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海35

 シンがじっくりと人形を手にしたまま離さないのでこのままでは動くのか観察ができないので、二体目をシンの隣にそっと置いた。


「お前まだ持っていたのかよ!」

「さっきもだけどどこから出したの?バックパックに入れているかと思ったのにバックパックから出す素振りもない。気がついたら手にしていた。それはどういう手品なの?」


 しれっと人形を置いたのを目ざといイチローやアヤからつ込みを食らった。

 普通そう思うよな。何もない場所から人形が出るなんて、下手をしたら俺が人形を操っていたと思われても仕方がない。


「僕は空間を操れるんだよ?異空間に穴をあけてそこから物を入れたり取り出したりしているだけだよ。他の人から見たら手に物が生えてくるように思うけど。それで僕が使うテレポートもそれの応用みたいな感じ」


 と人形を出したのはテレポートと同じ能力の応用を使った物と説明した。西村達にすべて俺の能力を話してしまったからその内真実を知るだろう。でも彼らには書いた願いが叶う祝福の願書を知られるわけにはいかないと判断した。

 書いた願いが叶うのは人々にとって喉から手が出てきそうな代物だ。俺を殺してでも手に入れようとするかもしれない。ここで話したら四人から聞いた誰かが奪いに来るかもしれない。

 西村に話したあの場にいた人以外にも誰かが聞いていたかもしれない。俺の視界みたいな能力を持っている人がいるかもしれないからその場合はスーパーアルティメット団内に祝福の願書の情報が拡散するのは時間の問題かもしれない。


「そうか。そういう能力だったか」

「そうそう。後二体入っているけど出した方がいい?」

「いや、これ以上ヨウが怯えては可哀そうだから、シンが飽きるまでそっちのを見よう」


 アヤの提案というよりそのつもりで二体目を出したから二体目を観察するけど。

 ヨウはソファーに座って、ネットに繋がっていないスマホの画面を食い入るように見ている。彼の下へ人形を持っていくのはやめとこう。

 戻ってきてから一時間ぐらい経ったけど人形は動く気配は無かった。やはい誰かが操っていた線が濃厚か。

 感想を述べていると。


「全班戻ってきたので待機していた班は2B会議室へ集めってください」


 全部の班が戻ってきた放送が流れた。

 2B会議室ってどこだよ。そんな場所知らないからミキミ達がいる部屋に戻っていいかな?きっとダメだろうけど。


「2B会議室ってどこ?」

「それは最初に集まった会議室でしょ?」


 アヤに聞いたら何を言い出すの?とみたいに言われた。あのブリーフィング的なことをやっていた教室みたいな部屋が2B会議室だったか。


「待って!みんな」


 ずっと黙っていたヨウが叫ぶように口を開いた。そして俺達にスマホ画面を見せつけてきた。


「人形が動いたんだよ」


 ヨウが手にした画面を見ると画面にはシンの足元で部屋を見渡す人形の姿が写しだれていた。俺達が放送で気を取られている間だけだったようだが、自身の意志で動くようだ。偶然かヨウはその間の瞬間を映像として撮ってくれたようだ。

 推察するにこの人形は人が見ていない間に動くようだ。ただ能力で監視、視界で見るとかは見られているとは認識されないようだ。視界は存在しない顔のような能力だから誰にも見られていることを気づかれない。

 一人でに動くことが確認できたし、人を襲う前に四次元空間にしまっておこう。それかスーパーアルティメット団で管理してもらおうかな?こんな立派な施設があるんだから人形の三つや四つくらい余裕で管理してくれそうだ。

 これから行う報告会で言えばいいか。

 五人で2B会議室へ向かう。人形を持っているのはシンと俺だ。

 待機していた別室は2B会議室から歩いて3分ぐらいの場所にあったから一番乗りで入ることができた。その後からぞろぞろと別の班が入ってきたが、人数的に減っていた。

 調査先で何かがあって会議に出れなくなったのだろう。

 なんて羨ましいんだろう。俺も大怪我をして参加できなくしてしまおうかな。でも能力で治せとか言われそうだ。

 会議が早く終わるように祈ろう。


「マヒルさん。こちらに来てください」


 入口から俺を呼ぶ声が聞こえた。

 何かやらされそうな予感がするのでシカトをかましておく。


「マヒル?そんなヤツいたか?」

「ここにいるメンバーの名前はほとんど覚えているつもりだけど、誰だろう?」


 俺を呼んでいる人が会議室に集まった人達から注目を浴びている中でイチローやアヤがそんなことを言う。別の班の人は「マヒルさん?呼ばれているよー」と軽く呼びかけている。

 俺は新入りだからここにいる奴は名前をほぼ覚えられていないと思う。数時間前にこの会議室に入った時、アイちゃんに名前を呼ばれたのにな。

 シカトしている中で会議室内でマヒルを探しが始まったが、ここにいるメンバーは顔なじみで互いの名前を知っているから「そんな奴はここにいない」と結論になり始めた。がシンが余計なことを口にした。


「おい、新入り呼ばれているぞ。報告の方は俺達に任せて、行け」


 シンに人形を取られて、俺を呼んでいる人の方へ背中を押された。

 面倒なことをやらされそうだからシカトをかましていたのになんでバラすのかな。もしかするとあの人について行ったら会議よりも時間かかりそうじゃんか。

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