海43
ミキミが指した差しには異様に細長い身長の人物が立っていた。服装は竹の長い紺色のコートを着ておりフードで顔が分からなかったので男だか女だかわからない。なんだか不気味に俺達を観察しているよな感じで話しかけたくなかった。早く部屋に戻りたい気持ちでいっぱいだ。
額から頬へ変な汗が滴る。
俺は勇気を出してスーパーアルティメット団のメンバーだと思い話しかけることにした。
「僕に用なら出直してくれないか?あんまり寝ていないんだ。休ませてほしい」
言った感じで話しかけてみたけどそいつはうんともすんとも返答はなかったが、俺の要望を理解したのか戻っていってすぐに消えてくれた。
「いったいなんだったんだ?あれは」
俺は消えたアイツを見て首を傾げた。スーパーアルティメット団のメンバーはいろんな奴がいるだろうけど、不気味な奴をよこすなんて西村の嫌がらせに違いない。
アイツの気が変わらない内にミキミとタマコを部屋に押し込んでドアを閉めた。
「マヒル、あの人知り合いだったの?それなら人の付き合いを見直した方がいいよ?」
「いやいや、何を勘違いしているか知らないけど、僕はあんな奴知らないよ。見た感じ組織のメンバーだと思うからきっと僕を呼びに来たと思うよ」
ヘルメスさんのことしか考えていないタマコに人付き合いとか指摘された。あのタマコに。
俺はほぼ一人で過ごしてるのにな。今までは変な奴が近づいてきたら完全にシャットアウトしていたけど、最近はスーパーアルティメット団が組織的に近づいてきたからどれだけ逃げようと無理だからな。
リビングに戻るとルカと田中さんがおしゃべりしていた。
「マヒルちゃん。おはよう」
「おはようございます。おにぎりごちそうさまでした。とても美味しかったです」
「あらあら、おそまつさまでした。昨日は何かあったかは知らないけど、あまりミキミちゃんに心配かけちゃダメよ?」
昨日の件で注意を受けた。
俺は行きたくなかった。ほぼスーパーアルティメット団の強制的に連れていかれたから俺の意思をなかったのだが、それを田中さんに説明するのはやめておいた。今度スーパーアルティメット団が来たとき田中さんが一人で対応すると思うからだ。でも人を操るメンバーが来るだろうからミキミ達が対応しようが、田中さん一人で対応しようが、あまり変わらないか。
「いくら疲れているとは言えソファーで寝てはダメよ?ベッドがあるんだからそっちで寝なさい」
「あ、はい、そうします」
俺は田中さんからの忠告を受けてリビングから二階に上がった。田中さんに言われなくてもリビングにはミキミ達がいるから一人になれる場所に行きたかった。
あれほど望んだ休息の時間だ。何をしようかな。
寝るのもいいが、さっきまで寝ていたからすっきりとした気分だ。何かをやりたいな。電波がダメだからスマホは使えないが、オフラインで遊べるアプリがあるからそれで遊ぶのもいいが、すぐ飽きるあろう。
せめてネットが繋がればソシャゲのログインをしたかった。
はて、他に楽しむ物はあるか。
四次元空間の入口を作り出して、それに手を入れて中身を漁る。昨日手に入った能力なので物はそんなにない。
手にジタバタと暴れる物が触れて四次元空間から手を引き抜く。
えっ?今のは何?四次元空間に生き物はいれていないはずなのに、でも今触れた物は確実に動いていた。そもそも四次元空間内で生き物は生きられるのか?そんな疑問が頭の中を過ぎった。四次元空間に酸素が存在しているとは思えない。そして酸素がない場所に生き物は生きれない。
再び四次元空間に手を入れて動くものを掴んで、腕を四次元空間から抜いた。日本人形が出てきた。
そう言えんば一体だけスーパーアルティメット団に出さずに手元に残していたのを忘れていた。
興味本位で持ってきたが、この人形は人を襲う危険な人形だ。俺が目を離した隙に逃げ出してミキミ達を襲う可能性がある。そして俺はこういう人形には興味がない不要な物だ。寺に行けばこれと同じものが沢山あるからこの場で処分してもいい。このまま四次元空間に死蔵していても意味がない上に、ずっと四次元空間に入れていたら、コイツのせいで中に入れていた物が壊されたらいやだ。
コイツは俺が寝ている間もずっと暴れていたのだろう。四次元空間の中がどうなっているのか分からないが、今入れている物が壊されていないことを願う。四次元空間に入っている物は破壊不可な祝福の願書とスーパーアルティメットから支給品の物しか入っていていない。
壊されて困る物なんて無いと思ったら、支給品の中に命の護符が入っていた。それを破られたら、俺は死んでいたかもしれないな。
うん、危ないから怖そう。
動かない人形のふりをしている人形を念力で圧力を加えて破壊した。たぶん人形だから傷みとかないだろう。
次は祝福の願書を取り出した。
「なんか適当に願いを書いて見るか。あれ鉛筆が無いな。どこ行った?」
四次元空間に入っているはずの鉛筆が無くなっていた。




