表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
133/197

海21

 宿に戻って数時間かけて調査したが、影の化け物による襲撃が三度あった。影の化け物は宿の館内を彷徨い、人を見つければ襲う化け物だろうとなった。襲撃に合うたびに影の化け物を撃退していった。宿に戻ってからは誰も怪我を負うことなく撃退できたが、三度の襲撃で宿の壁が所々に破壊の痕跡ができていた。

 スーパーアルティメット団の方で弁償するであろう。破壊したのはスーパーアルティメット団の人達だしな。

 影の化け物に襲われながらも慎重に調査してもなお異常な物は見つからなかった。


「拠点に戻るぞ。外に出るまで周囲の警戒を怠るな。俺は準備に取り掛かる」


 何も見つからなかったからかまとめ役の男がそんなことを言いだして、ごそごそと何かしらの作業を始めた。

 気になったので視界で男の手元を覗くと全面真っ白なルービックキューブのような物をカチャカチャと弄っていた。


「よし、移動するぞ」


 その準備が終わって、その真っ白なルービックキューブを前に出して宿の玄関へと向かった。

 玄関に着くと透明な膜が貼られていた。宿に来たときにはなかった。念力で触れようとしたら通り抜けた。触れられることはできないようだ。視界で反対側を見ても透明な膜があるように見える。

 男達はそんなものを前にしても何も反応がない。


「レディーファースト。お先にどうぞ」


 スーパーアルティメット団の一人が俺達を促してくる。

 ルカは膜に気づいていないようで、男の行動に不信に思いながらも先に進もうとするのでルカの腕を掴んで歩みを阻止する。


「おかしい。その玄関。透明な靄のような物が見えるから進まない方がいいのかもしえない」

「そういうのはいいからさっさと進め、後が使えているんだ」


 俺はルカに忠告をしたが、男の一人が後ろから背中を押されて透明な膜を潜ってしまった。

 転びそうになりながらも後ろに振り向くと男の姿はいなくなっていた。それどころか俺とルカがいる場所はさっきとは違う場所にいた。

 白いような、銀色に近い空を仰ぐ。空と同じ色をした水平に広がる果てしない地面にただ立ち尽くした。


「さっきまで宿にいたはずなのに、ここはどこ?」

「マヒルちゃんこれどうなっているの?ここはどこなの?」

「そう言われても僕にもわからないよ」


 空間の歪みのようなテレポートした感覚はなかった。ただ膜を潜っただけでテレポートをしたのか?膜に触れた感触はなかった。男達が何かしたのだろうか?

 元の場所に戻れるのか?それとお何もなさそうな果てしないこの場所で彷徨う羽目になるのか?ここに入った透明な膜は見当たらない。テレポートを使って抜け出す手もあるが、ここでそれが使えるかどうかわからない。

 テレポートを試す前にここがどういう場所なのか調べる必要があるな。


「マヒルちゃんあれ見て」

「ん?」


 これからどうするか考えていた俺はルカの呼びかけに視線を向けると、ルカはある方向に指を刺していた。その方向に視線向けると複数の建物が立ち並んでいた。

 とりあえずそこに行けということなのか?


「新入り、あのマンションへ行け。宿の客全員あの場所へ避難している。今夜はあそこで休め」


 声がしたのでそこへ再び、視線を向けた。いつの間にかスーパーアルティメット団の男達がいた。

 その一人がビルのような建物を指して言う。

 指したビルはここの宿泊施設のような建物だろう。男の人の言っていることが本当ならミキミ達がいるようだ。

 この何もなさそうな場所で彷徨う理由もないし、男が指した建物にルカを引き連れて向かった。

 でもさっきまで俺達を影の化け物の仲間と疑っていたのに自分達の拠点に連れてきて上に放置するのってどうなのか。行けっと言っているから別にいいのか。

 視界で指定されたビルの中を見ようとしたら何も見えなかった。何故かはわからないが、真っ暗で何も見えない。


「あら!マヒルちゃん!なんで来たの?そっちの子を案内してきたのかな?」


 ビルに入るなり女性の明るい声が迎えられた。

 ビルのエントランスは急遽設置しましたと言わんばかりの折り畳み式のテーブルに若い男女が受付をしていた。その内の女性の方は昼間に俺の能力で胸を大きくした人だ。

 女性は不思議そうな顔で俺に問いかける。

 不思議そうな顔で何故に来たのか祝えても困る。


「僕達はここに行けと言われて」

「そういえば、新入りの名前を言っていたJKくらいの女の子がいたな」


 俺は困った風に言うと女性の隣に資料の管理をしていた男性が何かに気づいて呟いた。


「たぶんその子達は僕の友達なんです。今日一緒に海に来て宿ではぐれてしまったのです」

「なるほどね。マヒルちゃんの友達は何階の鍵を渡したの?」

「えーと。確か五階の何番の部屋だったかな?」


 女性の問いかけに男性は手元の資料をペラペラと捲って何かを探す。


「まあ、全部の部屋にピンポーンってチャイムを押したら中にいる人が出るよ。だから頑張ってね」

「ちょっとワンフロアに何百部屋あると思っているのよ。ほらほら探して。えーとお友達の名前は?」


 男性は資料を見るのをやめて、めんどくさそうなことを言い放った。

 なんでめんどくさそうと思ったのかは感だ。

 田中さんやミキミ達の名前を言って、男性にその資料を探させた。

 あの資料はビルにいる人たちの管理リストのようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ