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ウイルス蔓延後学校2

 出席簿を職員室へ提出後(担任の机に置いただけ)、偶然ルカを見かけた。

 当然のことながらルカはハイドモードの俺に気づいていない。声をかけようとも思わないが、無法地帯と化した教室に戻っても特にやることなく、暇なので後ろについて行くことにした。


 ルカは先生に用事があるらしく、数分ほど先生と話したのち教室へと戻っていった。俺もその後について行く。教室に戻り、同じクラスであるミキミと話し始めた。


「マヒルちゃん大丈夫かな?今朝から電話にでないの。何かあったのかな?」


 ミキミはルカを見ずに涙を浮かべながらスマホの画面を見つめていた。スマホの画面を覗くとSNSの画面で俺に向けてメッセージを何十件も送っていたのが分かった。ミキミの通知があまりにもうるさかったから通知オフにしていたので今朝からずっと見ていなかった。


「またその話?そんなに心配なら先生もたぶん来ないし、マヒルちゃんのクラスに行く?」

「もうすぐ休み時間終わるし、授業の時間に他のクラスに行くのはズルでサボっているみたいだよ」

「でもどうせ自習だよ?男子だって途中で抜け出していたよ?私達が同じ事やって誰も気にしないって」


 と会話している内にチャイムが鳴った。が生徒達は席つくことはせずにそれぞれ好きなことやり続けている。

 俺のクラスよりかはマシだけどこのクラスも無法地帯になっているな。ルカ達のクラスの男子は6人ほどウイルスで死ななかったようでスマホゲームをしたりして自習の時間を潰しているようだ。


 そしてタマコの方はどうなっているのか気になったのでタマコがいるクラスに視界を飛ばした。

 真面目な生徒が多いのかタマコのクラスは真面目に自習を取り組んでいる生徒が多数見られた。自習していない生徒は周りの迷惑にならないように静かに読書をしたりしている。無法地帯と化した我がクラスやミキミ達のクラスと比べて学業に取り組んでいる。男子生徒の人数は十人ほどいた。

 ただタマコだけはスマホとにらめっこしている。一人だけスマホを弄っているととても浮いているように見える。変人だから普段から浮いているのだろうけど。スマホで見ているのはヘルメスさん関係なのだろう。

 回りの生徒は静かにスマホを操作するタマコの行動に注意することはない。タマコも周りの生徒に迷惑にならないように注意を払っているに違いない。でも隣の席の子がタマコのことをチラチラ見ている。自習に専念したいのに隣でスマホを弄っているから気が散って迷惑なのだろう。でも気が弱いのかスマホを弄るのをやめろとは言い出せないようだ。

 他の生徒はタマコよりも無法地帯と化した隣のクラスから聞こえる楽し気な声に迷惑しているみたいだけど。


 隣の子が可哀そうなのでタマコにミキミ達がいる教室まで来てとメッセージを送った。一回教室からテレポートで無人島へ行き、女子の制服に着替えて戻る。


「マヒルちゃん!なんで返事を返さないの。心配したんだから」

「別に学校で会えるんだから返事を返さなくていいでしょ。返さないなら通知オフした。僕にメッセージを送り過ぎだよ。ミキミのメッセージのせいでスマホゲームができないんだよ」


 スマホの画面を見つめてソワソワしていたミキミが俺を見るなり駆け寄ってメッセージを返信しないのかと文句を言い始めた。でも表情はとてもホッとした感じだ

 ミキミは俺が本当は男だと知っているから世界中に蔓延したウイルスに感染したとでも思っていたのか俺が生きていることに安心した感じだ。


「マヒルのクラスは男子はどのくらい来ている?」

「一人だけだよ。その人以外はウイルスで亡くなった」


 不謹慎にもタマコがそんなことを聞いてきた。

 俺以外の男子はウイルスで亡くなったから俺のクラスは男子一人だけ。今の状態だと0人だけど。


「タマコー。その話題はやめなよ。人が沢山亡くなっただよ」

「でもいろいろとおかしいことがあるんだ。ウイルスは謎の組織が世界に蔓延するように蒔いたんだ。それで世界はおかしくなった。それとあの日マヒルを連れていった人達も怪しい。マヒルも私達に何か隠している」

「はいはい。その話は落ち着いたら話そうね」


 ウイルスが世界に蔓延したとき、何も説明しないまま、アキラと一緒に行ってしまった。あの時のことは何も話していない。きっと三人はあの時のことをとても気になっているだろう。

 ミキミは性格から察するに俺から言うのを待っている。タマコは自力で調べているっぽいが何も成果が上がっていないから俺から聞こうとして今に至るって感じだ。ルカはルカで気になっているけど今はウイルスの話題を避けているようだ。

 そしてウイルスの話を口にした俺達に冷ややかな視線が集まる。大勢人が亡くなったからウイルスに関する話題はタブーとなり、クラスが静まりかえった。

 タブーの話をしていたことに気づいてタマコは黙った。


「今度の土日のどちらかにみんなで海行こうよ!」


 前触れなくミキミがそんなことを言いだした。話題を切り替えてクラスの雰囲気を変えようとしているのが分かった。重くなったクラスの空気を明るい方へ変えるのにいい話題だ。

 だんだん熱くなっているから海に行きたがるのはわかるが、俺は毎日のように海を見ている人間にとって海に行くことは割とどうでもいい。さっきだって海を見たし、俺だけ行かないと言うとミキミがうるさくなるのは目に見えている。


「海か。私はいいけどやっている?よく知らないけど時期が早いから今の季節ってクラゲ発生しているんじゃないの?」

「クラゲは夏の一番熱い時期に爆発的に増えるらしいよ。まあ、地域によると思うけど今の時期に入れるとこは入れるんじゃないの?梅雨があけたばかりだし。今なら人が少ないだろうからいいんじゃない?」


 ルカとタマコは行く気らしい。

 この間まで人が大勢亡くなったのにのんきだな。


「決まりだね。今日の放課後水着見に行こうよ」


 俺の意見を聞かずに海に行くことが決まったらしい。別にいいけど。

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