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海5

 スーパーアルティメット団の子供達に囲まれた俺達は困り果てていた。特に俺が。


「お姉さん早くやってよ」

「リンちゃんばかりずるい」

「さあ、早く!お姉さんの能力で大きくして!」


 ミキミをスーパーアルティメット団のメンバーと思っているのか分からないけど、能力で大きくしてとか危ないことを言い出した子供もいたけど他の子供達がわーわーと騒いで何を言っているのか聞こえないのに助かった。

 ミキミは何故に子供達がこれほど群がっているのか困惑している。


「ミキミ、この子達は僕に用があるようだから先に戻ってくれないか?やってほしい物があるようだしさ、飲み物を田中さん達に渡してほしいんだ」

「ダメだよ。一緒に戻るんでしょ?」


 子供達の要望を叶えてあげないと離れてくれなさそうだ。

 能力について秘密にするため、ミキミに田中さんが設置したレジャーシートに戻るようにお願いしても頑なに嫌がって戻ってくれない。どうすればいいか。

 ミキミごとスーパーアルティメット団のテントに連れていくのは無理だろうし、もう一度陽キャ感全開のあの場所に戻るのは俺は嫌だけど。

 最近のミキミはどうしたんだろう。昔は俺の言うことは反発もせず無条件で従って聞いていたのに今のミキミは俺が頼んでも従わなかったり、自分の意志を押し通そうとする場合が多々ある。特に俺が一人で学校から帰ろう時とか、今回のようにみんなで海を行くとか。

 どういう心境の変化があったのだろう。

 ミキミの前で能力を使いたくないし、どうしたらミキミを行ってくれるだろうか?それか子供達が諦めてくれるか。

 視界で何か利用できるか探したけど特に見当たらない。クソォ。どうすることもできないのか?


「ほらみんなマヒルちゃんが困っているからみんなだけで遊んでおいで」


 思考を巡らせて、切り抜ける案を探しているとどこから助け舟を出してくれた。

 声の主に視線を向けると頑張って子供達を説得するリッカだった。たぶんリンちゃんにテレポートされた俺を探して、子供達に囲まれて友達と一緒にいる俺を見つけて何とかしようと行動に移ったに違いない。


「なんでよー」

「リンちゃんは大きくしてもらったんだよ。リンちゃんだけずるいよ」

「もしかしてリッカもお姉さんに大きくしてもらったの?だから子供なのに大きんだ」

「リッカも同罪?ずるい!」

「っえ?ええー?せっかく来た海なんだから遊んできなよ」


 子供達は気が弱いリッカの指示に従うつもりはなく、それどころかリッカの高身長を俺の能力で大きくしたのだと思ってブーブーと騒ぎ出す。中にはリッカの心を抉る純粋で鋭い言葉ナイフを吐く子もいた。

 それでもリッカは頑張って子供達に説得を試みる。だんだんリッカの顔が今にも泣きそうな顔になってきた。見ているだけでこっちが辛い。


「もういい。リッカ。お前は頑張った」

「マヒルちゃーん!」


 リッカを抱き寄せて頭を撫でる。

 隣で睨みつけているミキミの視線が痛いけど。


「マヒルちゃん?この子達は何なのか聞きたいけど、それよりもその子はマヒルちゃんの何なの?」


 嫉妬に籠ったような声でミキミはリッカのことを聞いてきた。

 リッカか、正直どんな関係かって改めて聞かれるとよくわからない。手で数えられる程度しかから友達ではない。ただの知り合いだ。どこで会ったかと聞かれるとややこしくなるからな。東京で会ったと言ったら、あの時のほぼ誘拐に近い任意同行を自分の意志でついて行ったとスーパーアルティメット団側には思われたくない。あの時は簡単に車から抜け出すことができたけど。

 でも友達じゃないとボロボロメンタル状態の今のリッカに言うと自殺する勢いで海にとびこみそうだ。


「コイツはリッカだ。まあ、知り合いというか、僕の妹分みたいなやつだ」

「っえ?マヒルちゃん私のことをそんな風に思ってくれていたなんて、ふええーーん」


 俺がそんなことを言ったばかりか急に泣き出して走り去って行ってしまった。方向は海ではなく、スーパーアルティメット団のテントがある方向だ。

 俺が言ったことでなんで泣くのかが理解できない。すでにボロボロのメンタルだったからメンタルを支えていた物が一気に崩れてしまったのだろう。思春期な女の子だし、精神的に不安定な時もあるだろう。リッカのことはスーパーアルティメット団の誰かが慰めてくれるだろう。


「あーあ、お姉さん、リッカを泣かした!いけないんだ」

「泣き虫のリッカが泣くのはいつものことじゃん。それよりも筋肉ムキムキしてよ!」

「僕が一番先!」

「一番最初は私よ」


 悪ガキそうな男の子が俺を指して非難するが、他の子達が元々リッカは泣き虫だからスルーして自分の希望を口にする。子供達に対するリッカの扱いは、ほんとうにリッカは気の毒である。

 そして誰が一番最初にするか子供達の間で口論になり、言い争いに夢中になった。


「ミキミこのまま行くぞ!」

「え?マヒルちゃん待って、急に走ったら危ない」


 俺はその隙を突いて、ミキミの手を引いた状態でハイドモードでその場から逃げ出した。

 ある程度離れたらハイドモードを解除した。誰かに見られていないといいんだけど。大勢スーパーアルティメット団の人達がいるんだし、俺とミキミの姿が消えたのはスーパーアルティメット団の誰かの能力だろうと思われると願いたい。

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