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海26

 俺がここに呼ばれた本題はいつ始まるのかなと思っている。流石に俺が隠していた能力を知りたくて呼んだとは思えない。部屋の外に出ればスーパーアルティメット団のメンバーが忙しそうに自身の仕事をこなしている。

 俺の目の前にいる西村は多少やつれているものの、疲れている顔でにこやかに微笑んでいる。


「この能力のおかげでスーパーアルティメット団がこんなにも大きくなったんだよ。最近は見かける能力者のほとんどは大抵他の組織に入っているのが多いけどね」


 あれこれ10分ぐらい話している。

 このままずるずると話をしているなら帰ってもいと思う。


「西村さんそろそろ本題を始めませんか」

「ごめん、ごめん。つい話し込んじゃったよ」


 俺を連れてきた男達の片方がいつまでも喋ろうとしていた西村を嗜めた。

 ようやく本題に入ってくれるらしい。


「マヒルちゃん。君をここに呼んだのは今起きている異常現象の調査班に参加してもらうべく来てもらった」


 異常現象?あの影の化け物のことだろうか。それだったら、化け物の調査って言うか。異常と言うと宿の人がいなくなったほうか。数時間前にいたはずなのに影の化け物が出てきてからいなくなった。

 影の化け物と何かしら関係しているのだろうか?宿の人が影の化け物と言う訳でもないだろうからな。影の化け物は能力者と思った方が納得できる。こんなにも能力者がいっぱいするわけだし。


「宿しか見ていないマヒルちゃんにはピンとこないだろうから説明すると街の住民が全員消えた。観光で来ている人間以外どこにもいないんだ。この地に長く誰も住んでいないみたいに民家は老朽化も進んでいるけどかろうじて電気は来ているみたいなんだ。街全体に矛盾している部分が複数あるけどね」


 え?宿の人間が消えたんじゃくて街全体の人間が消えたのか。さっきまで宿の人どころか住民が消えたなんて信じられない。暗かったから俺が気づいていなかっただけなのか建物の古くなっているのか。

 いや、神社から宿へ戻る途中で見た民家は荒れ放題だった。あれは管理する人がいなくなったから雑草が人間の身長並みに生えていたり、民家の一部が破損していたからここだけ人が住んでいないと思っていた。


「別の班からの報告で街の外に出られなくなった。本当にここは陸の孤島になった。通信機器が使えなくなった原因はこれだと思われるんだよね」

「山や森から街の外に出ていこうとするといつの間にか引きかえして街に戻ります。それと封鎖している土砂の撤去作業も相応の重機が無いので手作業だと数日ぐらいかかってします」


 西村が土砂で通れなくなった道以外で街からの脱出を検討していたらしく、それぞれの方面に人を送って調査していたらしいが、その結果街の外へ出られなくなったことが分かったそうだ。

 今度は船を出して海から外部へ脱出を考えてクルーザーを出して調査するようだ。ただテレポートの能力者達の話によると海側からの脱出も望みが薄いそうだ。

 街で起きている異常現象について説明を聞いた。


「それでね。こっちで編成した調査班のメンバーにマヒルちゃんを組み込ませてもらったよ。マヒルちゃんも早く帰りたいよね?」

「まあ、帰りたいですけども。不思議な力で街に戻されるんですよね?本当に帰れるんですか?」


 調査する班のメンバーに組み込めやがった西村に疑問をぶつけた。

 どうせ他のメンバーに調査させた怪しい場所を再び調査するとか街の中をぐるりと見回りさせるとかだろう。新人の俺に危険な場所に行かせないだろう。

 俺が知らない間に勝手に話を進めやがって。てかさ、俺が行かなくてもここにいるスーパーアルティメット団はいっぱいいるから暇を持て余している奴が必ずいるよね。そいつが行けばよくね。


「みんな仲良く帰る為に調査しに行くんだよ?そんな服装だと動きにくいだろうから着替えてくるといいよ。その後にメンバーの紹介と準備物の支給はアイちゃんにやってもらうから」


 俺は浴衣姿のわけでこんな服装で山の中を歩くわけにもいかないからと言うことで西村が越させたお姉さんに更衣室まで案内してもらった。更衣室はロッカーが規律的に並ぶ普通の更衣室だ。

 だが、更衣室に案内してもらったが、着替えが無い。ロッカーの中身を見ても何も入っていなかった。一部開かないロッカーがあったが、それの中身はパーカーやティーシャツしか入ってなかった。

 今の俺は浴衣で下着を付けていない。贅沢を言えば下着が欲しい。上を着る服はあったから最低でもズボンがあれば文句はない。

 俺が今はいるのは女子更衣室だからきっと隣は男子更衣室だ。ジーンズが無くても半ズボンくらいはあるに違いない。

 視界を飛ばして隣の部屋と挟んだ壁を通り抜けても何も見えなかった。着替えが無いなんて西村の管理不足だ。後で直談判してやう。


「さすがに風はすぐに治るとはいえ、また外を浴衣で出歩きたくないな。では上だけあっても下が無いなら諦めて浴衣で行くしかないのか」

「ヤッホー!君が噂の新入りのマヒルちゃんね!」


 諦めかけた時、更衣室のドアを蹴り破って女の子が入ってきた。

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