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海18

 振り返ると()()()()()()の女性がいた。

 この人マヒルちゃんと喋っていた女の人だ。確かアイちゃんってマヒルちゃんは呼んでいたっけ?


「あら、貴女はマヒルちゃんの友達の子ね?ここには面白い物はないわよ?さっさと入りなさい。私は小さい子達を中に連れていくのに忙しいから」

「あの!」

「っえ?急にどうしたの?大きな声を出して?」


 女の人は子供達が騒ぐ方へ行こうとしたが、覚悟を決めて彼女を引き留めた。

 私の声があまりにも大きかったみたいで向こうは困惑しているみたい。


「マヒルちゃんがいないんです。それにさっき街の住民がいなくなった聞いたんです!どうなっているのでしょうか?」

「うーん、なんて説明したらいいのかしらね。マヒルちゃんのことは心配しなくていいと思うわよ?外に私達の男連中が出回っているし、マヒルちゃんのことだからそう簡単に怪我をするはずないしね。貴女もさっさと中に入りなさいよ」


 私の問いに一分ぐらい考えて女の人は答えにならない答えたを口にして、子供達の方へ行ってしまった。

 どういう意味なのか分からない。マヒルちゃんは普通の人だとは思っていないけど、それは元々男の子で何かの拍子で女の子なってしまう異常が起きてしまう話で、根本的に普通の人と変わらないはずだ。だから足の骨が折れてしまえば身動きができないし、今は普通の女の子で自分と変わらず非力な少女だ。

 彼女はそれを心配しなくていいと軽く言い放った。私はそれを信じらえなかった。

 今言われたことで安心できるほど自分は頭にお花を咲いていないので先ほど喋っていた人達を探したが、いなくなっていた。周囲には誰一人いなくなっていた。

 海の街に戻る方法が分からないので子供達が入っていったビルへと入った。

 ビルはホテル的な宿泊施設と思い込んでいたが、高層マンションのロビー的な印象を感じた。ロビーは光沢のある滑らかな材質の石床で高級感があふれている。

 ロビーに入って最初に目に入ったのは急遽設置しましたと言わんばかりの折り畳み式のテーブルに若い男女が受付をしていた。高級感のあるロビーには違和感でしかない。


「ミキミ、どこ行っていたの?」


 ロビーではタマコちゃんと田中さんがいて、田中さんは受付の人と何やら話しているようで私がはぐれたことに気づいていなかったみたい、でもタマコちゃんは私がいないことに心配をかけちゃった。


「ごめんね。マヒルちゃんがいるかもしれないって思って思わず探しちゃった」

「いたの?」

「いなかった。まだ宿に取り残されているみたい。マヒルちゃんとルカちゃん大丈夫か心配だよね」


 はぐれた理由をタマコちゃんに言って、田中さんと受付の人の話が終わるのを待つ。


「ところでここはどこだと思う?」


 突発的にタマコが呟いた。

 自分もそこは気になっていた。海の近くにあった宿にいたはずなのに気づいたらここにいた。高層ビルの前に宿に泊まっていたと思われる十数名の客がいて、それぞれ状況が飲み込めないと言った感情が読み取れた。

 その中にマヒルちゃんとルカちゃんはいなったから困惑よりも心配が進行していたから無邪気に走り回る子供達と同じように客の中から逸れて高層ビルの回りを少し歩くことができた。

 灰色とも銀色とも見れるこの場所には私達が入ったビルの他に黒い正方形の建物があったりと複数の建物が確認できた。指で数えられる程しかなかったが、私にとって異様な光景に見えた。

 まるで別の世界だ。


「わからないよ。こんな不思議な場所知らないし、見当もつかない」

「普通はそう答えるか。私は予想ぐらいならでてくる。空間的な世界の裏側、人工的に作り出された異世界、別の世界。オカルトを齧っていればこれぐらいは出てくる」


 タマコちゃんは得意そうに次々と自分の予想をあげる。

 時々タマコちゃんは不思議なことを言う。普段からヘルメスさんという様子がおかしい人を調べているだけのことはある。でもヘルメスさんのことを思い出すといつの間にかマヒルちゃんのことをイメージするのは何故だろう。

 声も背丈も違うのにマヒルちゃんにそっくりと思うのは気の迷いなのか、はたまた偶然マヒルちゃんと雰囲気が似ていると感じるだけなのか。

 この場所がなんであれ子供達が走り回れる程度には危険はないだろう。


「ミキミちゃん、タマコちゃん。私達は五階にある部屋ですって。それと受付の人にマヒルちゃんとルカちゃんのことを頼んだわ。来たら私達の部屋に案内してくれるそうよ」


 私を元気づけようとして明るく振舞っている田中さんが受付から手渡された部屋の鍵を手に戻ってきた。

 その後すぐにエレベータに乗ったが、乗ったエレベータは四方向すべて扉がある自分が知っているようなエレベータと違っていた。

 私達が泊まる部屋がある階に止まると四方向すべての扉が開いた。

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