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デートの誘い

 セバスの件を何とか片づけた俺は、憩いの場を失った悲しみを忘れようと自室のベッドの上でくつろいでスマホを弄っていた。


「明日は久しぶりに体売りの女としてどこかに行こうかな?でもな体売りの女は夜の方がいいしな」


 スマホで明日どこかに出かけるかマップアプリを立ち上げて無駄に画面を操作して眺めた。

 ランダムにスワイプしては目についた場所の観光スポットのサイトや食事処の口コミを見ながら明日のことを考えていた。

 うーん。海は見たくないな。無人島のことを思いだしてしまうから海が無い場所がいい、人が多い場所も嫌だけど、案外人が多い場所の方が今の俺には合っているかもしれないな。

 一週間前にタマコと迷い込んだ異空間を思い出す。あの場所はひどく寂れていて人が住んでいない廃墟の街のような場所だった。まあ、人は住んでいなかったけど、案山子が住んでいたけど。それと手や足の化物がいたけども。

 自分達がいない異常な空間に閉じ込められたから人の多い場所が恋しく思えてしまう。そしてこの一週間俺を慕う案山子ことセバスと一緒に小屋を建てていた。何が悲しくて案山子と建築しているんだよ。絵面だけ見たらただの異常者の行動だ。セバスは自由意志をもつ案山子だけど、建築はほとんど俺がやったのは過言ではない。俺をお嬢様と慕う案山子君の為に高校生の貴重な放課後を費やしたので明日は自由に遊び回ろうと考えた。

 いざ、何かしようとすると何をしていいのかわからない。遠くの街でぶらつくのもありだし、自室に籠ってゲームをするのもありだ。何もないいつも通りの休日だ。やりたいことは山ほどあるお年頃なのに俺ときたら休日にやりたいことは特にないときた。超能力を持っている俺はすべてのことを放課後にすべてできてしまう。

 これが超能力の宿命なのかもしれない。

 こうして明日何をやろうかスマホで遠くの街とかを調べていたのである。


 気だるげにスワイプしているとピコンと一つの通知が来た。

 俺の秘密を握る少女のタマコからだ。そのメッセージには「お願いがあるのだけど」という不穏な言葉の羅列があった。

 一抹の不安を感じながらそのメッセージに返信する。


 弱みを握られている身の上何を要求されるのか。どんな願いが叶えられる祝福の願書でも俺の秘密に関する記憶を消すことができないからタマコの要求はどんな無理なことでも吞まざるおえない。

 どんなお願いをされるのかドキドキしながらタマコのメッセージを待つ。

 数分後に「明日私とデートをしてほしい。もちろんマヒルは男の姿でね」とよくわからない内容だった。

 タマコの意図が理解できないのはよくあることだ。気にするだけ時間の無駄だ。弱みを握られている以上要望通りに従うだけだ。

 悔しいことに明日は何も予定が無い。明日何をするか重要なことを先に決めておくべきだったと後悔した。弱みを握られているから従わないといけないけど。


 ジーンズとパーカー。いつも出掛けている服装でタマコと待ち合わせした場所に向かう。少し早めに着いてしまったが、その内来るだろう。スマホを見てればタマコがいつの間にか来ているだろうと踏んで待ち合わせにしていた道路の脇に立つ。

 その場所はどこか見覚えがある道路だった。変哲もない日本中にありそうな道路だからどこか似たような場所と勘違いしたのだろうと判断してスマホの画面に視線を移した。

 スマホの画面の時計は待ち合わせ時間10分前の時刻だった。


「マヒルー!」


 遠くに涼しげな華やかさのラフカジュアルスタイルで思いっきり決めたタマコが手を振っていた。

 どこかで見たような服装と思ったら、この間ルカが学校に持ってきたファッション誌に載っていたコーデだ。ファッション誌に載っていたから最近の流行りを着てきたのだろう。


「ごめん待った?」

「いや、今来たところだったよ。てか、来るの早くない?待ち合わせの10分前だよ」

「それをマヒルが言う?」


 駆け寄ってくるタマコに軽く返事をする。

 待った?っと聞いてくるタマコは10分前付いているのは自分でもわかっているはずのに。俺の場合は能力で家から10秒以内に着けるから関係ない。


「ところで俺さあ、今日のところ何も考えてなかったんだけど、どこか行きたいところある?あるなら連れていくよ」

「うん。じゃあ、ここに連れてってほしい」


 タマコがスマホを差し出して来た。

 その画面を覗き見ると画面にマップアプリが立ち上がっており、マップ上にピンが刺さっていた。

 そこに行きたいってことか。何か考えがあってそこに行きたいのだろう。

 俺も特に行きたい場所は無いし、ていうか予定を立てていない。全部タマコ任せだった。

 今日着て服装もいつも来ている服装で、タマコのようにデートだからって気合いを入れて、流行りのコーデを着ているわけでもない。何なら潮風にあてられでパーカーが痛んでいる。若干磯臭い。


「じゃあ、テレポートするよ。手を握って」


 タマコが手を握ったのを確認して、ピンが刺さった場所の近くにテレポートをした。

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