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海31

 イチローとヨウの騒ぎに一同が人形の部屋に駆け付けた。

 部屋の中に二千体ほどあった人形が半分ほど消えていた。


「悪ふざけはやめて。ひっぱたくよ?」

「ふざけていないんだ。本当なんだ。目を離したら少しづつ人形が消えていくんだ。さっきまで減ったかなって思う程度だったけど今はもう半分以上ないんだ。信じてくれよ」


 気味の悪い悪戯だと判断したアヤは拳をあげて騒ぐイチローとヨウに見せつける。

 弁明するようにイチローが説明する。ヨウもその隣で大きく首を縦に振る。

 こんな状況で悪ふざけをするのならアヤが起こるのも無理はない。これが本当に悪ふざけならな。千体もの人形を数分の間にどこへ移動したのかそれが説明できない。いや。二人のどちらかがテレポート、あるいは四次元空間を作り出して、その中に入れて隠したのなら説明できるが、二人の表情からして嘘を言っているようには言えない。


「これは何の騒ぎだ?」


 黙々と作業に徹していたシンまでもが騒ぎに好奇心が刺激されたのか人形の部屋にへとやってきた。


「シンも聞いてくれよ。本当に人形が消えたんだよ」

「消えた?なんかの冗談か?こんなことで油を売ってないで調査しろ」

「なんで信じてくれないんだ。ほら、こうして喋っている間にもっとなくなっているだろう」


 イチローと言う男は普段似たようなことをしてみんなにイタズラをしている悪ガキのなのかもしれないな。重要なことを誰かに報告してもオオカミ少年みたいに誰にも信用されることなく注意される。そんなシンの塩対応にぅなあれるイチローは人形を見て、人形が無くなった空間に向けて指を指した。

 言われた通り見ると部屋にあった残り半分の人形はもう四分の一以上も無くなっていた。


「嘘でしょ?」

「フム。確かにおかしいな」


 話している間はイチローやヨウが何かをしているは無かった。なのに人形は無くなっていると言いたげな感じでアヤとシンがそれぞれの反応をする。

 気が付けば部屋にあった人形がすべてなくなった。

 先ほどまで感じていた二千を超える視線がなくなったのは喜ばしいことだが、別の意味で不気味な空気が部屋の中に充満し始めた。


「だろ?これはなんかの異変だ。この街で起きているのと何か関係があるはずだ」

「そうだな。この街で起きているのとは関係しているかどうかは判断できないが、異常なことのようだ。これを見てほしい」


 シンが懐中電灯で照らした場所には半分に敗れた紙切れが貼られてた。その場所は部屋の出入り口内側のドアに足元の位置で貼られていたのだ。長い間放置されていたためか風化が酷く紙切れは今にも剥がれそうだ。


「ここを開けた際に破れたのだろう」


 とシンが漏らすとシン以外のメンバーがさっと俺を見る。


「ここに何かしらな物を封じていたのかもしれない。こういうのは得意ではないから教命部の人間なら何か知っているかもしれないな」


 続けてシンが言う。

 どうやら俺がこの部屋に封じていた物を解き放ってしまったようだ。


「この寺に何かあるかわからない。調査を続けている内誰かがこのドアを開けるのは必然だった。新入りを責めるべきじゃない。この部屋に封じてあった物が分からないが、意志があって動くものならまだ寺の中にあるかもしれない。攻撃を受けるかもしれないから注意し、っが!」

「おい、大丈夫か!」


 長く語ったシンが部屋を出ようとした瞬間何かがシンに刺さり倒れた。すぐさまシンに駆け寄った。

 シンの身体には所々錆びついた包丁が刺さっていた。見た限りだと命のかかわる怪我でない。すぐさま包丁を抜いて傷を治そうと能力を使おうとしたが。


「ぐえ」

「新入り何をやっているんだ!早くシンを部屋の中に入れろ!」


 変な悲鳴が出た俺は能力を使うことができず、イチローに首根っこを掴まれて倒れたシンごと引きずられるような感じで部屋に戻された。


「な、グ!」


 部屋に引き込んだイチローに文句を言おうと身体を起こすと同時に部屋の外の暗闇から何か飛んできて俺の右目に刺さった。

 あまりの痛みにのたうち回って、右目に刺さった物抜いて無事だった左目でそれを見た。


「これは箸?」


 箸だった。食事の時に使う。どこにでもありそうなデザインな箸だったが、長く使っていた物だったのか先端が齧ったような削った跡があって、そのせいで先端が尖っていた。

 すぐさま負傷した右目を治して、次にシンの傷を治した。


「おい!新入り大丈夫か!」

「大丈夫。能力で傷は治したから。何か飛んでくる前に早くドアを閉めて」

「わかった。っぐあ。閉めた!」


 イチローが俺のことを心配しながら部屋の外を警戒しているようだが、尖った物を次々と投げ込まれているから危ないのでドアを閉めように注意を促すとヨウが部屋の中へ投げ込まれる凶器に刺されながらもドアを閉めた。閉めた後もドスドスと何かがドアに刺さる音が聞こえる。ドアがどのくらい持つかはわからないが、しばらく安心だろう。

 人形がなくなった部屋に閉じ込められた形になってしまったが、ここでスーパーアルティメット団のメンバーが助けが来るまで待つか、テレポートで寺の外に脱出する二択となった。

 何かを部屋の外に解き放ってしまった以上、後者だろう。このことをスーパーアルティメット団に知らせて対策を立ててもらう方が得策だ。他の場所を調査しているスーパーアルティメット団のメンバーも襲われるかもしれない。


 その前に俺達を襲っている正体を見ておかないとな。

 部屋の外へ視界を飛ばした。部屋の外には暗闇の中にちょこまかと動く小さな影を視界でとらえた。

 人形が動いていた。まさしくホラーな展開だ。

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