超能力者達の組織9
念力で動きを止めていた肉の塊の怪物の前に立つ。念力で止めていたから逃れているようにもがくから気持ち悪さが倍増している。
肉眼でよく見ると気持ち悪い見た目をしている。ナメクジとかヒルみたいに生き物だと思えば幾分かはマシに、ならないな。塩をかけても死なないだろうし。人の形で動き回るのも嫌悪感を感じる。
目の前にいるだけで気持ち悪く感じるからできるだけ触れたくはない。
念力で肉の塊の怪物をこねてみる。身体や手足を90度曲げてみたり、捻ってみたりしてみたが、あまりダメージを与えているようには見えず、こねるのをやめて様子を見ているが変わらず、念力から逃れるようにもがくのみで行動が変わらない。
「何を遊んでいるっす。さっさと片づけてほしいっす」
「別に遊んでいるわけではないんだけどな」
どうやって倒せるか実験をしているとレオに注意された。
中身が空洞が無いから中身に弱点あるのかわからない。殺せるかわからないけども。
自分の能力を見せたくないし、もううるさいから外野である西村達を部屋の外へ追い出そうにも部屋の外には目の前にいるのと同じ肉の塊の怪物や人間サイズの複数の虫が混ざったみたいな化け物がうろついている。さっきまで自由委員会の連中がいたはずなのに、今は人の姿が見えない。いくら視界で探しても化け物ばかりで
自由委員会の連中は逃げ出したのだろう。なんで逃げ出したかはわからないけど、ウイルスの症状を治すめどがあるのだろう。
まさか、俺を捕らえたからいうのではないのか。森川は部下に俺を別の部屋に移動させたから俺を物にしたと思っているのか。それはそれで滑稽な話だけどそこまで浅はかではないだろう。
自由委員会の連中がいない理由は置いといて、西村達を部屋から出すのはまずいだろう。
一体でも手こずていたのに複数いる怪物達の相手をできるはずがない。
てか今更だけど怪物っているところにはいるんだね。こんなのいるなんて初めて知ったよ。
一昔に俺みたいな超能力者がいるならネットに載っているような怪異とかいるのではないかと思って本気で探し回ったけど見つからなかったんだよね。ネットに載っている情報はガセって学習したけど無限にあるよね。怪異とか幽霊の情報が。
初めて相手にする未知の怪物がこんなのとか無いわ。ネッシーとかゴーレムとかがよかったよ。こんな生き物なのかわからないキモい怪物とかじゃなくて、漫画とかに出てくるモンスターとがよかったよ。
それから数十分後、肉の塊の怪物を四分割にしてみたり、厨房にあったガスバーナーで焼いたりといろいろ試してみたがどれも殺すことはできなかった。
「ヘルメス、いくら再生するからと言って動かない相手にあれは無いと思う」
「なんという惨たらしいことを。私達を襲っていたとは言え酷すぎます」
「酷い言い方だな。ただ俺は倒せるか試していただけなのに」
どうやって死ぬのか試していただけなのにみんなが引いている。
肉の怪物は生き続けた。全身に銃弾を浴びても、テレポートでバラバラにしても死ぬことはなく。再生し続けた。
分かったことがあって、肉の塊の怪物の半分をテレポートで別の部屋に移動させると再生するが、元の大きさにならずに、半分くらいの大きさのままだった。テレポートさせたもう半分は別の個体のように再生して動き出した。面白いなと感じたが、最後まで殺すことができなかった。
そして俺達が今いる場所が地中にいることもわかった。
どうも部屋の外は壁の中みたいに何も見えないし、地上に繋がるエレベータを見つけた。ただこのエレベータを使った様子はない。
自由委員会の人達はどうやって消えたのか不明だ。テレポート能力ある能力者のそれで逃げたのだろう。
「うん。無理だなこれは。お手上げ」
数十分の検証で動きを一時的止めることはできるが、倒すことはできない。意志と言う物は感じられず、痛みも感じているのかどうか怪しい。殴るも蹴るも切りきざむのも押しつぶすも目立った反応は見られない。ただ俺達を襲おうとする以外の目的は無いように思う。
俺達を襲うように命令を受けているのか、人を襲うようにプログラムされているのか不明だ。ただの肉塊に人の言葉を理解できない気がするが、俺にはこれを倒すのは無理だ。
「ちょっ!お手上げってマジっすか?」
「ちょっとアナタが諦めてどうするのですか。この部屋に閉じ込められているのに」
「無理ならなんで挑んだんだい?君という奇人が、ってあれだけのことをしてまだ動く肉の塊が異常なのか。フリーダムオブハッピーと共同している組織が」
諦めた宣言をした俺に教命部の人達が避難の声をあげる。これはしょうがない。普通の生き物なら100パーセント死んでいる拷問に近いことをしてもまだ念力から逃れて俺達を襲おうとする肉の塊の怪物相手だと倒すことは難しい。それに部屋から出れば肉の塊の怪物や人間サイズの虫がいっぱいいるのに目の前の怪物だけを相手にしていても時間の無駄だ。
部屋にはロックがかかっているから廊下の怪物達は入ってくる心配はない。当然俺達もこの部屋から出なければ襲われない。だから俺は目の前にいる怪物を使ってゆっくり実験ができたのだ。倒す方法は見つからなかったが、俺達に害を与えない方法を見つけた。




