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不思議な学校の現象13

「お嬢さん方、私は外にいるあの神のような乱暴者ではありませんよ。見た目動揺のただの案山子です」

「マヒルはこれがいるってことわからなかったの?」


 丁寧にお辞儀をする案山子を見てタマコが疑問を漏らす。


「まあね。流石に地下室があるなんて思わなかったよ。これでもコイツ等がいない家を選んだつもりだったよ」

「おや?私以外の案山子とお会いになったのですか?いや、しかしお嬢さん方の報告は無かった。外に誰かがいれば報告が来るはず。そんなことより久々の客人だ。持て成さなくては。ささ、お嬢様方私目の後についてきてくださいな」


 俺とタマコのやり取りを聞いて何やら考え込む案山子は頭に浮かんだ疑問を振り払うように話を切り替えた。俺達と会ったことがよほど嬉しいのかコツコツと軽く飛んだり、くるくると回った。案山子なのに騒がしい奴だ。

 そして案山子は自分が出てきた隠し扉に俺達を招く。当然、急に出てきた案山子のこと信じるはずもなく、俺達は互いに顔を見合わせた。

 タマコは困惑した顔でどうするよこれ?と言いたげな様子である。


「何をしているのですか?早く行きますよ」

「待ってくれ、何故僕達がついて行く前提で話が進んでいくの?そもそもお前は何者なの?それと外に飛んでいるあの手の化け物はなんだ?」


 俺達が地下へ行く前提で話が進んでいるので案山子に疑問をぶつける。

 人ではない怪異的な案山子について行くならさっきの男と一緒に行動していた方が安心できる。相手が案山子なのでそう簡単に「はいついて行きます」とはならない。地下についって行ったら何をされるかわからない。殺される可能性もある。

 でも超能力があるから視界を他の民に置いて、何かあればテレポートで地下から脱出するもありだな。襲われたら細い竹箒の身体をボキボキ折ってしまおうか。


「こんな次々と質問されては困りますよ。詳しい話は私達の居住する地下街へ行ってからゆっくりと話しましょう」

「地下街?ここにはそんな物があるの?それよりもまずあなたのことや名前を教えてくれる?ちなみに私はタマコ。こっちはマヒル」


 案山子は案山子達が居住しているらしい地下街を漏らした。俺は確かめるべく隠し扉から地下へ視界を飛ばして見たが、暗くて地面の中なのか地下街なのかわからなかった。

 居住する地下街は俺達を騙すためのブラフか?

 地下街の話を聞いて驚いたような声を出したタマコは気をきかせたつもりなのか案山子に何者なのか名前を訪ねた。


「これは丁寧意にどうも。私は田舎の畑を守っていたただの案山子ですよ。名前なんてそんな上等な物はあるはずがないですよ。私のことはただの案山子と呼んでいただけるだけでいいですよ」

「そんなの煩わしいわよ。聞いた話だけどあなた以外にも案山子はいるのでしょう?そうでしょ?マヒル」

「まあ、数えきれないほどいるとは思いえないけど、僕が見かけた案山子は8、9体くらいはいたかな?たぶんもっといると思うけど。名前で呼びたいならセバスとかでいいんじゃないの?」


 口調が丁寧で執事みたいだし、性格も落ち着いた雰囲気だしさ。ぱっと思いついた名前をあげてみた。


「なんとセバスという名前をいただけるのですか?ありがとうございます。ありがとうございます」


 感無量な感じでくるくる回る案山子、セバスは竹箒の身体を器用に曲げてお辞儀を披露した。

 なんで名前を付けただけでそんなに喜ぶことあるのか?変わっているな。案山子にそんなことを言ってもしょうがないか。

 喜ぶ姿を見て地下について行くのもいいと思ってしまった。逃げる手段もあるし、危険な状況に陥ってもすぐにテレポートできる準備もできている。それにもし襲われても十分抵抗できる。怪我をしてもすぐに治せるし、ついて行くことにしよう。

 喜ぶ姿を見せるのもセバスの演技かもしれないし、警戒はしておこう。


「わかった。地下について行く」

「いいの?」

「なんか毒気抜かれたというかさ。あんな嬉しがるところを見てさ。地下について行くのも悪くないって思っただけだよ」


 タマコからすれば拒否っていたのに掌を返すように意見を変えて地下へ行くって急な掌返しに困惑するのも無理はない。やることも特にないし、元の場所に戻る方法も見つかっていない。逃げる方法も抵抗する方法あるのに行かない理由はない。地下に何か情報があればいいのだけど。


「ああ、よかった。ついてきてくれるのですね。暗いのでから足元に気をつけてください」

「その前に少し待って」


 地下に招こうとするセバスを止めて四次元空間の穴を生成させた。それを見たセバスが急に現れた穴に驚くのを無視して穴に手を入れて懐中電灯を二つ取り出した。

 片方をタマコに渡した。


「二つ?一つで十分じゃないの?」

「もしもの為の保健さ。手を繋いで、ついて行こう」


 もし俺とタマコが分断されても見つけやすいように懐中電灯を渡した。


「それは明かりですか?地下に行くのですからいいでしょう。ささ行きましょう」


 俺とタマコは案山子のセバスが案内されるまま地下へ向かった。

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