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妹 ヨルノとその友達

 俺には妹がいる。

 クソ生意気な妹だ。

 妹という生き物は兄を邪険に扱おうとする。


「お兄ちゃん!休日なのにどこか出かけないの?これから友達が遊びに来る」

「なんだよ?俺に出ていって欲しいのか?俺は部屋に籠っているからいいだろべつに」

「それはダメなの!こんなだらしない兄がいるなんて知られたくないの」


 妹の言葉に本人を前にして酷いことを言う妹だなと感想を抱きながら寝癖でくしゃくしゃになっている頭を掻きながら冷蔵庫から取り出した缶ジュースを飲む。

 妹がうるさいのでずり落ちそうな半ズボンを脱いで、洗濯機にゴールインをして部屋に戻る。

 両親は両方とも仕事で家にいない。


「今日はどうしようかな?」


 ゴールデンウイークの中で俺はPCゲームやスマホゲームのログイン作業は終わって暇になったところだ。

 休日はゲームをやるか、女になって都会でウィンドウショッピングをしているが、どうもそういう気分にならない。何もしたくない気分だ。

 今日は自室に籠って惰眠を貪ろうと考えていたら、今日に限って我が妹様が出かけろとうるさいもので今日やることを考えていた。

 何もしたくないから一日無人島でボケーと海でも見て過ごすとしよう。

 汚れてもいい服装に着替えた。


「お兄ちゃん出かけてくれるのね」

「お前が出かけろ出かけろってうるさいからな。夕方までそこら辺をぶらついているよ」


 俺は家から出て、人気がない場所に行って無人島へテレポートした。

 そこで誰かに見られていることも気づかずに。


「嘘でしょ?男の人が消えちゃった!今何が起こったの?神隠し?ヨルノちゃんに言わないと」


 俺は無人島の岩の上でボケーと海を眺めた。


 ☆


 場面は変わってマヒルの妹、ヨルノは遊びに来る友達を待っていた。

 兄を家から追い出したことを少し思うところがある。ヨルノは別に兄であるマヒルのことが嫌いなわけではない。むしろ好意に思っている。

 なのに思春期のせいか、いざ兄の前になると素直になれない自分が憎らしいと感じている。

 今度今回のお詫びにスイーツでも買ってあげようと思う。


 気持ちを切り替えてスマホを見ながら友達来るのを待つ。

 数十分後にチャイムが鳴った。

 友達だろうか。メッセージアプリを起動して確認してみると『今着いた』と今日来る友達からメッセージが送られてきた。その前にやたらと長いメッセージがあるが、今は友達を家にいれてから読むとしよう。


 すぐさま玄関に行き友達を招きいれる。


「ヨルノちゃん!さっき凄いの見ちゃったよ!さっきね。男の人が消えたんだよ。多分その人ヘルメスさんだよきっと」


 玄関を開けたとたん興奮気味な友達がマシンガンのように話しだした。


「わかったわかった。落ち着いて。まずは中に入ろう」

「うん!」


 友達、イズミを家に上がらせた。


「ヨルノちゃんは一人だったの?」

「ううん。さっきまでお兄ちゃんがいたけどついさっき出かけちゃった。イズミちゃんって妹がいるのよね?いいな。妹。私も妹が欲しいよ」

「えー。私はお兄ちゃんが欲しいよ。男兄妹っていろいろ頼りになりそうじゃないの?」

「うちのお兄ちゃんは頼りにならないよ。高校生になって友達を作らないでさっきまでゲームをしていたみたいだし」


 お話ししながらイズミちゃんをリビングまで案内した。

 リビングのテーブルには私の宿題が広がっていた。それを見たイズミちゃんはここに来た目的を思い出したようにうんざりしたように口を開いた。


「あ、すでに宿題やっていたんだね。先生達も酷いよね?いくらゴールデンウイークだからっていっぱい宿題を出すなんて。量が多すぎてゴールデンウイーク中に終わらないよ」

「え?私ほとんど終わったよ?」

「え?二日しか経っていないよね?あんな大量の宿題がほとんど終わったの?見せて写させて」

「ダーメ、宿題は自分の力でやらないとダメだよ」


 イズミちゃんが家に遊びに来たのはただ遊ぶのではなくゴールデンウイークで出された宿題を片づけるためだ。

 私の場合はやることがなかったから宿題を無心でしていたから、気が付いたら半分以上も終わっていた。


「宿題持ってきたでしょ?わからないところがあれば教えてあげるから」

「持ってきたよ。数学の宿題が分からなくて、あ、さっきの話の続きなんだけどね」

「わかった。お話をしてから絶対に宿題だよ。麦茶しかないけど飲むでしょ?」


 イズミちゃんはさっきのお話の続きを思い出したようにまた話し始めた。

 この状態になったら宿題が始められないと思い、話に付き合うことにした。話のお茶うけに冷蔵庫から麦茶を取り出して二つのコップに入れてテーブルに置いた。


「うん、飲む。それでね。消えた男の人が私と妹を海に連れてってくれたお兄さんにそっくりだったんだよ」

「小学生の時のやつ?それ何回も聞いたよ」

「そうだっけ?あの時は凄かったんだよ。妹とおじいちゃんの山で遊んでいたんだけどそこにお兄さんが急に現れてね」


 この少女、イズミは小学校の時にマヒルが海に連れていった姉妹の姉の方であった。そしてマヒルの妹、ヨルノの小学校からの友達である。

 イズミはあの時のことを怪事件の体験談として友達に何回も話していたのである。

 マヒル本人はあの時のことをすっかり忘れているが、イズミやその妹は大切な思い出として忘れずにいるのであった。


 イズミの祖父はマヒルのことを悪い天狗だと言ってイズミ達をお払いに連れていったり、可愛い孫達をもう二度と家に呼ばなくなったのは今は関係ない話である。


「その時のお兄さんに似ていた気がするんだよ。写真とかはないけど人が本当に消えたんだよ。きっとあの時のようにテレポートしたんだよ」

「そういえば聞いていなかったけどそのお兄さんお名前は?」


 だんだん興奮するイズミの言葉が支離滅裂になる中でヨルノはふと疑問に思ったことを聞いてみた。

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