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海6

「ふう、ここまでくれば大丈夫だろう」

「ハァ、ハァ、ま、待ってマヒルちゃん走るのが早いよ」


 運動音痴なミキミが息を切らしながら抗議してきた。何も言わずに走り出したのだから文句の一つや二つぐらい口から出るだろう。でも姿を消してここまでくれば子供達も俺を見つけるのに時間がかかるだろう。

 さてとタマコ達がいる場所に戻るか。向こうでも揉めているようだし。


「ミキミ大丈夫か?さっきの子供達に見つかる前に戻るぞ」

「待ってよ。ねえ?さっきの子達は何なの?マイルちゃん変だよ?私に隠していることがあるの?」


 ミキミは立ち止まりそんなことに言い出した。

 昔から知っている幼馴染のミキミにとっては今まで友達も作らずにずっと一人だった俺にミキミの知らない知り合いがいたことに内心びっくりしているだろう。俺は昔と変わらず誰とも関わりたくないと思っているが、向こうから関わろうとしていて鬱陶しく思っている。

 スーパーアルティメット団に見つかったのは土砂崩れの事故の日やいくつかの俺のミスが原因でこうなったことだから後悔しても仕方がない。その分今まで知れなかったことを知れた。俺以外にも大勢の能力者がいることとか。能力者の組織とか。いろいろとね。

 金魚のフンみたいに従順だったころと比べて今のミキミはグイグイ来るようになった。今だって昔は納得できなくても何も聞かなかったのに、最近今のようにどこに行っていたの?学校から先に帰ったけど何かあったの?一緒に帰ろうとかしつこいぐらいにくらいついてきている。(一緒に帰ろうは昔と変わらないか)正直、俺に構わずに初めてできた女友達のタマコとルカがいるのだからそっちの方で仲良くしていてほしい。それなのにミキミはその輪に俺を入れようとしている。

 心境の変化があったかもしれないし、ただ大人になっただけかもしれない。これはミキミは俺離れができる兆候でもあると思う。半面、この変化は俺にとって寂しいことかもしれない。


「隠していることとか沢山ある。この身体のこととか含めて。だがら言えないし、あの人達のことはただの知り合いと言いたいけど、俺と共通点が多すぎるから無視ができない。ミキミとって僕は何を言っているか理解できないかもしれないけど、そうだったら俺のことを忘れて楽しい高校生ライフを満喫すればいい」


 西村に俺が元々男だとバレているかもしれない。弱みを握られている現状はスーパーアルティメット団から離れることはできないし、能力者達の秘密組織であるスーパーアルティメット団ことをミキミに説明できない。もちろん俺の能力についてもミキミに明かすことはないだろう。話してしまった性別を変えられることは能力の一部だ。テレポートとかハイドモードとかは離さない。

 スーパーアルティメット団以外の秘密組織に目をつけられているかもしれない。先日のウイルスの件もほぼテロ行為みたいな事件だったから危なすぎてミキミに言えない。

 我ながら漫画みたいな感じになっていて笑ってしまいそうになりそうだが、ミキミとって意味不明なことを言っているように見えるだろう。俺としては言っていることが理解できない、秘密を明かせないことが受け入れられないのなら離れていってほしいところだ。


「忘れられないよ。マヒルちゃんのことなんて忘れられることができない。マヒルちゃんが何を隠している物は気になるけど、それを聞いたらマヒルちゃんは私の前から消えちゃいそうだから今は聞かない。でもいつかは聞かせてくれるよね?」


 俺はミキミにかえすことも何もできなかった。

 きっと俺は今すべて打ち明けたらミキミの前から消えるだろう。常にハイドモードで近くにいるのに俺に気づくことなく日常を送ることになるだろう。

 俺は誤魔化すようにミキミの手を握り、タマコ達が待っているテントに戻った。


「いいだろう?俺らと遊ぶくらい」

「いや、友達がいるから、スマホを弄ってないでタマコも何か言ってよ」

「興味ないし、早くマヒルを探そう。面白そうな記事を見つけたから早く読みたい」


 ルカとタマコが複数の男達に囲まれていた。さっき視界で見た時より人数が増えている。リッカに絡んでいた男達もそうだけどこういう人ってこういう場所に湧き出る物なのか?

 俺を探している途中でナンパに絡まれたようだ。ナンパに対応しているのはルカだけで、タマコは興味がありませんと言った感じでスマホを見ている。


「ごめん、知り合いに出会っちゃってさ、ずいぶん長く話していた。ん?ナンパか?」

「マヒル!丁度いいところにこの人達がしつこいのよ。タマコはスマホばかりだし、何とかして!」


 ナンパどもを無視して気さくに話しかけてみて、ルカが俺の後ろに隠れるように後ろに回り込んだ。ミキミは男達にビビッて俺の後ろに隠れている。


「マヒル?」

「あの噂のマヒルか?」

「友達と楽しく遊んでいるからどっかいってほしい。ナンパしたいなら他にもいるだろ?あっちに可愛いお姉さん達がいっぱいいたよ」


 男達は復唱するように俺の名前を言い合っているが、俺は気にせずにスーパーアルティメット団がいる方を指してナンパどもにすすめた。さっき能力を使ってスーパーアルティメット団の女達にいろいろやらされたから綺麗な人達がいっぱいいるのは本当だ。ただスーパーアルティメット団のメンバーをナンパしたらどんな目に会うかは知らんが、少し痛い目に見ればいい。

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