不思議な学校の現象7
タマコの話を聞いて特に感想が思い浮かばなかった俺は気まずい雰囲気を誤魔化すように立ち上がった。
「さてと腹も空いたことだし何か食べようか?」
「ちょっと!何か聞かないの?例えば何について調べたとかさ」
「だっていつもヘルメスさんについて語る時、あーだこーだと長ったらしく前置きとかも語るじゃん。半分ぐらいは俺じゃない物だったけど」
タマコがヘルメスさんを語る話は半分ぐらい見覚えのない内容だった。ネットで調べたのを語っていたからネットのガセネタを語っているのだろうとその時の俺はそう思っていたが、スーパーアルティメット団とかの能力者達の組織や俺以外に能力者がいるって知ってからには別の能力者の情報だと察した。
フルフェイスのヘルメットを被るのは素顔を隠すのに最適な仮面だ。誰かがヘルメスさんの存在を知って真似をしたのだろう。俺のパクリヤロウがいるのは思うところがあるな。そいつが悪さをすればスーパーアルティメット団内で俺が悪さしているって思われかねないな。どうにかしたいけど探すのがめんどくさい。その時はアリバイを証明させればいいか。
そうすると体売りの女もヘルメスさんをパクっているってことになるな。ヘルメスさん本人が女体化して人々の怪我を治しているのだからパクっていないけど、何も知らない人からすればヘルメスさんの偽物が出ていることになる。
まあ、正体を隠したくてヘルメットを被り始めただけで俺が直々にヘルメスさんって名乗ったわけではないから俺の偽物がヘルメスさんって名乗ってもどうでもいいか。
タマコにはヘルメスさんの偽物がいるってことは言わなくてもその内気づくだろう。
「タマコは何が食べたい?僕四次元空間内にいろいろため込んでいるだよね」
四次元空間から複数のコンビニ弁当をベッドの上に出した。購買部から菓子パンをを持ってきているが、普通の女の子であるタマコにここの食べ物を最初に食べさせるわけにはいかない。
指摘していないが、タマコは大きな手から逃げる際に購買部から持ち出したおにぎりとお茶を落としていた。もう一度購買部に行ってもいいが、動き回るとあの大きな手に見つかりそうだ。たぶん大きな手以外にも異常な存在はいるだろう。余計な行動は控えた方がいいと思う。
「これがあるのなら購買部に行かなくても別によかったんじゃないの?」
出した弁当を一つ選んで膝の上に置いた。選んだのを確認してから選ばなかった弁当を四次元空間に戻して、プラスチックのフォークを出してタマコに渡した。
フォークを受け取ったタマコは弁当の蓋を開けて食べ始めた。
「数に限りはあるからさ、いつまでもここにいる可能性もあるじゃんか。見ておきたかったんだよ」
俺はそう言って持ってきた菓子パンを舗装開けてかじり付いた。かじったパンはクリームパンだった。舗装された袋にもクリームパンって書かれていたけども。味はいたって普通のクリームパンだ。変な味も、舌が痺れる感じもしない。飲み込んで腹を壊さないといいけど。
もう一つのも食べきってみたが、クリームパン同様に特に普通の菓子パンだ。食べてからの経過観察だ。
だけど何日もここにいるわけにはいかないから抜け出す方法は探す。あんな危ない化け物地味みた存在がいるなんてここに長くはいられない。
「休めるうちに休んだほうがいい」
俺はそう言ってタマコが腰かけてない方のベッドに横になる。化け物共に見つかるまで保健室に長くいることになるだろうな。ベッドがあることだし、しばらくは拠点として使うか。
「そうね。逃げたりしていろいろ疲れたわ」
タマコは腰かけたベッドに横になるかと思いきや、おもむろに立ち上がり俺が横になっているベッドに上に潜り込んできた。自身がベッドに乗るために俺の身体を押してスペースを確保したせいで、俺が寝返りをすればベッドの上から落ちてしまう。落ちないように念力で支えているけども。
俺の腹に手を回してしっかりホールド。自身の顔を俺の背中に押し当ててきた。迷惑なことにこれじゃあ身動きが取れない。
「あのタマコさん狭いのですが?あっちもそっちも開いているのですが?このベッドがご所望なら僕があっちのベッドに行きますよ?」
「お願いこの状態で休ませて」
俺がそう提案するけど、タマコはか細い声で懇願してきたので俺は諦めてこの状態を維持することにした。
俺は男よりも女の方が好きだが、別にタマコの胸の感触を背中で楽しんでいるわけでわない。タマコもタマコで俺の胸を揉んでくるしな。俺はされるがままで俺の意思はない。これはお互い様だ。
よくわからない主張をしたが、きっとタマコはこんな世界に迷い込んで困惑しているのだろう。これぐらい許してやろう。
休んでいる間に視界で見回っておこう。学校内を見たいが、今は学校外である街の方も見ておきたい。
学校は俺達が通う校舎なのである程度何があるかわからるが、外の街は見たこともない街並みが広がっているからどんな物があるのか知らない。
なので視界を街へ飛ばした。




