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不思議な学校の現象18

 一対四のヤバい状況になった。

 両手をさっさと始末すればよかったと後悔してももう遅い。案山子達と約束した手前でこのままとんぼ返りできない。約束を破ってもさほど支障は無いと思う。男も生きているわけだからタマコを連れて男にこの場所にの出口まで案内させればいいだけの話だが、もし男が出口の場所を知らない場合は出口を探さなくてはいけない。そして約束を破った俺はタマコを連れて手足達や案山子達から逃げながら出口を模索する羽目になる。

 そういった状況に陥った時の場合を考えて、ちゃんと約束を守った方が今後の状況がよくなるわけだ。だから今手足達を倒しておいた方が後々の安全が確保される。


 今は両手達は自身に刺さった農具を抜こうと藻掻いているからすぐには俺を襲うことも無いだろう。俺は蹴り飛ばされたから両足達と距離があるから今の内に両手の片方を始末しよう。


 フォークが刺さっている右手からテレポートで半分にしようとしたとき、鎌が刺さった左手の握りこぶしが真上から落ちてきた。俺はすぐに真正面へ身体を念力で押して回避した。

 あのまま右手を真っ二つにしようとしたら、俺は左手のプレスでペシャンコになっていた。おそらく死んでいただろう。


「危ない。危ない。一対二でもきついってのに相手は四体か。俺倒せるかな?あと今更フルフェイスのヘルメットを被っても遅いか」


 たぶん男も俺が戦っている姿を見ているだろう。しかも念力とかテレポートとか複数の能力を使う姿まで見られているはずだ。きっと通信機器で指示をしている人にも俺の情報が伝わってしまっている。

 今頑張って隠ぺいしても男が所属している組織に俺のことを知られたと思っていいだろう。

 教命部とか自由委員会とか変な組織に知られているのにまた変な組織に知られてしまった。

 俺がヘルメスさんだということはまだのはず。そこらへんはタマコが口を滑らせなければいい。


「続きと行きますか」


 まだフォークが刺さっている右手は行動できないとしても、相手は三体。分が悪いは変わらずこちら。頭が悪いがのはあちらではあるが、たまに息の合った攻撃を仕掛けてくるの当然として、今は距離を取りたい。またどこかの民家に潜んで、視界で怪物達を一体ずつ片づける作戦にしよう。

 作戦が決まったと同時に右足のつま先が俺へ目掛けて突っ込んできた。そして左手は俺から見えないように民家の陰から移動しているし、左足もフヨフヨ浮かんで俺を踏み潰す気満々で近づいてきている。

 感心した。手足も学習しているようで二重の囮で俺をかく乱させて本命の左手で掴める算段らしい。

 俺がここからどこかの民家へテレポイートをしなかったら捕まえられたと思う。けどその算段は失敗に終わる。


「マヒルー!」


 少し離れた民家にテレポートを使用としたとき民家の物陰から息を切らしたタマコが現れた。ここからかなり離れた民家に置いてきたはずのタマコがいる。走ってきたのだろう。手足達が大暴れしたから俺がいる場所はわかるだろうけど、ここが危険な場所だって知っているはずだ。

 なのに来たんだ。

 タマコにそんな疑問をぶつける時間なんて無い。

 そしてタマコの後ろから大きな影が現れた。それは大きな顔だった。それは首から下が無い顔だった。

 その大きな顔は何もない場所から今生まれたとばかりに現れた。

 大きな口を開いてタマコを食らいつこうとする。

 一方タマコは大きな顔の存在に気づいていない。


「くそ!タマコ!」


 タマコのそばまでテレポートして念力混じりのタックルでタマコの身体を押した。

 なんとかタマコを助けることはできた。


「マヒル?嘘?なんで私を庇ったの?」


 顔が俺の左半身にかぶり付いた。歯を立てて、俺の身体に深く突き刺さる。嚙み切られる。あまりの痛みに気を失いそうになる。

 奴の口からべちゃと瑞々しい音を発てて零れ落ちた。


 ダメだ。ここで気絶したら俺もタマコも殺されて死ぬ。噛まれたのは胸と腹部の半分。今すぐ再生すれば大丈夫だ。心臓も多分再生できる。


 必死に意識を保って、俺は力を振り絞ってタマコへ向けて右手を翳す。


「マヒル!ごめん!私、アナタのことが心配で」


 タマコは何を勘違いしていようで翳した俺の手を伸ばした手でつかみ取ろうとしている。俺は左側の肺から空気が抜けてるからかうまく喋ることができない。喋ろうとしても口からヒューヒューって下手の口笛みたいな音しかでないのでタマコにに言いたいことが言えない。

 手を必死に伸ばすタマコは今にも泣きだしそうな顔で拙い言葉を口にする。

 あと少しのところで手と手が触れようとしたところでタマコを隠れようとしてした民家へテレポートで逃がした。


 タマコの安全を確保したところで俺もタマコの後を追うようにテレポートをした。


「マヒル。なんで庇ったの」


 崩れ落ちるタマコの隣に俺はテレポートした。嗚咽するタマコを見ながら自身の身体を治療した。


「うう。マヒル、死んじゃったのかな?私のせいで」

「勝手に殺すな。僕は生きているよ」

「マヒル!ごめんね」


 隣にいるのにまったく気づかないタマコに声をかけると謝りながらもむき出しなった俺の左胸を揉みながら抱き着いてきた。

 身体を治療しても服は治らないので上半身の左側は何も着ていない状態だ。四分の一が裸の状態だからそこを狙ってかタマコは手を這わせて俺の肌の感触を楽しんでやがる。


「おい、やめろ。離せよ。揉むなって」


 タマコを念力で引きはがした距離を取った俺は四次元空間を作り出して、着替えとタオルと水が入ったペットボトルを取り出した。

 着ていた制服は食いちぎられたり、自分の血で真っ赤に染まったりして着られなくなった。襤褸切れみたいな制服を民家の床に脱ぎ捨てた。身体に着いた血を水で濡らしたタオルで拭いていたら、タマコが背中を拭いてくれた。

 学校のジャージに着替えた俺は四次元空間に手を入れた。

酩酊街をイメージして書きました。

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