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暇潰市 次話街 おむにバス  作者: 誘唄
「単話3」
65/287

お笑いコンビに転生ネタをやらせてみた

なろうでは転生ネタって既に説明不要なくらいにありふれていますが、テレビなどではあまり見ない気がします。

そんなわけで脳内芸人にネタをふってみました。


本項のタグ:「転生ネタ」「【』と書いて、かっこわらいと読む」「漫才」

 

『どぉ〜もぉ〜。二人の間を笑いで満たす、【』(かっこわらい)です! お名前だけでも覚えてくださいね〜!』



【もうやってられんわ】



『待って。いきなり帰ろうとしないで。今日は久しぶりの出番なんだから、チャンスをモノにしないとって言ったよね?』



【さっさと終わらせてダンスレッスン行くかぁ】



『思ってても言っちゃダメ! え、ダンス? ダンスするんだ』



【おう。このナイスバディを活かしたセクシーなヤツな】



『うん、私ら【と』だからどこがセクシーなのか全くわからないけど』



【はぁ? 見てみぃこのナイスバディ。【やで? ボンキュッボンやろがい】



『これまで生きてきてカッコをスタイルとしてみたことはなかったよ。確かにボンキュッボンだけども。それだと私どうなるのかな』



【ボウフラ】



『スタイルの話! ちょっとなんの画像検索……見せなくていい! 気持ち悪い!』



【な、気持ち悪いやろ? こんなんが隣におるんやで? もうやってられんわ】



『だから終わろうとしない! まだ何にもネタやってないでしょう!』




【あんな、欲しいもんあんねん】



『え、何いきなり。ネタやるかわりに買えとかいうつもり? ……まぁ、聞くだけ聞くけども』



【軽トラってあるやん。小説でよく出てくるヤツ。あれ欲しい】



『軽トラ? あー、なるほど。転移転生モノで確かによく見るね。え? 何? 【ちゃん、転生したいの?』




【ででーん。』は軽トラで何回轢かれれば転生できるのか検証してみたー】



『フリップぅ! スタッフ! うちの【ちゃんに何渡してんの!? あぁもうやる気になっちゃってる……』



【ドンっ】



『痛ったい! ちょっと【ちゃん、体当たりやめて! 上下のトンガリが刺さる!』



【じゃあ軽トラよこせや】



『理不尽すぎる! 軽トラあげたら轢かれるんでしょう!? ヤダよ!』



【ちょっとだけ。先っちょだけでいいから】



『軽トラで先っちょって普通に撥ねてるじゃない! 殺意が高い!』



【ええからさっさと転生せえよ】



『ちょっと待って。【ちゃん、そんなに私を転生させてどうしたいの?』



【勇者になれ】



『あれ、ちょっと予想外。もっと酷い転生させられるのかと思った』



【勇者』よ、魔王を倒すのだ】



『あれなんか始まった』



【しかし勇者』は死んでしまった。ざまぁ】



『悪意ぃ! こんな嬉しそうなざまぁ初めて聞いたよ!』



【おお、』よ。死んでしまうとは情けない。さっさともういっぺん死んでこい】



『殺意が高い! ちょっと待って【ちゃん。勇者なんて私には無理だと思うんだ。魔王退治とか諦めて普通に暮らしたい』



【大丈夫。あたしが魔王やるから】



『絶対に勝てない! 逆、逆にしよう。【ちゃんが勇者やろう』



【魔王……殺す】



『殺意が高い! ヤダこの勇者怖い! なんでそんなにやる気なの!?』




【……あんな、お前は覚えとらんみたいやけど、あたしとお前には前世からの因縁があんねん】



『ダジャレ? いや、【ちゃんが前世系美女だとは知らなかったよ』



【かつてあたしは魔王だった】



『今も魔王みたいなもんだけど。え? ってことは……もしかして私の前世、勇者? え? もしかして【ちゃん、このやりとりは私にそれを思い出させるために?』




【あれは寝苦しい夜だった。

 やっと眠りに落ちようとしたとき、耳元に聞こえた音で目が覚めた。

 全ての灯りをつけ、ようやく潰した時には既に朝が近くなっていた。

 …………そのときの蚊がお前だ。

 その時、私は誓った。

 何度生まれ変わろうとも、必ずお前をぶち殺すと】



『殺意が高い! しかもそれ私、叩き潰されて殺されてるし!』



【今も隣でうるさい】



『ちょ、読者もそれなら仕方ないみたいな顔するなぁ! あぁもう終わり終わり! もう【』は解散します! ありがとうございました!』



【ボウフラが蚊になる前に、叩き潰す】



『勇者さまぁ! 魔王がここにいます! 早く来てくだ【ドンっ】 痛ったい! トンガリが刺さる! 【ドンっ】 やめっ【ズドンっ】 勇者さっさと来いよぉ!』









夜中に耳元にくる蚊は勇者を呼んでいるのかもしれません。

我こそが勇者だ! という方がいたら手を挙げましょう。

もれなく夜中、耳元に飛んできます。

どうやって転生するのかは呼びに行った奴に聞いてください。


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