超能力者達の組織7
時間は数分前、マヒルが森川の部下に連れていかれる前に戻る。
「消えた?いや、あれはテレポートか」
「どうするんだよ。マヒルって言う女がいないとミカが助からないんだぞ」
教命部の人達はマヒルを連れていかれたことに困惑の色が出る。ミカが撃たれてその傷を治せるマヒルが連れていかれた。今ここにいる人達の中で傷を治療できるものがいなければミカは死ぬだけだ。それかテレポートの能力を持つ者があれば病院に連れていける希望を抱くだろうが、長距離移動の能力を持つ者はこの場にいない。
ここにいるのは戦闘向きの能力とワクチン製作に必要だった非戦闘の能力を持つ者しかない。ミカを救うことはできない。
「マヒルちゃんをどこはどこに連れていった?理由を正確に言わないとスーパーアルティメット団と全面戦争になるけどいいですか?森川さん」
「おー怖い怖い。若者の能力者をかき集めただけの小さく幼い組織に何ができるのだろうか?我々は本部に命に従っている。この意味は分からないわけじゃないだろう?フリーダムオブハッピーはこの私、日本支部長が死んでも問題ない。私も我々の目的の為なら死んでもいいとまで思っている」
どこか余裕がある西村はマヒルが連れていかれた場所を聞き出そうと森川を脅す。
若者中心に作られたスーパーアルティメット団を小バカする森川は目的の為なら自らの命を組織の目的為に自身の命をささげ、そして森川が従っているのはフリーダムオブハッピーの意志であり、自分の死すら意志であると言い放つ。
これは警告だった。世界的な勢力であるフリーダムオブハッピーと敵対してもいいのかと。
「だがな。今は死ぬつもりはない。あれをここで捨てるのは惜しいが西村、お前を殺せるなら安いものか。あれをこの部屋に放て、私達は逃げるぞ」
「待て!逃げるのか!」
部下に命令する森川は部下のテレポートで部屋から消えた。森川達が消えたかわりに人型の肉の塊の物体が現れた。
人型の肉の塊は表面がテラテラとぬめっており、不気味さを醸し出している。誰もが嫌悪感を持つであろうグロテスクな見た目に人型の怪物の姿をしたそれは西村達を生き物と認識するなり、突然腕部を振り上げて襲いかかってきた。
振り上げる動作を見て西村達は腕部を避けて横に転がった。だが、負傷しているミカを抱えたネネは一人だけ避けるのを遅れてしまい、足を負傷してしまった。
「っく、ウイとレオ、あの化け物を倒しなさい」
「はい!」
「っす!」
足を負傷しながらも、ネネは咄嗟に戦闘員に指示を出した。
戦闘員であるウイとレオは肉の塊の死角から攻撃を仕掛けるが、攻撃で負った傷は数秒で再生し始めた。
「傷が治ったッス!これならどうすっか。っどは」
傷が治ったのを見てびっくりするレオはパターンを変えて仕掛けるが、肉の塊の振り下ろしを食らい壁に激突した。
「再生能力はまさかあれも関わっているのか」
「あれって何ですか?西村何か知っているなら答えなさい」
肉の塊を見て冷や汗を垂らす西村は何か気づいたようだ。
「まさか研究所も関わっているのか!」
「研究所って祖類総研のことですの?人体実験とか虫と人間を手術で合体させちゃうようなあの頭がおかしいあの団体のことですか?」
「そうだ。あの研究所だ。海外の能力者達の情報によると確か、無限再生について研究をしていたと聞いている」
西村が自身の考察を述べる。
「そんなのいいから弱点とかないっすか!」
壁に激突したレオが壁から抜け出して考察しか言わない西村に講義をする。
「私も情報でしか聞いていない。あそこの情報を得るのにも一苦労なんだ。研究をしている情報だけでも海外の能力者が命を落としている。これしか知らないのに弱点なんて分からない。でも私達があの怪物と戦う必要なんてないんじゃないか」
「そうですね。私達が入ってきた入口はどうです?タケゾウ」
いくら仲間が怪我したからと言って、ここは自由委員会の基地。自分達の基地や一般人が出歩く街中ではないので戦う必要がない気づきネネはお坊さんのタケゾウに聞く。
「ダメだ。ロックがかかって開かない」
タケゾウが入ってきた入口を開かないのを確認してから、近くにあった台などの大きくて持ち上げれる物を扉に向けて投げるが、扉は開かない。
完全にこの一室に閉じ込められたようだ。
助けを待つにしても自由委員会の基地で自分達の目の前には肉の塊のような怪物が暴れている。生き残るには怪物を倒すしかないが、肉の塊の怪物は腕のような物を切り下ろしても、胴体に穴をあけてもすぐさま再生してしまう。
弱点なんてないと思われた時。
「お困りのようですね?」
機械的な声が聞こえた。
西村とネネは声の主を探すと怪物の前に自由委員会の人が着ていた服を着た顔がよく見えない奇人がいた。




