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不審者

暑いよー。

待ち望んだグリモアが復活する。それももうすぐだ。


 ごとごととキッチンから物音が聞こえた。


「ねえ?何か聞こえた?」


 タマコのヘルメスさんの語らいに飽き飽きしていたルカも不審な音に気付いたようだ。


「音?何も聞こえないけど」

「気のせいじゃないの?」


 とミキミとタマコは気づいていないみたい。確かにキッチンの方から物音が聞こえた。

 物音がしたキッチンへ視界を送った。視界で見たのはキッチンに男三人が物色していた。


「富士?ここに娘っ子しかいないはずだよな?」

「そうだけど?それがどうした?村井君が家政婦が出ていくのを確認しているし、ここに住んでいるのは女子高生一人だけど?」

「いやな。さっき洗濯機の中を覗いたのだけど、複数の服が入っていた。娘っ子の他に誰かいるんじゃないか?」

「中尾の言う通りだ。玄関に四人の靴があった。家政婦がいないから友達を呼んだのだろう」


 男達のやり取りを見て、これは空き巣と判断した俺は空き巣の存在を彼女達に伝えるべきか迷っていた。

 無駄に不安にさせるのもな。でもガチの空き巣だから警察を呼ばなければいけないだろうからな。

 今、家の中に三人の男が入ってきているって伝えるのも不自然だな。ずっとミキミ達といたからなんでそんなことを知っているの?って聞かれると超能力の説明をしなくちゃならない。説明したら俺がヘルメスさんだとタマコが気づくかもしれない。


「ルカちゃん怖い事言うのやめてよ。夜中トイレに行けなくなるじゃん。その時はマヒルちゃんを起こすね」

「なんで僕なのさ。起こさずに寝かせて欲しいよ。それにミキミは高校生でしょ?トイレぐらい一人で行ってよ。わかった。ミキミがトイレ行くたびに起こされるのも嫌だからトイレ行くついでに見てくるよ」


 あの空き巣達を排除する為にトイレのついでに一人で見に行くと言ったのだが。


「私も行くよ。さっきからトイレ行きたいなって思っていたからね。でもトイレの場所がどこなのかわからなくてね。聞けずにいたんだよ。正直いうとおねしょを覚悟していた」


 気持ちばかし、頬を赤らめたタマコがそう言い出した。

 ずっとトレイを我慢していたらしく、恥ずかしくて聞けずにしたらしい。

 トイレの場所を聞くくらい何も恥ずかしくないだろう。おねしょを覚悟って、しかも人の家で、人としてダメだろう。

 ヘルメスさんが好きって言うぐらい変わり者だとは知っていたけどタマコってそういう常識の部分が抜けているのか。


「みんなで見に行こうっか。もし、泥棒だったら危なし」

「もしかしたら、田中さんかもしれない。用事が済んだから来たのかも」

「いいよ。二人はここでゆっくりしてて。タマコをトイレに連れて行っている間、誰もいないか確認するから」

「それはダメ。みんなで行こう」


 なんやかんやでみんなで見に行くことなった。

 タマコをトイレに入れている間に、空き巣達をなんとかしようとしていたが、ミキミとルカが一緒に確認すると聞かなったのだ。


「動きづらいのだけど」

「いいじゃん。怖いのだから」

「マヒルちゃんごめんね。こうしていると安心するの」


 どういうわけかミキミとルカに両腕を抱かれている。歩きづらくて仕方がない。


「じゃれ合っているところ悪いけどトイレはどこかな?」

「タマコちゃんトイレなら左の扉がそうだよ」

「使わせてもらうよ」


 タマコはトイレの中に行った。

 俺達は音がしたキッチンに向かった。

 そこにがさごそと冷蔵庫を漁る男がいた。俺だけいるのを知っていたけど。

 残りの二人は別の場所を漁っているみたい。


「「きゃああああああああああ」」


 空き巣を見たミキミとルカは悲鳴を上げた。


「くそ!やっぱり友達も一緒だったか。まあいい、一足先にお嬢さん達ベッドの上でお楽しみさせてもらうか」


 男は気持ち悪い表情を浮かべて俺達に近づく。


「こっちに逃げるよ」


 足がすくんで棒立ちになっていたミキミとルカを連れて三階へ逃げる。足がすくんでいたからほぼ、念力で運んだ。その上凄い速さで無音で駆け上がったから空き巣は俺達がどこに行ったか分からないだろう。

 空き巣の他二人は一階の別の場所と地下を漁っていたから、多分気づかれていない。

 ミキミの家がデカくてよかった。


 三階の隅の部屋に俺達は入った。


「どうしよう。本当に泥棒だったよ。どうしよう。どうしよう」

「警察に連絡しなちゃ。警察の番号は119ってスマホ持ってきてない」


 ミキミとルカはパニック状態だった。


「そういえばタマコちゃんを置いて聞きゃった。泥棒に見つかっちゃったらタマコちゃん殺されちゃうよ」


 タマコは今もなおトイレにいる。運がいいことに空き巣達はトイレに誰かが入っていることに気づいていない。そしてタマコもミキミ達の悲鳴が聞こえなかったのかのんびりと用をたしている。


「タマコを助けに行かないと」

「僕だけが行く。二人はこれで警察に連絡して、ここで隠れていれ」

「マヒルちゃん一人で行くなんて無茶だよ。相手は泥棒なんだよ。女の子が勝てるはずがないよ。三人で行けば」


 とルカが足を震えさせながら言う。

 説得力がない。


「大丈夫。タマコをここに連れていくだけだから。タマコを連れてきたら四人で警察が来るまで隠れよう。それが無理ならタマコと別な場所に隠れているよ。だから二人は警察が来るまでここで大人しく隠れていて」


 俺は部屋から出てからすぐに男に戻り、無人島に転移して着替えた。


「タマコが待ち望んだ。ヘルメスさん惨状だ」


 ヘルメスさんスタイルになった俺は再びミキミの家に転移した。

暑くてペースが落ちてるよ。

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