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『長編版』ゴリラ物語 〜全てはゴリラとバナナで解決〜  作者: ほしのしずく
ゴリラ、大晦日を迎える

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38/67

大晦日

 12月31日(日)


 天気【快晴 最低気温5℃ 最高気温12℃】

 時刻【11時00分】


 ゴリラは社宅から徒歩10分ほどの距離にある【講和堂】へとやって来ていた。

 ここは正式名称よりも、地元民からは“マルデ・プラザ”と呼ばれている親しみあるスーパーだ。


 店内は年の瀬ということもあって随所に正月飾りが取り付けられている。


 BGMもこの日特有の「もういくつ寝るとお正月」が流れていた。


 そんな出入り口の前。


 ゴリラは、ここにいた。


「ウホウホ!」


 今日の服装は、オーバーサイズのバナナ色をしたフード付きトレーナーと、紺色で内側が起毛処理のされたピッタリめなチェック柄のズボンを履いている。


 その手には、黒色の買い物カゴとスマホがあった。


「ウホ、ウホウホ!」


 彼はつぶらな瞳で、KEEPメモに書かれたお買い物リストをまじまじと見つめ、それを頼りにまずは入口付近の野菜と果実コーナーへと向かう。


 理由は単純だ。


 今日は、大晦日。


 しかし彼は人間ではなくゴリラ。


 年の瀬など関係ないと言えば、それで終わってしまうが、彼は都会に住まうインテリゴリラ。


 その信条は何事も楽しむスタイルである。


 なので、朝から買う物をピックアップし、ウキウキ気分でスーパーに来ていた。


 ちなみに、今日購入する予定の物は、お雑煮の材料に本日のデザート用として目をつけていた1本売りの美味なバナナ。


 その名も【バナナ革命】。

 渋みを取り除き、甘みを極限まで引き出したフィリピン産の逸品である。

 味は、もっちりとした食感と、驚くほどスッキリした甘さが特徴で、香りは“甘いバナナ”というより、“花のような芳しさ”を思わせる。


 なぜ、わざわざ1本入りを買うのかは、バナナの食べ過ぎで体重が増加したためである。


 これはジムで交流を深めている亀浦マリンから、もらったアドバイスを参考した行動だった――。




 ☆☆☆




 ――あれはゴリラがジムに入会してから、6ヶ月後。


 1月16日(土)


 時刻【13時30分】


 週1回の合同トレーニングを終えた1頭と1人は受付横の黒色のテーブルで、食生活について話をしていた。


『ウホウホ』

 

『そ、そうなんですか!? バナナを絶っているんですか……』


 ゴリラは大好きなバナナを絶ち、オートミールなどに置き換えるもしっくり来ず、何だったら前より、大好きなバナナのことが頭から離れなくなってしまっていた。


 抱き枕のバナナに齧り付いてしまうほどに。


『ウホゥ……』

 

『でも、辛いから辞めたいんですね……』

 

『ウホウホ……』

 

『では、こうしたらどうでしょうか? 普段から、食べているバナナを突然断つわけではなく、タイミングや量を少し減らすなど……こちらの方がよっぽどいいと思います! あと自炊もお勧めですよ!』


 マリンの言葉を受けて、ゴリラは晴れやかな表情を浮かべた。


『ウホ、ウホウホ!』

 

『うふふ、いえ! お力になれて嬉しいです!』

 

 こうして、その後。


 自炊はともかく、まず1日2房から、1日4本に変更したことで、1ヶ月1kgずつ体重を減らすことに成功していたわけである。

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