ウイルス蔓延後の体売りの女タイム
倉庫から出た後は西村やネネが迎えを呼んだ。俺は西村が呼んだ車に乗って帰った。
西村は教命部達と一緒にどこかへ行ってしまった。ワクチンを作るために医療機関へ向かったのだろう。
俺が乗った車の運転手はグラマラスなお姉さんでスーパーアルティメット団の人みたいでやけに馴れ馴れしく俺のことを新入りと呼んだり、話しかけてきた。反応するのがめんどくさかったから「はい」としか答えていなかったけど。
三百回くらい「はい」と言っただろうぐらいに学校近くのコンビニに下ろしてもらった。
家に帰ると途中何回も救急車とすれ違った。ウイルスに感染して発症した人が病院に運びこまれているのだろう。
それと「こちらは○○市役所です。男性の方は○○ホテルまで検査を受けに来てください」と大音量で垂れ流している選挙カーみたいな車を数台見かけた。蔓延しているウイルスは致死性で男性しか感染しないから感染者を隔離するために呼びかけているに違いない。
呼びかけがただの検査だったら、俺はすでにウイルスを無力化するすべを手に入れたているので関係ない話だ。ワクチンは西村や教命部からもらう算段があるし、ただの検査を受ける理由はない。
家に入る前に両親が帰ってきている可能性があるため、無人島で女から男に姿を変えて着替えてから帰宅した。
「ただいま」
「おね、お兄ちゃんどこに行ってきたの!いくら電話かけても出ないから心配したんだからね」
何や、ご立腹なヨルノがお出迎えをしてくれた。しかも、お姉ちゃんって言いかけたぞ。
ヨルノの後ろには母さんが心配した表情で俺を見ていた。
ポケットに入ったスマホを見たら充電が無くなっていた。
ウイルスが流行っているのにどこをほっつき歩いていたのと怒られたけど、秘密組織でウイルスのワクチンの製作に協力していたと説明したら正気を疑われるので長い散歩をしていたと答えた。
三十分くらい説教を食らって、母さんがホテルまで送ってもらった。
ホテルの受付では。
「相沢マヒルさんですね。402号室で待ってください。それと無断にホテルから外出をしないでください」
「はい」
と言われて部屋の鍵を渡された。
言われた通りにホテルで待機することになった。
これはもう男性全員隔離しているような物だ。これ以上感染させないようにしているのか、感染を広がらないようにしているのか分からんけど。
とりあえず、今日は疲れたから寝ようとベッドに体重を預けて、深い眠りについた。
「マヒルさん、返事をしてください。返事が無ければ入ります」
「ん?誰だ?」
気持ちよく寝ていたのにドアを叩く音で起こされた。ドアの外へ視界を飛ばして見ると保健所の女性がドアを叩いていた。
「食事の時間ですのでエレベータホールまで来てください!」
どうやら夕食の時間のようだ。それで起こしにきたらしい。
食事はホテルの厨房で作られたものではなく、コンビニ弁当とペットボトルのお茶のセットだった。それをエレベータホールで受け取って部屋に戻って食べた。
ホテルの一室に設置してあるテレビをつけてみると時間は十九時を超えていた。ゴールデンタイムのはずなのにどのチャンネルもニュースしかやっていない。その上ウイルス関連の内容だ。
俺が知っている内容なのでテレビを消した。
何もない。つまらない。ゲーム機でも持って来るんだった。ゲームを持ってきてもそんなにやらなかったと思うけども。
暇なのでホテルから抜け出すことにした。
実家の自室から身体売りの女コスチュームであるヘルメットを取り寄せて、無人島にテレポートして体売りの女に変身する。
さてと、どこからウイルスの除去をしたものか。ワクチンの完成にどのくらいかかるのかも不明だし、明日あたりスーパーアルティメット団のアジトである西村の自宅に行って聞いてくるしかない。
「さてと早速やりますか」
ホテルの近場からウイルスに侵された人達を治していくことにした。大きな病院に入院している患者から俺みたいにホテルに隔離されている人までウイルスに感染している人を俺が持っている能力を余すところなく使い除去していく。
さすが世界中の男性を半分以上死に追いやったウイルスだ。感染している半分以上は死にかけの状態だった。放置していたら、ウイルスの出どころの異世界のように女しかいない世界になって人類が滅亡の道に辿るところだった。
すでに死んでいる人もいたが、医療関係者が処理するだろう。今は救える命を救うことが最優先だろう。
西村達がワクチンを完成するまで俺が手に届く範囲で持ちこたえなくては。




