超能力者達の組織11
いくらボタンを連打しても扉は閉まらないし、数字のボタンを押してもうんともすんとも反応は無しだ。
「どうしたのですか?早く地上に行きましょう」
「待てマヒルって子がまだだ。その子を探してからでも遅くはないだろう」
「それよりもヘルメスさんがボタンを連打しているけどドアが閉まらないぞ。まさか壊れた」
「違う。遠隔操作されているんだ。それでドアが閉まらない。しかもテレポートで怪物達を閉じ込めていた部屋も遠隔操作で開けられた。次々と出てきている。俺の努力が無駄になった」
教命部や西村が自由に口する中で、自由委員会の人達は俺達をここから脱出させたくないようだ。
このエレベータは唯一脱出できる方法だったのに。
しかも肉の塊の怪物は同じ部屋に閉じ込めていた肉の塊の怪物と融合して三倍以上でかくなっている個体も複数いるし、ここから抜け出せなくなったぞ。
急いで制御装置がある部屋を視界で探している。まだ怪物達はエレベーターがあるここにはまだ来ていない。ここに来るのは時間の問題だろう。
「クソ、どこにあるんだ」
「彼は何をしているのでしょう。エレベーターを治しているようには見えませんが」
「さあ、様子を見る限り状況はヤバいみたいだ。閉じ込めた怪物が逃げ出したんだろう?ってヘルメスはいくつ能力を持っているんだ?」
「わからないっすよ。今わかっているのはテレポートや治癒に千里眼、念力。四つも持っているのは脅威的っす。こんな人物が今まで野放しなっていたなんて、ネット上のガセだと思っていた自分が信じられないっす。でも彼ならこの場を何とかしてくれそうっすね」
「ええ、恥ずかしいですが、何もできない私達は今は彼に頼るしかできないです。帰ってから彼を改めて調べる必要があります」
「ヘルメスさんについて調べても一般のSNSの目撃例や考察サイトぐらいしか出てこないよ。詳しい情報は彼自身が上手く隠しているのか、組織に加入していて自身の情報を隠蔽しているのか。私も直接目にするまで存在を疑っていたんだ。まるでUMAみたいな男だよ」
俺が制御室を探している中、人の気なんて知らないようで教命部や西村はのんきに話なんかしている。中々制御室が見つからない。ここは無駄に広すぎる。どうでもいい部屋はいくらでも見つかるのに感じな制御室がない。
施設の心臓部的な部屋だから必ずあるはずだ。見つかりすればエレベーターが動き出すはずなのに。
この階にないのか。前後の階にあるのか。下の階は隠し事しかないから下にはないはずだ。上の階も含むと探す範囲が倍に膨らむ。
ああ、ダメだ。俺達がいる場所に怪物達が現れやがった。
「あれを見てください。先ほどの怪物が来ました」
「来やがったぞ。ヘルメス、早くしてくれよ」
坊主の男が急かしてくるのがウザいので俺は一人エレベータから出た。
「ちょっと何しているの!」
「一体だけでも手こずっていたのに複数体を相手にするのは無謀っす!」
「無理をしない方がいい。今は君だけが頼りなんだ」
エレベータから出た俺に驚いたり、止めようとする西村達を無視して、俺は迫りくる怪物達の前に堂々と立つ。今はまともに怪物達の相手をしている余裕はない。目に入る怪物達から次々に視界の先に送る。
ただの時間稼ぎだが、効果的だ。離れた場所にテレポートさせているからここに来るのに時間がかかる。
ただ量が多いだけの作業だ。それほど苦ではない。
怪物達がここに現れるようになって何分ぐらい経過しただろうか?体感一分も経っていない気がするが、十分ぐらい経っただろうか?ようやくモニターだらけの制御室を見つけた。場所はエレベータの入口の反対側の壁の向こうにあった。誰も壁の向こう側に制御室があるなんてきづかないって、これぞ灯台下暗しだ。
当然の通りか制御室の中は誰もいないが、一つだけのモニターだけが異常な速さでプログラミングコードが流れているのがあった。
簡単な英文すら読めない俺は映し出されているプログラミングコードを理解できないので無視して、他のモニターに目をやった。
複数台は監視カメラの映像を映し出されており、その中に西村達が乗っているエレベータの映像があった。施設は遠隔で操作されてるから監視カメラの映像はどこかの誰かが見ているから、壊す必要があった。
俺はエレベータに向けて手を掲げた。ボタンパネルの上部に隠してあるかのようあった小型の監視カメラ破壊した。これでエレベータ内は見えなくなっただろう。
後は目的のエレベータを動かすだけだ。ただどれを操作すればいいのか分からない。制御室のデスクの上にはパソコンのキーボードあったり、とてもカラフルなボタンがランダムに配置されているデスクもある。その中の英単語でエレベータと書かれたデスクがあるのに気付いた。エレベータ内の映像が映し出されたモニターの前だったから気づけたかもしれないけど。
始めにどれを押していいのか迷って、エレベータが動くように祈りながら念力でボタンに南京錠マークを押してみた。扉が閉じ始めた。
「ドアが!」
「ヘルメス!早く」
「誰がここを食い止めるって言うんだよ。いいから行け!」
エレベータが閉じる中俺はかっこよく死亡フラグが立つようなセリフを吐いて西村達が乗るエレベータを見送った。




