セバスと建築
いろいろあってセバスと家を建てることになった。
一端帰り材料集めに奔走した。今まで貯めた小遣いから体売りの女で稼いだ金、スーパーアルティメット団からのバイト代(事件で活躍したからと言う理由で支払われた)で材料を買い、その日のうちに無人島へ運んだ。
「お嬢様!わたくしの為に集めてくださったのですね」
と大量の資材を見たセバスは感激と言わんばかりに喜んでくれた。案山子だから表情は変わらないけどフリフリと体を動かすから喜んでいると分かる。
「明日から本格的にやるから資材はそのままにしといてね。僕は今日のところはこれで帰るね」
「はい!お嬢様が来るまで首を長くしてお待ちしてます」
自宅に帰った俺はネットで建築動画を見た。森の中で斧一本で小屋を建てる男の動画や穴を掘って地下に部屋を作る動画、重機を使って建物を建てる動画などで建築に関する知識を深めた。
付け焼刃の知識でちゃんとした建物が建てられるか知らないけど明日頑張ってみようと思う。
動画を見ていると自室のドアをコンコンと叩く音が聞こえた。ドアを叩いた本人は俺の了承を待たずに部屋の中へ侵入してきた。
「お姉ちゃん、今大丈夫?」
「ヨルノいつも言っているがお姉ちゃんって呼ぶんじゃない。いい加減やめろよな?お母さん達にバレたらどうするんだよ?」
「大丈夫なんだね」
俺の文句をイエスと受け取ったとち狂った我が妹ヨルノは俺のベッドに腰かけた。
「もう遅いぞ。明日学校だろ?早く寝ろよ」
「高校生のお姉ちゃんは知らないだろうけど明日急遽休校になりましたので夜更かししても大丈夫」
この間の事件で精神を病んだ生徒や教師の為の休校だろう。ここいらの小学校や中学校は銃乱射事件のせいで二週間ほど休校になったとさっきネットニュースで流れていた。事件をなかったことになったはずなのに人々の記憶には事件が深くこびりついている。そのおかげで不登校になる生徒が増えたとか。
登校する生徒も両手で数えられる人数しか着ていないんのだから俺の学校も休校にならないかな。
お姉ちゃん呼びを諦めた俺はヨルノに要件を聞いた。
「んで?急にどうしたんだよ?」
「それでね。お姉ちゃんは大丈夫なのかなって?あの日に死んだ記憶を持った人がいると思うんだけど、お姉ちゃんはそんな記憶とか持っていないの?不安になることとか、人に襲われる夢とか見ないの?」
「俺は見ないな。ヨルノは見るのか?」
あの日多くの人が死を体験した。俺が祝福の願書を使ってあの事件をなかったことにしたが、事件が起きた記憶だけが残った。あの時間を起こした犯人グループはどうなったのか俺は知らないが、スーパーアルティメット団とかが何とかしただろう。
記憶が問題だった。俺が通う学校も登校する生徒は数えられる人数しかいなかった。それほど精神的なダメージが大きかったのだろう。
「私じゃないの?私の友達が今朝自殺したって、クラスメイトの子も三人自殺したってクラスの連絡網できて先生が私が大丈夫かって連絡くれたの」
世界の半分近くの男性がウイルスで死んだ直後にクラスメイトが自殺した知らせは辛いよな。
俺とは違ってヨルノは友達を作っている。むしろ多い。仲良くしていたクラスメイトが自殺した知らせは落ち込むというか。精神的に病むだろうな。こういう時は家族がメンタルケアをしなくてはならないけど俺はどうするべきかわからない。
「そっか。今日は一緒に寝るか?」
「うん」
今の俺は女だからヨルノに添い寝するのは問題ないはずだ。
パソコンの電源を落とした俺は、軽くシャワーを浴びて、ヨルノと寝た。
次の日の学校も午前中で終わった。全部自習だった。先生もろくに来ないでミキミ達とダラダラと喋っているだけの時間だった。
二日目でただ出席日数を稼ぐだけになっている気がする。出席を確認しているかどうかも怪しい。出席簿は職員室へ届けているけど、職員室に誰もいないんだよな。だから朝一で担任の机から出席簿を取って、出席確認後に机に戻しているだけの作業なんだよな。本当に馬鹿らしく思えてくる。
そんな無駄と思える学校生活を送っては、放課後に無人島へ行ってセバスと小屋を建てる作業を一週間を過ごした。
無人島で建てている小屋はネットで見た動画を参考に俺の能力を駆使して買ってきた材料を組み立てた。
「お嬢様!ようやく完成しましたね」
「ああ、一週間頑張った」
午前は学校に行かなければならないから、どうしても作業は午後からの数時間になってしまうが少ない時間は能力でカバーしたからか思ったよりも早く建てることが出来た。
それとセバスは俺がいない間も細かい作業をしていた。細い案山子の身体だから重い物を持つことや肉体労働ができないから小さな部品を組み立てたりして過ごしていた。それと海から流れてくる漂流物を拾って特定のゴミ捨て場みたいな場所を作って島の外観を綺麗にしていた。
こうして誰も住んでいない島に案山子だけが暮らす身綺麗な小屋が建ったのであった。その数日後、島に流れてくる漂流物で装飾されて凄く居心地のいい空間へと魔改造された。




