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不思議な学校の現象19

 ある物を二つ四次元空間から取り出した。


「大きな本とペン?」


 取り出した物を見て疑問を漏らした。

 そう俺が取りだしたのは祝福の願書。これに書いた者の願いが叶うチートアイテム。それとコンビニで買ったボールペン。

 最初からこれを使えばよかった。これを使っていれば今起きている問題を一気に解決できる。今まで四次元空間から入れっぱなしにして存在を忘れていた。

 ただこれをタマコに見せたくはなかった。けど今ここでこれを使わないとこれの存在が男や案山子達に知られてしまう。案山子達には知られたところでこの街に来なければいいだけだが、あの男はダメだ。知らない組織に所属しているから祝福の願書の存在を知られるわけにはいかない。スーパーアルティメット団からには持っていることを知られているが、いつ没収されるかわからない。スーパーアルティメット団のボスである西村の方で黙認されているかもしれないけど。


「あ、ちょうどいい。タマコこのページを読んでみて」

「え?何?急に、このページに書かれているのを読めばいいの?ってほとんど落書きじゃないの?ヘルメスさんのことが知りたいって書いてあるわね。これが何なの?これってまさか!」


 ふっと思いついたことを実行する。それは海の事件時に実験としてミキミ達に書いてもらった願いを読んでもらった。祝福の願書の特徴の一つとして他人が書いた願いは叶っていようがいないが、理解もできないし読めない。今読んだのは部分はミキミ達が書いた部分を読んでもらったわけだが、タマコはそんなことを願っていたのか。他人の願いを知ったことで俺には取り消すこともできないけど。

 眉を潜めていたタマコは今読んだページの意味を、俺の意図を理解したみたいだ。


「これがマヒルが言っていた願いが叶う手段なのね。私の願いを聞き出してどうするの?願いを取り消すつもり?」

「タマコの願いを知ったところで誰も何もできない。もちろん願いを取り消すこともね。なんだってそのページを破っても元通りになるから燃やそうがバラバラに切り刻もうが無駄な努力ってわけだよ。そしてタマコが落書きって言った者はミキミとルカの願いだよ。プライバシー保護の精神なのか他人が書いた願いは読むことができない。二人とも忘れているけど私達が友達でいますようにみたいな感じで書いたみたいだよ。僕はただ三人があの時何を願ったのか知りたかっただけだよ」


 ミキミ達が書いたであろう部分の願いを撫でた俺はあっさりとタマコに告げる。ミキミ達には祝福の願書のことは教えない。こんな物の存在を知っていたら碌な目に会わないと思うし、知らない方が幸せだろう。

 この本のおかげで銃乱射事件でタマコのお父さんが死ななかった。このことはたぶんその内タマコも気づくだろう。


「そう。なんで今それを出したの?」


 俺の話しを信じたのか分からないが、タマコは次に思った疑問を口にする。


「なんでってこれを出した方がすべて解決するからだよ」


 祝福の願書に書いた願いは叶うから俺とタマコは元々この街に来なかったって書けば元の場所、学校に戻れる。今悩んでいる物すべて片付くから出した。

 まっさらなページにペンを立てて、流れるような動きで文字を書いていく。

 手、足、顔の化物が死んだと祝福の願書に書いた。それと俺とタマコは30分後にいつもの学校に帰るとも書いた。俺達が迷い込んだ学校は手の化物のおかげで崩壊して建物の形をしていない。それどころか今となっては瓦礫の山だ。だからは俺達はいつも通う学校に帰れるだろう。


「もう終わった。タマコ行こう」

「帰るの?それとも」

「ああ、本当に死んだかどうか確かめる必要があるからさっきの場所に行くよ」


 祝福の願書を四次元空間にしまうと俺はタマコといともに化け物達と戦った場所へとテレポートで戻った。死んでいることは視界で確認済みだからある物を回収しなくてはならないし、俺達が怪物を倒したことを案山子達に認識させるために。

 ああいう昔の物はもしかしたら約束ごとに執着するかもしれない。だから俺達が約束した通りに怪物を倒したと思わせる必要がある。


 テレポートをしたと同時に俺は顔の化物の口に手を入れて、噛み千切られた半身を取り出した。俺の半身は咀嚼されたのか噛みつぶされたような形状になっていた。かろうじて掌は無事だったからこれは腕だとわかる。

 それを四次元空間に入れた。ついでとばかりに初めて倒した怪物の記念として動くことも無い顔と右足を四次元空間へ入れた。持ち帰ってもいらなくなるだろうけど、いらなくなったらスーパーアルティメット団に押し付ければいいだけの話だ。

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