海29
映し出された支給品のリストは懐中電灯や雨具などありきたりな物があったが、その中で見覚えないの無い物の名前があった。命の護符×2とリストに書かれたそれは某携帯食用や飲料水と同じように当たり前のようにリストに入っていた。
「アイちゃっ」
「死ぬ前提なのかよ。そんなヤバいことになっているのかよ」
その命の護符についてアイちゃんに質問しようとしたが、ヤンキー風の男が大きな声でぼやいた。
死ぬ前提って何が?あのリストを見てどうしてそんなことを言えたのかと首を傾げた。
ヤンキー風の男以外ここにいるメンバーはリストに何にも疑問を抱いていない。基本的な物しかないなとしか物語っているように見える。
「あくまで念の為よ。使わなかったら、自己管理を徹底的にやりなさいよ。他人に預けたら死にましたってマヌケな話を聞きたくないわ」
そんなヤンキーの男のぼやきを拾って、忠告をする。
「命の護符が分からないのか?あれは一つで一回の死を無効できる道具だよ」
そんなやり取りを見ていると眼鏡君が俺の抱いている疑問を答えてくれた。
ゲームで言うところの死んだ仲間の復活させるアイテムみたいな物だろうか。
願いが叶う本を持ているが、一回だけ死ぬことをなくなる物があるとはびっくりだ。それもここにいるメンバーに2個も支給するとかなんかすごい。影の化け物に殺される恐れがあるかもしれないからそんな物を全員に配られるのか。
俺の場合は傷や怪我を再生できるから死ぬことはないから使われることは無いか。
「それで死んだ仲間を生き返らせろっていう訳か。そんな代物があるなんて驚いたよ」
「何を言っているんだ?命の護符で死んだ仲間が生き返るわけないだろう?命の護符は自分の名前を書いたら自分しか生き返らないだろう」
と眼鏡君に何をおかしなことを言うんだと言いたげな視線を向けられた。
なるほど、仲間を生き返させる道具ではなく、自分を生き返らせるでもなく、だから一回の死を無効と言ったのか。ゲームで例えると残機みたいな物か。
眼鏡君の話からするとそれに自分の名前を書かないとダメみたい。それとアイちゃんの口ぶりから察するに自分で自分の名前を書いた命の護符を他人に預けるのはかなりのリスキーな行為だと察する。
それを含めて眼鏡君に聞いてみた。
「命の護符を破ったり、燃やしたりすると持ち主が死ぬからだ。例え複数の記入済み命の護符を所持していたとしても、一つでも破壊されたら持ち主が死ぬ。それさえ守えば所持数だけ死を無効にできる」
眼鏡君が静かに語った。
とりあえず、支給されたら速攻で名前を書いて四次元空間に放り込もう。四次元空間内に入れても効力が発揮するのか知らないけど、俺には能力があるから即死ではない限り死ぬことはないだろう。
丁度鉛筆もあることだし。
支給された物は同じく支給されたバックパック詰め込んだ。ただ命の護符は名前を書いて、懐にしまうと見せかけて四次元空間へしまった。
支給品は先ほど挙げた携帯食用などの他に応急処置の医療用キットや複数のロケット花火。命の護符がある上に俺の能力がある限り医療用キットは必要はないだろうけど、念の為にパックパックに入れた。複数のロケット花火はぶら下がっている紐を引くと打ちあがる仕組みの花火らしい。何色かあってそれぞれの色に意味がある。赤色のロケット花火は敵と交戦中の為増援を求むとか、青は敵と遭遇、手に負えないため撤退などが説明を受けた。
影の化け物と戦っている間はロケット花火を使っている余裕があるのか。複数人で行動するからと鳥役でひきつけて誰かが使えばいいか。
支給品とか作戦の説明とかなんか兵士にでもなった気分だ。街へ出たら化け物に襲われて誰かが死ぬかもしれないから、仲間が傷つく可能性を少しでも低くするため、事前に調査とか作戦の説明をして、化け物を情報を共有しなければいけないのだろう。
「支給品の確認は終わったかしら?今から外に出て出発するわよ」
支給品の確認を終わたら俺達はビルの外へ出て、ここの謎空間に入った門(?)の前に集まった。
これから街へ繰り出すのだろう。街へ放たれる前に班ごとに別れた。チームメンバーの確認だろう。
一班四人から六人ほどの人数で調査を行うらしい。俺が入る班は俺を含めて五人だ。俺以外のメンバーは顔見知りらしくて、俺だけさっさと自己紹介を済ませた。
その中で俺の役割がヒーラー役と言うことだ。
イカれたチームメンバーはというと、まずは俺の隣でいろいろ教えてくれた眼鏡君ことシン。次に俺に絡んできたヤンキー風の男の隣に座っていたチャラ男のイチロー。次は幸薄そうなネクラで中性的なヨウ。最後に気が強そうで融通が利かなそうなお姉さんのアヤ。
この四人で街に出て異変の調査をすることになった。




