表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
186/197

不思議な学校の現象12

 テレポートした先の民家は先ほどの民家よりも学校から離れた位置に場所にある。さっきいた民家からも離れているからさっきの男も数分かかる距離だ。まあ、あの男は俺達がまださっきの民家にいると思っているだろう。

 視界で男を監視して、時折中から念力で物音を発ててあたかも中にいると思わせている。男の窓から民家の中を頑張って覗こうとしている姿は家の中を覗く不審者その物だ。俺達がもういないのにご苦労なこった。

 数時間は稼げるだろう。中に俺達がいないことに気づいた時には遅い。遠くへ移動しているか、はたまたこの謎空間から脱出しているかだ。男はどうやって民家の中から脱出できたのか考えるだろうが、俺達には関係ない話だ。

 移動した先の民家の窓から外を覗くと学校の上空に二つの影がまだ飛んでいる。手の化け物はまだ動いていないようだ。


「さっきの男の人は何者なの?普通の人に見えたけど?」

「それは僕にわからない。でも危険な感じがしたから離れた方がいいと思った」


 一息ついたところでタマコが疑問を投げられた。テレポートする前に聞かれた質問も考えるとタマコはあの男に興味があるようには思えない。二人でいるよりも三人、もっと人が多い方がいいと言った安心感を求めた感じだろう。

 これ以上あの男に関わらない方が俺の為にも、タマコの為にもいいだろう。


「でもあの人の耳にインカムがついていて誰かと話しているみたいだったわ。あの人に頼んでここから脱出させてもらった方がいいと思うの」

「それは僕達が一般人だった場合はそれが最善だったかもしれないけど、どこだから知らない場所で訳の分からない化け物がいる空間で出会った大人に頼るのは正しい。でも僕には能力がある。僕が頑張ればここから抜け出せるかもしれないよ」


 俺の能力で抜け出せるのは不可能だ。でも手段がないわけではない。最後の手段として祝福の願書にここからの脱出という願いを書けば容易に脱出できる。ただタマコに祝福の願書を見られたくない。

 願いを叶えられる本だ。こんな代物を忘れているタマコに見られて、祝福の願書の情報が拡散したらどうなるか想像はしたくない。そうなったらスーパーアルティメット団に預けるしかない。

 だから祝福の願書に願い書くのは最後の手段だ。

 今は自身の力で脱出できるか模索するしかない。情報が少ない現状では何もできないに等しいけど。

 こうなれば案山子にコンタクト取ってみるか。


「でもマヒルもここのこと何も知らないのに脱出する気なの?ここに来た方法さえわからないのに?」

「う、それは今考えるの。今もこうして喋っている間、視界でいろいろ見て回っているからここから元の場所に戻る方法が見つかるはず」


 視界でさっきの男を観察し終わって、また街の中を探索している。特に変な物とか元の場所に戻れそうな物は見つかっていない。

 そういえばさっきの男はどうやって来たのだろう。学校にはあの男はいなかったから俺達みたいに学校からいつの間にか転移(?)したわけではないはず。調査しに来たと言っていたから自らの意志でここに来たはずだ。なんだから余裕ぶっていた。もしかしたら帰る方法を知っているかもしれない。

 このまま動向を見ているのもいいかもしれないが、ここにいる人間は他にもいるかもしれないし、手の化け物以外にも化け物がいるかもしれない。視界は俺達の周囲を観察した方がいい。

 遠くの方ばかり見ていたばかりにさっきみたいに男や化け物が来ちゃいましたってのは勘弁だ。ある程度街の方の探索はした。後は帰る方法を探すとか助けが来るのを待つしかない。


「ねえ?マヒル?下から何か音が聞こえるのだけど」

「ん?下?」


 タマコが下から物音が聞こえると訴えるので視界を床下へ飛ばした。

 俺には聞こえなかった。けどたぶんネズミかなんかだろう。あの男がここに来たと同時に何らかの方法でここに迷い込んだネズミとかが発した音を耳にしたんだろうと思って床下を見ると一部屋ほどの広さの空間があった。外から隙間があるのか部屋の中へ外の暗闇の微かな光が薄っすら入り込んでいる。ほぼ暗闇の中と言ってもいいくらい一部屋の中に息を殺すように小さくカツカツと弱々しく木材を叩くような音が聞こえる。


「下に何かいる」


 俺は床を指してタマコに告げた。タマコは驚いたかのように俺の手を取って握りしめる。

 床下は暗闇で何が潜んでいるのか分からない。でも暗い中で何かが動く何かがいるのが微かな光に照らされているのはわかった。それが何んなのかはわからない。

 すぐさまテレポートで隣へと移動するべきだが、視界で移動先へ確認する前に床の一部が勝手に開いた。

 それは地下室へと繋がる隠し扉だったらしく、そこから器用にほっそりとした竹箒の身体が出てきた。

 そう民家に怯えるように潜んでいた案山子だ。案山子が地下室に潜んでいた。

 民間に地下室があるとは思わなかった。思いつかなかったから地下まで見ていなかった。表層の民家しか見ていなかった俺は地下から出てきた案山子を見てこれからどうするか考えていると。


「これがマヒルが言っていた。案山子?」

「そう。民家に隠れていたこの街の住民と言うべき存在なのか?」


 民家にいるのだから住んでいるのだろう。住んでいるのだからこの街の住民という認識は間違いはないだろう。


「これはこれはお嬢さん方。こんな辺鄙な場所へようこそと、と言って歓迎したのですが、何分あの神に見つからないようにいるので私の姿を見て悲鳴をあげないようにお願いします」


 紳士然と言った丁寧な口調で登場した案山子は敵意を感じなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ