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海13

 温泉から上がり、宿の人が準備してくれた館内着を着用の浴衣に着替えた。浴衣の下は当然ながら何もつけていない。

 急な泊まりだったため着替えや下着類は持ってきてない。ので俺達は今現在ノーパンノーブラだ。

 こんな状況で困っていたが、ルカ曰く旅館とかでは下着はつけずに館内着のみで利用するのが基本らしく他の客(スーパーアルティメット団)を見ていると普通に体に着いた水分を拭きとってからそのまま浴衣を着て温泉の脱衣所から出ていく姿が見られた。

 ルカの言葉を信じて下着を付けずに浴衣を着たわけだ。

 ハイドモードなら他人気づかれることもなく全裸で出歩けるけど痴女みたいんだなと思うと羞恥心が勝ってできない。


 まともな準備がない泊まりのため、俺の鞄の中には財布やスマホ、水着と着てきた服しかない。そんな状態でも案外金されあれば泊まれるものだなと。関心した。今度財布とスマホのみでどこかに泊ってみようかなと思う。

 着てきた服は宿のコインランドリー的な部屋で洗濯すればいいだけだし。

 何故にそんな話をしているかというと、土砂降りの雨で鞄や服が濡れたため、田中さんが甲斐甲斐しくも俺達の服をコインランドリーで洗濯してくると言い始めたのである。

 車の運転に宿の手配までいろいろやってもらったのに、洗濯までやってもらうわけにはいかないと言うことでルカと一緒にみんなの着ていた服を持って宿のコインランドリーにやってきた。

 残ったミキミとタマコは雨で濡れたものを部屋で干して乾かしてもらっている。部屋で濡れたものを乾かしていいか宿の人に確認して了承してもらっているの上に干すための道具、ハンガーや洗濯ばさみなどを貸してもらった。

 今の季節で脱水した状態で干せば明日の帰る時間までに乾くだろう。


 コインランドリーの洗濯機に五人分の洗濯物入れて、数枚の硬貨を投入する。洗濯のことはわからない部分があるので洗濯機の操作の方はルカに丸投げした。

 洗濯が終わるまで暇なのでコインランドリー内を見回してみることにした。まあ、いたってどこにでもあるコインランドリーなので面白みもないけど、ここは洗濯カゴを無料で貸し出しているようで隅に洗濯カゴが重ねられていた。部屋へ運ぶ時に重宝しよう。

 他には山積みになった洗濯ばさみとか、床に広がる赤い液体。ん?赤い液体?

 視線を恐る恐る赤い液体の出所を探ると一つの洗濯機から赤い液体が洗濯機から滴り落ちているのが分かった。


「どうしたの?マヒルちゃん、え?その赤いの何それ?!」

「わからない。宿の人呼んできた方がいいかな?」

「待って一人にしないで、私こういうの無理なの!」


 ルカも赤い液体に気づいたらしく、ひどく狼狽して尻もちをついた。完全に腰が抜けたようで立てないでいる。俺が宿の人を呼びに行こうとしたら俺の浴衣を掴んで泣き落とすように縋る。

 浴衣がほどけるので強く掴むのはやめてほしい。下着を付けていないので見えてはいけない物が見える。コインランドリーには俺達しかいないけど。

 洗濯機の中は蓋が閉まっているからか暗くてよく見えない。

 俺は意を決して、念力で赤い液体を出している洗濯機の扉を開いて中を確認することにした。


「マヒルちゃん!勝手に開いたよ!開いたよ!」

「二回も言わなくてもわかるよ。ちょっと待って」


 洗濯機の蓋を開けたことによってコインランドリー内に錆びた鉄のような匂いが充満した。

 視界で中を確認してみた。肉片のような瑞々しい物体が洗濯機いっぱいに詰め込まれていた。あまりにもの異様な光景と気持ち悪さに吐き気を覚えた。夕飯を出さないようにこらえるのでやっとで俺もルカと同じように座り込んでしまった。念力とかの能力を使えばこの場から逃げ出せそうだ。

 ただ吐き気のせいで大声が出せないから誰かを呼ぶことができない。大声を出したところで近くに誰もいないから誰も助けに来ない。


「マヒルちゃんどうしたの!?」

「中身が見えた」

「・・・」


 問いかけるルカに対して俺は短めに答えた。

 ルカはそれ以上に問いただすことはなかった。洗濯機に何が入っているのか聞きたくないのだろう。俺も見て後悔した。

 俺はグロ耐性があったと思ったが、意外にも精神は繊細だったらしい。部屋に戻ってひと眠りしたい気分だ。


 いつの間に俺達の後ろには一つの人影が現れていた。そう影だ。

 ドラマの登場人物がよく口するセリフで現場に犯人が戻ってくるのがあるだろう。それは法則的とでも言うべきか。犯人は自分の犯行を犯した後に証拠が残っていないのか不安があふれて衝動的に確認する為に戻ってきて第一発見者とバッタリ遭遇するのが定番なのか。そこらへんはよくわからないが、影を見た。

 視界で見てもそこだけ暗闇になっているのか、人型の黒い物体ではなく影だと分かるような吸い込まれそうな暗闇がそこに立っていた。しかも手には凶器と思われる刃物が血を這うように滴っている。

 この影は俺達を見るなり凶器の刃物を振り上げて襲ってきた。

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