海37
あーだこーだと白衣の女性達から指示をもらって、肉の塊は最終的に少女となりました。しかも俺にそっくりで傷一つない綺麗な肌の女の子に。
こうなったのは俺の趣味ではない。白衣の女性の助手の一人が少女がいいと言い出したのでそうしたのだが、他の助手がいろいろと口を出して来たので俺に似た女の子になってしまった。
俺って美少女だろうか?顔とか普通だと思う。俺に比べたらタマコの方が美人だろう。
初めて臓器とか骨とか肉から作り変えたよ。自分や助手達の身体を参考にして肉の塊を人へと作り変えて見てこれが台の上に乗った肉の塊だった物が静かに眠る女の子に。自分で作り変えたのに信じられないよ。
「これで満足?僕はもう疲れたから休みたいよ」
いろいろと意見(指示)を聞いていたからもうすぐ朝の時間帯になりそうだよ。報告会に出てたほうが早く終わっていたに違いないよ。
「今夜はありがとう。本当にすごいね!さっきまでの肉塊が今や普通の女の子見えるよ!今回の報酬は西村に渡しておくからあとでアイツから受けとっておいて、誰かロック開けといて」
助手の一人が出入り口のロックを開けてくれて「ありがとうございました」と頭を下げながら俺を見送ってくれた。
また俺は来た道と言うか道と言えるのか分からない真っ暗な空間を歩き、さっきと同じくらい歩いたら扉の光が見えたのでそこに向かって歩く。
「終わったのですね」
「ひゃ!君待っていたの!?」
「はい。ここは迷路のような場所で新しく入ったマヒルさんは迷われてしまうので私は待っていましたよ。ちなみにここはとても危険な区画なので誤って危険な部屋に入られてしまうと命の保証はできませんので帰りもこの私が最後まで案内します」
先ほどと同様にいつの間にか扉を潜っていた。暗い空間から出たと思ったら俺の横にさっき俺をここに案内した子がいた。びっくりして変な声が出てしまった。この子は俺が終わるのを待っていたようだ。
その子は真っ暗な空間へ通じるドアを端末を操作して閉じた。
スーパーアルティメット団のメンバーである彼女が言っているのだからここは迷路のような場所なのだろう。この場所をよく知らない俺は簡単に迷子になるということなのだろう。そしてここにはさっきの肉の塊みたいな臓器など無く何故生きているのか理解できない生き物があったように似た物が保管?管理?しているのだろう。それと彼女が言うような危険な物もあるらしい。
早く休みたい俺にとっては興味の無いことだ。
「てかさ?これから僕をどこに案内するの?調査から戻ってきてさっきのお手伝いだよ。流石に疲れて休みたいよ」
「はい。これから団員が使っている寮のマヒルさんのお部屋まで」
「いやいや、一般の人が泊まっているあのマンションでいいよ。友達もそこにいるし」
スーパーアルティメット団のメンバーが使っている寮か。今ミキミ達が泊まっている部屋も凄かったけどメンバーが使っている部屋はもっとすごいのだろうな。
俺もスーパーアルティメット団のメンバーの仲間入りか。入った覚えはないが、西村達の中ではすでに仲間としての認識なのだろう。部屋まで用意してくれているわけだし。
「そうですか。そこまで言うのなら案内します」
不承不承と言った感じでミキミ達がいるマンションに案内してもらった。今いる施設から外まで案内してくれれば一人でミキミ達の元へ戻れたのだけど、何気に律義な子なのかフロントまで送ってくれた。
フロントからエレベータで部屋のドアの前まで来たのだが、防犯対策でドアはキッチリと鍵がかかっている上に時刻は朝になりかけの時間帯でミキミ達は寝ている。もしかすると田中さんは起きて朝食の準備をしているのかもしれない。
視界をドアの向こうまで飛ばせたら念力で鍵を開けられたのだけど、空間が歪んでいるのか視界をドアの向こうへ飛ばしても何も見えない。
ドアの横にはチャイムのようなボタンが付いている。ドアの横に付いているのだからチャイムなのだろう。このボタンを押したらミキミ達を起こしてしまいそうだ。そうしたら、なんでスーパーアルティメット団に連れていかれたのか根掘り葉掘り聞かれそうで、休む時間をさらに削られそうだ。しかし、鍵を開けてもらわないと中に入れない。
さっきの子の言う通りにスーパーアルティメット団の寮に行けばよかった。数十分の浅はかな自分が恨めしい。
さっきの建物の中に戻るのもなんか癪に障る。
ならいっそ。
俺は勢いよくボタンを押した。するとピンポーン!と明るい電子音が鼓膜を震わせた。
ドアの前で待っているとガチャリと鍵が解除される音と共にドアの隙間からミキミが顔を出した。
「マヒルちゃん!」
ミキミはドアの前にいる人物が俺だと分かると勢いよく抱き着いてきた。
大丈夫だった?あの人達に何かされなかった?と俺の身体を弄りながらどうでもいいことを聞いてきた。
「ここだと人の目があるかもしれないから中に入らないか?」
「そうだね。中でゆっくりしよう」
弄るミキミを剥して部屋の中へ入った。




