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不思議な学校の現象11

「人?」

「女の子?」


 タマコは突如現れた男性を見て理解ができずに固まっている。男性側も入った民家に人がいるとは思ってもいなかったように状況を飲み込めていないようだ。

 俺はタマコの前から一歩出て守る位置に立つ。この街に人がいるわけがない。さっき見て回ったのに案山子以外いなかったのが何よりの証拠だ。他の民家に隠れていたかもしれないけど、まだ手の化け物が学校の上空にいる。手の化け物に見つかるリスクがあるのに外に出るのは危なすぎる。普通は外に出ないだろう。

 男性の服装は作業着を着ており、耳にはインカムと胸元にボディーカムのような小型カメラを装着している。

 もしかしたらこの男はここの住民かもしれないな。いやありえないか。インカムと小型カメラは多少傷がついているが、最新のモデルのように見える。ここにいて最新モデルの機器を手に入れられるか。何かしらの能力を持っているのなら可能かもしれないが、この男について何も情報が無いから判断がつかない。

 別の場所に移動するか。情報を集めるために声をかけてみるべきか。

 迷っていると。


「わかった。何度も同じことを言うな。まったくボケたばあちゃんかよ。シツケ―んだよ。あー、君達は何者なのかな?」


 男性は誰かと話している素振りをして、何か指示を受けたように俺達に話しかけてきた。

 耳につけたインカムから指示を受けたのだろう。

 俺とタマコはお互い見つめ合って頷いた。


「僕達はただの女子高生。あんたは?」

「名前をくらい教えてもいいんじゃないのか?ここを調べに来たどこにでもいるただ調査員さ」


 こんなところを調査に来ている時点でどこにでもいるただの調査員ではない気がする。インカムから指示をしている相手はたぶん男性がつけている胸の小型カメラで俺達を見ているだろう。下手に能力を見せない方がいいだろう。目の前の男性も組織に所属していると思ったほうがいい。それと男性も何かしら超能力を持っている可能性が高いから警戒したほうがいい。こんな異常な場所にいるなんてただの人間のはずがない。

 この人に関わってはいけない気がするので早くどこかへ行ってくれないか頑張ってみることにした。

 タマコには話さないでもらおう。相手はどんな存在なのかわからないから。


「そう。ここには何もないから他の場所を調査したら?」

「冷たいね。君達は困っているんじゃないか?俺なら手を貸せるんだけど一緒に行動しない?」

「間に合ってる。こんなところでサボってないで別な場所の調査に行ったら?」


 言ったら感じで邪険な対応であしらった。


「じゃあ話でも。あっちの方に学校が建っていた思うけど何か知っていない?」

「しつこいですね。学校は手の化け物が壊した。はい、答えましたよ?早くここから出てって。さもないと声をあげます」

「ここで声をあげても何もならないよ。お嬢ちゃん。それでも警察が来るとでも?」


 こんな場所で悲鳴を上げても誰も人は来ない。人はね。でも人ではない物はいっぱいいる。案山子とかね。手の化け物に耳があるとは思えないが、近くの民家には案山子が隠れている。人が襲う化け物なら来ると思う。


「たぶん大声をあげても人は来ないと思う。でも人以外の物は来る」


 男性がピンと来ていなかったので俺は化け物が近くにいるということをほのめかした。


「俺は見ていないが、君が言う手の化け物がいるんだね」

「他にもいるかもしれないよ。案山子とか」

「へーそんなのがいるんだ。見てみたいな。その怪物はどんな姿をしているの?」


 関心したかのように頷く男性は俺からここの情報を聞き出そうとしている。

 この男にここの情報を渡しても痛くはない。さっさと情報を渡し、満足してもらってここから出てってもらおう。


「案山子は案山子。昔の畑に立っていたような案山子さ。それが民家の中に隠れている。もしかしたら襲われるかもしれないからであったら逃げると良いよ」


 俺達はまだ案山子に出会ってないから案外友好的な存在かもしれないけど、警戒しといた方がいい。


「僕が知っていることは話したから出てってくれないかな?」


 この男が出ていったら速攻で別の民家にテレポートしよう。次の民家は男が質問している間の時間稼ぎの中で見繕った。ここから離れた場所だからそう簡単に見つからないだろう。

 この男は何者なのか知らないし、興味もない。でもバックに付いている存在?組織?には関わらない方がいい。


「早く出ていってくれない?物を投げるよ?」


 民家に飾ってあった花瓶を手に取って掲げて、投げる素振りをした。タマコも俺を真似てそこらへんに落ちていた金槌を拾い上げて、投げる素振りをした。


「わかったわかった。出ていくからそんな物騒な物を下げてくれ」


 男性はインカムから指示受けたのか大人しく引き下がり、民家から出ていった。

 俺はすぐさまドアが開かないように内側から細工をして、中が見えないようにカーテンを完全に閉めた。


「次の場所に行くよ」

「いいの?あの人と行動しなくて?」


 外に男性に聞こえないように小声でタマコにそう声をかけるとタマコは問いかけてきた。


「うん、何か信用できないから距離を置こうと思う」


 たぶんあの男性は俺達を見張ると思うんだよね。外から見張って逐一インカムの相手に報告してくると思う。中に入れないよう細工をしたし、中も見れないようにした。手の化け物に襲われるリスクを背負いながら何時間も俺達がいない民家を見張ると思うと可哀そうな気がするけど、しつこかったからしょうがないよね。


 俺達は次の民家にテレポートをした。

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