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不思議な学校の現象10

 あれから何時間経っただろう。

 この民家に来てから何もすることなくただボーと床に座っているだけの静かな時間が過ぎていた。


「そろそろ外に出てもいいんじゃない?手の化け物の姿も見えないよ?」


 俺に寄りかかるように背を預けているタマコが窓を指して言う。ちなみに窓はカーテンがかかっているから窓の様子が見えない。当然タマコは手の化け物の様子を把握しているとは思えない。

 この民家に来てから数時間、いやもしかしたら一時間も経っていないかもしれないが。テレポートしてから今いる民家に止まり続けている。暇を潰せる物が無いから凄く長く感じているのかもしれない。

 図太いタマコも同じでこの暇な時間を何とかしようとしているのかもしれない。それか静かな時間に耐えられなくただけかもしれない。

 いつものタマコなら暇を見つけてはヘルメスさん語りをするもんだと思ったいたが、もうネタが尽きたのか今日のところは彼女の口からヘルメスさんのへのすら語らない。


「学校の向こう側に奴らがいくまで外に出ない」


 手の化け物は学校の上空あたりにいる。未だに俺達を探しているのだろう。手の化け物が俺達がいる場所から離れるか、学校の反対側の向こうへ行くまでは外に出るのは危なそうだ。いくら知能が低い手の化け物とはいえ、町の中を歩いてたら空から簡単に見つかるだろう。他の民家の中で怯える案山子達が外に出ないのがその証拠だ。案山子達の存在がどういう物なのかよくわからんが、案山子達も外に出るようになったらそれはそれで俺達にとって脅威的な物になるだろう。


「聞きたいんだけど、マヒルって何回もあんな化け物に出くわしているの?」


 突然タマコからそんなことを聞かれた。

 考える時間も十分あったのだし、異常な存在を前にしていくつか疑問を思っただろう。俺のことを含めて。祝福の願書で知りえなかった俺のことや記憶を消された海の一件のこと。タマコが何に疑問を持ったのかは俺には知る由もない。対して興味もないが。


「何を急に。暇だし答えるか。言えない部分があるからふわっとした部分しか話せないけど、こういう怪奇現象は数えられる程度しか経験してないよ。今年になるまで超能力者は自分しかいないもんだと思っていたし」


 中学時代、超能力者に一切出会っていないもんな。不思議なことに。ヘルメスさんっていう人物は超能力者っていうことはスーパーアルティメット団は把握していたらしいが、それが俺っていうことは知らなかったぽいしな。でも接触は無かった。向こうはヘルメスさんという存在を認知しているなら接触を測っていてもおかしくなかったのに三年間は何もなかった。俺が気づいていなかったかもしれないが、そういった超能力者の組織の勧誘とかも無かった。

 今年になってからは止まった何かが動き出したかのようにイベントの連続が続いてきたな。

 怪奇現象も去年までは怪奇現象も体験していなかった。


「一個、二個ぐらいは人為的に作られたぽい化け物だしな」

「人為的に作られた化け物?」

「うん。とある地下施設の話なんだけど、遠足の時遊園地で僕達のことを追い回した男と二人っきりで行ったんだ。なんで行ったのかは言えないけど、キモい化け物がいたんだよ」


 あの時は世界の男が半分近くウイルスで亡くなった。そのウイルスのワクチンを作るため、自由委員会の地下施設に西村と一緒に行ったんだよね。あの時は自由委員会の罠に嵌って、来ていた教命部の人達と地下施設から抜け出したんだよね。あの時の自由委員会が作った肉の塊みたいな怪物は本当に気持ち悪かった。あれは嫌悪感を与えるだけの精神的な汚物だよ。それに人間サイズの虫も気持ち悪かったし、自由委員会の連中はなんてものを作り出したんだよ。

 数か月前のことなのにかなり前に感じるよ。

 スーパーアルティメット団や教命部、もしかしたら他の組織も絡んでいるのかな?ワクチンを作ったのはどこぞの製薬会社になっていたから、超能力者の組織であるーパーアルティメット団や教命部のことは言えない。


「それでエレベータに乗って何とか地下施設から抜け出したんだよ」


 その時の話をふわっとした部分だけをタマコに話した。

 あの場にいた西村達の名前は出していない。


「その施設はどうなったの?」

「さあ、僕達を追い回したあの男が何かしらしたんじゃないの?そんなことを僕は興味なかったし、もう終わったことだし、気にしてもしょうがないよ」


 あれから無事にワクチンが全世界に行き渡ったことだし、スーパーアルティメット団の力で何とかしっと思う。

 あの件はスーパーアルティメット団からは何の連絡はないな。聞けば答えてくると思うけどスーパーアルティメット団のメンバーに聞いてまでの興味はない。

 俺はタマコに今年起きたイベント(怪奇現象のみ)についてふわっと話した。タマコが言いふらすとは思えないけど、今話した内容を他者に話しても正気を疑われるだけで済むだろう。元々正気じゃないと思うけど。


「これでおしまい。つまらない話だったけど楽しめた?」

「え?もうおしまい?もっと何かあるでしょ?海の件で知りたいことがあるのに、そんな中途半端な説明じゃ満足できないわ」

「落ち着いてこれ以上のこと話せないんだよ」


 話すのをやめるとタマコがごねた。海の一件で何か知りたいことがあるみたい。ほとんど記憶が消されているのに何を知りたいのやら。

 ごねるタマコを宥めているとドアが開かれた。

 視界は手の怪物の動向を見ていたから俺達がいる民家の周囲を見ていなかった。

 中に入ってきたのは作業服を着た二十代後半の男の人だった。

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