海28
案内された先はテレビで見たような大学の教室のような部屋だった。
俺が最後だったようですでに人々が着席していた。
「なんだよ。コイツが最後かよ。おっせーじゃねの?ってコイツみない顔だな」
「最近入った子だね。能力は確か触れた者の身体を自由に操作できるみたいだよ。この間のウイルス騒ぎの件で活躍していたはずだよ」
「っけ。それで調子つけったわけだな。新人の癖に重役気分かよ。普通はよ俺達よりも早く来るべきだろ」
俺の入室に気づいたヤンキー風の男が悪態をついてきた。まさに感じの悪い男だ。
ヤンキー風の男の疑問を口にすると教室の端っこに座っていた真面目そうな眼鏡が眼鏡をクイっと押し上げて俺の個人情報をペラペラと語りだす。
真面目そうな眼鏡の話を聞いたヤンキー風の男は毒を吐いた。
ウイルス騒ぎは世界中の男性が大勢死んだ大事件になった出来事だ。あの時はヘルメスさんモードで西村達を助けたが、ただの能力者としてのこっちの俺はあんまり活躍していなかったような気がするな。あの時の参加したのはスーパーアルティメット団の中で俺と西村だけだったからスーパーアルティメット団内で有名になるのは仕方ないか。仕方なく嫌だけど。
俺のスーパーアルティメット団内では随分と有名になった物だ。スーパーアルティメット団のメンバーの肩書きなんて捨ててやりたい。
「はいはい。あんまいマヒルちゃんをイジメないの。これで全員揃ったわね。では早速ミーティングを始めるわよ」
俺の後にアイちゃんが教室に入って、俺に絡んできたヤンキー風の男を嗜めた。
普段のアイちゃんは幼児体型のロリっ子なのだが、昼間の時に大きくしたままで見上げないほど背が高い。
「おい、あれって最近胸が成長したってロリっ子だよな?いつの間に背が伸びたんだ?」
ヤンキー風の男は隣に座っていた友達にアイちゃんについて疑問に思ったことを聞いていた。おの女の能力で大きくしてもらったんじゃねってその友達は気だるそうに返していた。なんだか不機嫌な感じだ。
海へ遊びに来たと思ったら、完全な陸の孤島の状態になった街に閉じ込められて影の化け物に襲われたりと理解できない状況だから不機嫌にもなるか。
「マヒルちゃんも突っ立ってないでさっさと座って、今から始めるから」
アイちゃんに背中を押された俺は空いている席を探したら、俺の個人情報をペラペラしゃべりやがった真面目そうな眼鏡君の隣しか空いていなかったのでしょうがなくそこへ座ることにした。
「さてと、みんな噂やさっき踊ってきたばかりの仲間から街の状況を聞いた人がいるかもしれないけど、何も口答えしないで聞いてよね」
アイちゃんは俺がイスに座ると同時にミーティングとやらを始めた。
「現在、街は異常が発生しているわ。私達が泊まっていた宿には影の形をした人型実態や攻撃的な海巨大生物がいることが確認できたわ。街の住民は誰一人姿を消したわ。まるで長い間誰も住んでいなかったようにね」
知っていることを説明しだした。もしかするとここにいる連中の中にずっとここに籠っていた奴が数名いるからソイツ等の為に説明しているかもしれない。俺は西村から事前に聞いていたからな。
大人しく聞くことした。
「君はどうしてここにいる?」
黙ってアイちゃんの話を聞いていると隣の眼鏡くんが意図も分からない問いが投げかけてきた。西村にここに行けと言われたからここにいるわけで本当はミキミ達と静かに眠りたかった。
今行われているミーテイングが飽きたから話しかけてきたと思われるが、意味の分からない質問よりかは君の名前は何と聞かれた方が分かりやすくよかった。すでにアイちゃんが俺の名前を口にしたのでここにいる人達は俺の名前を知ってしまった。
女子になんて話しかけていいかわからない男の不器用な話しかけ方ととらえるべきか。
アイちゃんの話を視界で聞きながら、眼鏡君の問いに答えることにした。
「西村からここ行けと言われた」
言葉少なめに答えた。
「俺はカイ。数十分前にここで行われた報告会の後に待つように言われた」
「そう」
誰もお前のことなんて聞いてないよと言いたかったが、そんな言葉を抑え込んで冷たく相づちをうった。
この後もそんな最低限の応答が数回行われた。
そんなやり取りをしている間にいつの間にかミーティングとやらの終わりが見えてきた。
「班に分かれてそれぞれ指定の場所の調査をして頂戴。支給品に関してはこちらを見て」
アイちゃんはいつの間にか手にしていたリモコンを操作すると壁に映像が映し出された。これはプロジェクターで壁に映し出しているのではなく、壁自体がモニターなっていてそこに映像や画像を映し出している感じだ。
映し出しているのはこれから支給されるリストだった。




