済んだからいいの。さあさ、あなた達も部屋に行って」


 俺達は田中さんに背中を押されて部屋に押し込められた。

 ミキミは納得していなかったけどルカとタマコはお互いにうなづき合った。


「田中さんはあー言っていたから寝ちゃおう」

「家の掃除もあの人の仕事の内でしょ?雇い主の娘に掃除をさせちゃいけないでしょう?」


 ルカとタマコに説得されたミキミはしぶしぶ布団に入っていった。

 俺達も布団の中に入った。

 下から掃除機の音や田中さんの足音を聞きながら目を瞑った。

 もぞもぞと布団の中に誰かが入ってくる感触を感じた。


「ミキミ重い」

「マヒルちゃん私は重くないよ。寝ようとしていたのにごめんね。怖くて一緒に寝よう」


 ミキミとは反対側からももぞもぞと入ってきた。


「私も怖いから寝よう」

「ルカお前もか。布団が狭いだろ?」


 三人で布団に寝るのは狭い。それを追いうちにかけるように。


「三人で何しているの?私も混ぜてよ」


 タマコも入ってきた。暑苦しくてたまったものではない。

 さっきまで空き巣がいたのに、こいつ等メンタルがタフすぎるだろう。

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