表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/197

嘘2

夏が始まった。

「マヒルちゃんどういうことなの?」


 ミキミが小声で詰め寄ってきた。

 さっき向こうの方へ消えて、すぐに女の姿で現れたことを言っているのだろう。


「だって、ミキミと遊びたかったけどこの姿になりそうだったから急いで着替えてきたんだ」


 小声でミキミに返した。


「もうマヒルちゃんたら私と遊びたかったのね。今日は二人きりじゃないの。ルカちゃんとタマコちゃんも一緒なの」


 と気持ち悪いくらいミキミはデレ始めた。


「マヒルちゃん、ミキミちゃんどうしたの?」

「何か誤解してたみたいでそれを解いたの?それとマヒロからなんだけどケーキは四つあるからみんなで食べてだって。そのケーキってミキミが持っているのがそう?」


 自分が買ったケーキを白々しくルカに尋ねた。


「そうだよ。ミキミちゃんがもらったケーキ食べていいの?!マヒロくん太っ腹!」


 有名店のケーキを食べていいと知ってルカは喜んだ。


「でもここでは食べられないよね。どこかで食べられるところはあるかな?」

「あ、私のお家で食べようよ。そういうことなら田中さん呼ぶね」


 カラオケ店では食べ物飲み物の持ち込みがNGでどこでケーキを食べるかルカが考えているとそこにデレから回復したミキミが自分の家でどうかと言って、スマホで田中さんに電話をかけ始めた。


「田中さんって誰なの?」

「ミキミの家で働いているお手伝いさん」

「ミキミちゃんの家にお手伝いさんいるの?!ミキミちゃんってお嬢様なの?」


 お手伝いさんと聞いて驚くルカ。

 驚く気持ちはわかる普通の家にお手伝いさんなんていないよね。


「ミキミが電話している間にタマコを呼ぼう。中にいるんでしょ?」

「うん、いるけど」


 ルカは歯切れが悪そうに肯定する。

 俺は構わずにカラオケ店の中にはいった。


「去年の秋にドイツの空にヘルメットを被った人が空を飛んでいるのを目撃されたんだ。それとインドやフィリピンにも同じ目撃情報があって」


 カラオケ店のフロントの隅で一人でブツブツと何かを語っているおかしい女子を発見した。

 予想はできていた。ルカとミキミの二人で外にいたのはタマコがヘルメスさんのマシンガントークが嫌になって外に出ていたのだろう。

 店員さんも早くそいつを連れて行ってくれと目で訴えている。

 タマコが一人で語る様はとても不気味で恐ろしかったのだろう。出禁にされる前に出よう。


「おーい、タマコ外に行くよ」

「その一か月後には、あれマヒル?いつの間に来たの?ミキミは?」

「ミキミちゃんは外にいるよ。ちょっと電話をしているよ。タマコちゃん、聞いてよ。さっきマヒロくんが来てお土産くれたの」


 よほどあのケーキを食べられるのが嬉しいのかルカは嬉しいそうに先ほどの出来事をタマコに語る。

 女の子だし、甘いものが大好きなのだろう。


「マヒロって誰?」

「僕の双子の兄妹」

「マヒルに兄妹いたんだ。しかも双子」

「そんなことは置いといて、外にミキミがいるからタマコも行こう」

「え?カラオケは?」

「それは今度でいいよね?」


 店員さんの視線が痛くてタマコを外に連れ出す。

 そして双子云々の余計なことも聞かれる前に。


「ミキミ。タマコを連れてきたよ。田中さんはどのくらいで来る?」

「5分くらいだって」


 五分くらいか。思ったよりかからないな。

 軽くおしゃべりしたらすぐに来るだろう。


「で、さっきの続きなんだけど、一か月後には、ヘルメットの男性に助けられたと現地の人達がインタビューで語っていたんだ」


 タマコがまたヘルメスさんトークが始まった。

 五分間の我慢だ。五分もすれば田中さんの車が来るのでそれまで辛抱だ。


 五分後。


「神出鬼没で日本全国中どこでも現れるヘルメスさんは」

「タマコちゃんお話の途中でごめん。田中さんが来たの」


 ようやくミキミの家の他手伝いさんこと田中さんが来てくれた。

 車に乗り込む。当然として助手席はミキミが座り、残りの三人の俺達は少し様かったが、後ろの席に座った。


「「「お邪魔します」」」

「はーい。ミキミちゃんのお友達ね?私はミキミちゃんのお家で働かさせてもらっている。田中です」

「どもタマコです」

「ルカです」


 田中さんは初対面のルカとタマコに自己紹介していく。ルカもタマコも返しの自己紹介をした。


「そしてこの間、遊びに来てくれたマヒルちゃんね。その時はミキミちゃんがごめんね。あれ?ミキミちゃんが好きって昔言っていた男の子の名前もマヒルって。でも女の子だよね」

「もー田中さん、いいから早く車出してよー」


 田中さんを顔を赤くしたミキミが急かして車が走り出した。

 俺もドキってした。小学生時代に田中さんと顔を合わしている。その時のことを思い出してここで俺が男だってことを言うのではないかと思った。けどミキミが起点を逸らしてくれたおかげでルカとタマコに俺が男だという疑念を持たれることは無った。

 今の話を聞いてミキミの初恋のことを思ったが、まさか、ミキミが俺のことを?まさかね。でもミキミの反応を見る限りそう見えるが、ミキミは俺との約束を守ろうと思って漁った反応だろう。


「最近ね。ミキミちゃんが友達が増えたって喜んでいるのよ。あー、友達ができないって悩んでいたミキミちゃんがね」

「ちょっと田中さん。その話は二人の秘密って言ったのに」


 ミキミの家に着くまでミキミの昔や最近の話を聞けた。ほとんど俺も知っている話だったけど。

 恥ずかしがる可愛いミキミを見れたのでアーケードゲームをやめて来たかいがあった。

ご朗読ありがとうございました。

PV1000突破しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ