海16
化け物がスーパーアルティメット団の男達に向こう側に吹っ飛ばされてタコ殴りされている内に化け物にめった刺しされた男を安全な場所まで引きずりながら運ぶ。身体に触れているので男の刺された傷を治療しておく。
「マヒルちゃんその人はもう」
俺が男を運ぶさなか顔色が悪いルカが何かを察したようにつぶやいた。影に襲われて何回も刃物で胸や腹に刺されたから助からないと言いたいのだろう。身体から出た血は戻すことはできないから大量に出血しているように見えるが傷は傷跡を残さずに消えているから心配はない。血液も増やしといたし、顔色はいい。
「し、新入りありがとう。助かった」
「まだ休んだ方がっ」
「もう大丈夫だ。大丈夫なのに仲間が戦っている中で俺だけ女の子に介抱されるわけにいかない。心配してくれてありがとう」
意識はまだあった男はお礼を言って立ち上がった。とてもさっき刃物で刺されたばかりとは思えない。
完治しているとは思っていないルカが心配そうに引き留めるけども男は影をボコボコにする仲間達の下へ入っていった。影をボコボコする中男達は容赦なく持てるかぎりの力を出していた。それは能力も制限なく使っていると思われた。ここに一般人がいることも知らずに。
一人はどこから出したと聞きたくなる具合の太い鉄の棒で殴る者や影だけがスローモーションのような動きで反撃をする機会を与えないようにデバフのかける者、何もないところから尖った氷を出して影の化け物を串刺しする者。仲間と連携をしながらもそれぞれ自身の能力を巧みに使っていた。
男達にボコボコにされている影は数分も経だずに闇に溶けるように消えた。
めった刺しにあった男は何もしていない。
「今何が起こったの?」
目の前で何が起きたのか理解できないと言わんばかりの反応するルカは呆けていた。
ルカが男達の能力関係で何かしら聞くかもしれないけど、スーパーアルティメット団は影の化け物について何かしら知っているようだから聞いてみるのも悪くはないと思う。
「あの化け物ってなんですか?コインランドリーにもいたんですけど、急に襲ってきたのです」
暇そうにしていためった刺しの男に聞いてみた。
「俺達も分からないんだ。数組に分かれて調査中なんだよ。この場所に封印された悪霊か不当廃棄された化学生物か。せっかくバイトを休んできたのにな」
スーパーアルティメット団側も影の化け物について正体が分からないようだ。てか悪霊って本当にいるのか。ナチュラルに言っているけど幽霊とか今まで見たことが無いぞ。深夜に人がいなくなった村とか廃墟とか言ったことがあるけど幽霊にまつわる現象を体験したことが無い。肝試しに来たリア充を幽霊に扮して脅かしたことはあるけど。
こんど誰かに聞いてみよう。
「ハルオのことありがとう」
俺達を化け物の仲間と疑った男が頭を下げてお礼言う。
めった刺しにあった男はハルオと言うらしい。ハルオの傷を治してくれたから信用を得たと思う。これでここを通れる。
「では、僕達は部屋に戻りますね」
「待って、女の子二人で戻るには危険すぎる。とりあえず俺達と来てもらう」
信用を得たと判断して男達の横を通り過ぎようしたが、通せんぼされて静止させられた。
あれ?信用を得ていない?まだ不信感があるから監視するつもりなのか。
お望み通りに能力を見せたのに俺の能力に優良性を見出して仲間が怪我を負った時のヒーラー役にするつもりだろうか。
「待ってマヒルちゃん。この人達って何かおかしいよ?何もないところからこん棒が出てきたし、黒い化け物が勝手氷の槍?貫かれたよ?それにあの人化け物にあんな沢山刺されたのにピンピンしている。普通死んでいてもおかしくないのにだよ?こんな人達は人間じゃないよ」
ルカは何故か俺の手を引いて男達と距離を置いた。
スーパーアルティメット団の男達のおかしな点を次々とあげていく。
確かに普通の人から見たら人間離れが過ぎるか。いくら化け物でもボコボコされるのは何も知らないルカにとっては恐怖でしかない。人間離れの化け物が影の化け物をボコボコする光景に見えたのだろう。
しまいには人間じゃない宣言が出た。
「この人達危ないよ。逃げよう」
「だけど、この人達って遠足時に助けてくれた人達の仲間だよ?今見たことはいつもタマコが言っているヘルメスさんと変わらないと思うよ」
男達にビビっるルカを落ち着かせよといろいろと上げる。男達が使った能力はヘルメスさんの奇天烈な現象のようだと言う。まあヘルメスさんは俺なんだけどね。
「マヒルちゃん落ち着いた?その子って何も知らないの?もしかしてうち等の子じゃないみたいな感じなのかな?」
男達の表情は引きつっているように見えた。




