表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
215/249

59話『ヤクザじゃないよ九郎さん』



 江戸時代に著作権というものは殆ど存在しなかったが、商標の勝手な使用などについての訴訟は行われていたようだ。

 丁度大岡政談にも出てくる話にこういうものがある。


 浅草寺内にある藤屋という菓子屋では、焼いた餅の上に餡を載せた[幾代餅(いくよもち)]という餅を昔から売っており、大人気であった。

 ところがある日、それとはまったく関係のない搗き米屋の清蔵という男が、幾代太夫という遊女を身請けして彼女と共に小松屋という店を開いて餅の販売を始めた。

 その餅は遊女の名前から同じく[幾代餅]と呼ばれるようになったという。

 これはうちの品をパクったものだと藤屋は主張し、小松屋はこちとら嫁の名前というちゃんとした由来があるんだと言い返して対立したという。

 そのうち藤屋は[元祖幾代餅]、小松屋は[本家幾代餅]などと名乗りだしてお互いを牽制し合うようになった。なんというか、現代でもありそうな話である。


 しかし互いに客を奪い合う形では儲けに陰りが生まれる。

 ということなので、2つの店はどちらかが商標の独占することを認めさせようと、名奉行大岡越前守忠相に訴状を出して裁決を願ったのである。

 さすがに、お上の裁定には従うつもりではあったようだ。

 そこで持ち込まれて困ったのが大岡忠相である。 

 別段、どちらに落ち度がある話でもないのだ。藤屋は元々その名前でやっていたわけだし、小松屋は藤屋の餅と同じものを売っているわけでもないので単に偶然名前が被っただけである。

 そうなれば後者を変えさせればよい、という話にしてしまうとまたそれも前例を作ることになり、今後あらゆる商標の独占を主張する者が現れかねない。

 別段幾代餅だけでなく、名前の被っている商品など幾らでもあるのだ。誰かが[二八そば]という商標を独占したいと主張したりするかもしれない。それらの訴訟が増えると、仕事の手間も増えて非常に面倒なことになる。


 そこで大岡忠相が裁決したのが、


「近場で商売をしているから互いに目につくのだ。藤屋は内藤新宿(※ド田舎)で、小松屋は葛西新宿(※クソ田舎)にそれぞれ店を建ててそこで商売をするように」


 商標問題で争っていたのに町奉行の手を煩わせたのがいけなかったのか、あわや一等地から郊外に強制移転させられかけた二つの店は即訴状を取り下げて、表向きは争いを止めることにしたのであった。

 何も解決していないが、とにかく一件落着であったようだ。

 それ以後、大岡忠相も「町人同士の些細な民事訴訟はなるべく町名主などが間に入って金で解決するように」とお触れを出したという。余程関わると面倒だと思ったのだろう。



 さて、そのようなこともあるのだが開店以来盛況している菓子屋を経営している九郎が、店の一角で昼飯を食っているときだった。

 とある情報がやってきた客から寄せられた。


「なに? 他所の店でケーキが売っておると?」

「おうよ。四谷の方で妙に繁盛してる店があるなと思ったら、同じの出してたぜ」


 報告してきたのは見廻りで町をうろつくことの多い影兵衛だ。 

 町奉行所の同心よりも火付盗賊改方に所属している彼は行動範囲が広く、融通が効くので若干江戸の市中から離れた郊外にも目が届く。

 そこで見つけたのが、本店よりは繁盛していないがそこそこ客が入って購入されている、ケーキを売っている店であった。

 

「まあ……製法自体は単純なものではあるしのう」


 基本的に小麦粉を水か卵で練って砂糖を混ぜて焼いたものである。真似しようと思えば簡単だろう。

 超高級枠としては受注生産でスフィや石燕がクリームを作ったりしているのは多少難しいだろうが、基本は単なるホットケーキである。

 

「っていうか何だこの集まり。拙者に内緒で何食ってんのよ」

 

 影兵衛が九郎の昼食に集まっている皆を見る。店の座敷に、九郎と甚八丸、六科に浅右衛門とお七、それと薩摩人が座って焼いたケーキのようなものを箸で食っていた。

 甘いものが苦手な六科までも、モクモクと茶色いタレの掛かったケーキを食べている。

 菓子屋の一角で男集団が──お七も居るが──集まり貪っているのは、少しばかり異様な光景で若干店に来ている客らも遠巻きにしていた。


「ああ、これはお好み焼きだ。珍しく六科が顔を出したので、甘くないものでも食わせようと思ってな」

「うむ。いける」


 六科はお好み焼きに七味唐辛子を更に上からバッバッと振りかけながらそう言った。

 その日は六科の蕎麦屋は定休日だったのだ。前妻であるお六の月命日を休みにしている習慣をずっと続けている。

 六科は元々菓子屋に生まれて、落雁の飾り包丁などは得意なのだが甘いもの自体は口に合わない体質なのである。

 ついでに浅右衛門夫妻、卵を売りに来た甚八丸なども居たので、男向けの料理として試食会を開いていたところであった。


「お好み焼き? 聞いたことねえな」


 影兵衛が首をひねりながら言うが、熱々のお好み焼きに冷酒を飲んでいる皆を見て喉を鳴らす。


「小麦粉を卵と出汁で溶いて、ネギやら芝海老やら細切りにしたイカなどを混ぜて焼いたものに、醤油と味噌と砂糖にすりおろした生姜を混ぜたタレを塗って鰹節をまぶしてある」 

「腹にも溜まるし酒のつまみにもなる優れもんよぉう」

「おいはこれ一枚でメシ五杯はいけもす」


 甚八丸と薩摩人もガツガツと食べている。

 本体はともかくタレは即席の混ぜものだったのだが、どろりとした粘度を出すために混ぜた生姜がよく効いていて中々良い。紅しょうがが合うのだから生姜タレも親和性はあるようだ。


「旨そうだな……で、拙者の分は?」

「今来たばっかりだろうに……」

「あ。某、少食だから、半分食べる?」


 と、差し出してきたのは浅右衛門である。ひょろりとしている見た目通り案外に食は細く、これで甘いものなどを好む。

 妻であるお七を連れてやってきてそのままついでに昼食も貰っているのである。


「おいおい、お前様よ。折角金を払ってメシ買ったんだから、影兵衛のおっさんに半金で売らねえと」


 お七がそう言うと影兵衛はサッと浅右衛門の持っていた皿を受け取って威嚇した。


「なんでい。ケチ臭ェこと言うなっつーの。そこの首切り役人先生はちょいとした大名並に金持ちだろうがよ」

「うちの先生は金をすぐに寺とかで供養賃として使っちまうんだよ。多少はあたしがケチってまともな金銭感覚身につけさせねーと」

「いやあ」


 困ったように苦笑を作る浅右衛門である。

 九郎も肩を竦めて、


「別に己れの奢りで構わんよ。店で出してるわけでもない試作品だしのう」

「やれやれ。うちのお兄ちゃんも金管理が大雑把だぜ」


 影兵衛がお好み焼きを指でつまんでむしゃむしゃと齧る。口の中に味噌醤油のしょっぱい味と、刺々しさを和らげる甘味、生姜の爽やかな風味が広がる。次に小麦粉のモサッとした歯ごたえに、噛みしめるとイカが歯ごたえを出して旨味が滲み出てくる。

 なるほど、これは菓子が苦手な男向けにもいけそうだと影兵衛は思いながら聞き直す。


「お兄ちゃん?」

「ん。一応、旦那と祝言挙げるときに身元不明だと面倒だから、九郎兄ちゃんの妹って事になってんだよあたし」

「九郎。手前……知り合いとの親戚関係がどんどん複雑になっていってねえか?」

「ううむ……」


 九郎は腕を組んで唸った。

 例えば正妻であるお八の姉、お六が六科の前妻で豊房の母であるのでお八は六科にとって義理の妹、豊房には叔母にあたる。

 となればその夫である九郎は六科の義理の弟になるのだが、六科の娘である豊房を妾にしている上に姪っ子になる石燕とも関係を持っている。

 また、子興の義理の父親でもあるので晃之介は義理の息子という事になり、義理の妹のお七の夫である浅右衛門は義理の弟にあたる。

 となれば浅右衛門と晃之介も義理の叔父甥になり、それ以外にも歌麿も義理の弟ではある。阿部一族とも親戚になるのだろうか。


「更に二十年ぐらいしたら知り合い全員親戚になってそうだのう」

「手前んところ子供も多そうだからなあ……ってそれより、偽者の話だ偽物」


 影兵衛が口の中のソースを酒で洗い流すと、話題を戻した。


「で、どうすんだ? イチャモンでも付けに行くか? おうワレ、誰の許可もろうて売り出しとるんじゃボケって感じで。見た感じ、あんまり気が強そうな店主じゃなかったが」

「人をヤクザみたいな扱いにするでない。ふーむ。だがちょいと、敵情視察でもしておくか」


 九郎は飯を食っている皆を見回してから、軽い調子で言う。


「じゃあ飯を食い終わったら行こうかのう」





 *********





 四谷にある菓子屋、川島屋をやっている吉兵衛はまだ年若い主人であった。

 元々その菓子屋は彼の祖父の代に屋台の饅頭売から初めて小さな店を持ったもので、そこから二代続いているのだがそこまで流行っているわけではない店であった。 

 主な売り物は四谷で当時よく売られていた黒飴や、団子、餅の類を並べているだけの萎びた店であった。

 それでも三代目として店を継いだ吉兵衛はどうにか店を盛りたてることを考えていて、時折新商品を出してみたりもした。


「黒飴を砕いて饅頭の具にしたものだ!」


 食感が悪すぎて最悪だった。


「団子に砂糖をべったりまぶした砂糖団子!」


 安直だった。原価が高くなって販売価格も普通の団子に比べて五倍ぐらいに跳ね上がり売れなくなった。


「夏場でも黴の生えない餅として酢漬けで販売しよう!」


 黴が生えないことを重視しすぎて味もへったくれも無かった。

 そのような試行錯誤をしていたのだが、近頃に見つけた新しい店[慶喜屋]の菓子であった。

 作り方は簡単なもので、一番安いものは黒砂糖と小麦粉を水で溶いて焼いたものだ。高級品になってくると、ふんわりとした食感になり正体が掴めなかったが、安値の河童焼きならば再現は簡単そうだった。

 分量はともかく、吉兵衛も家に帰って作ってみればそれなりの味で作れた。

 

「これだ!」


 と、吉兵衛はその嫁と喜びあった。「やっと吉兵衛さんがまともなの作った!」とか言われた。それで意気揚々と店で出すことにしたのだ。

 少しばかり心配なのは、風の噂では慶喜屋の主人は少しばかり怖い(・・)ような話を聞いたことがあったが。

 元より慶喜屋は高級品を売るついでに庶民向けも販売しているようなもので、こちらは庶民向けオンリーの販売だ。そこまで客層を奪うことにもなるまい。

 慶喜屋で売られている菓子の評判も四谷に広まっていたので、店に出したところ多くの客が訪れるようになった。 

 吉兵衛は店を初めて以来の儲けで顔をほころばせていたのだったが……


「邪魔するぞ」

「へい! いらっしゃ────」


 開けっ放しの入り口から入ってきたのは青白い衣を着た少年であった。それを見た吉兵衛の笑顔が固まった。当然ながら慶喜屋を視察しに行ったときに見た、そこの主人であったのだ。

 吉兵衛の店は茶店のような作りをしていて、菓子の持ち帰り販売も行っているという小規模ながら九郎の店と似たような形態であった。

 ずかずかと九郎は座敷に向かうと、彼の後ろから更に複数の男が続いてやってくる。


 盗賊の用心棒先生みたいな風貌をした影兵衛。

 ずんぐりとした厳つい容姿の六科。

 巨漢で褌一丁の覆面を付けている甚八丸。

 冷気が漂うような人殺しみたいな幽玄な雰囲気の侍、浅右衛門。

 アバズレめいた皮肉げな顔をしているヤクザの情婦っぽいお七。

 薩摩人。

 

 それらがぞろぞろと店の中を占拠するように現れたのである。異様な雰囲気に即座に店の中で茶を飲んでいた客は席を立った。

 座敷が開いたところへ、皆がどっかと腰を下ろす。無頼者の集会と言っても通じる空間が即座に出来上がり、皆は窺うように店内と店主をジロジロと見回す。

 ぶわっと汗が吹き出る吉兵衛。

 

(ま、間違いない……慶喜屋の店主が、ヤクザを引き連れて嫌がらせに来たんだ!)


 堂々とパクったは良いが、吉兵衛にはヤクザに立ち向かう能力など無い。喧嘩ぐらいはしたことがあるが、どう見ても集まった連中の誰一人勝てそうになかった。妻が奥で念仏を唱え始めた。


「おい、店主」


 九郎が友好的な笑みを浮かべる。いっそ、凄んでくれた方が分かりやすいのだがその笑顔が恐ろしかった。


「へ、へい」

「この店自慢の、河童焼きとやらを貰おうか」

「ひぃ──」


 白々しい注文に危うく悲鳴を上げかけた。

 九郎はひたすら、ニコニコと優しい笑みを浮かべている。一方で影兵衛は含み笑いを浮かべながら小柄をべろりと舐めている。

 

(どうすれば穏便に解決出来るのだろうか。というか、どういう要求をされるのだろうか)


 ぎくしゃくと吉兵衛は言われた通り、人数分の河童焼きを用意して茶と共に出す。


「……」

「ひっ」


 無言で六科が自分に出された皿にある河童焼きに携帯の醤油瓶を出してぶちまけた。

 意味がわからない行動に吉兵衛は震える。


(もしかしてこれで、おう何醤油ぶちまけとるんじゃい!と因縁を付けてくるのでは!?)


 吉兵衛はビクつきながら六科の様子を見ていると、六科は河童焼きの表面によく醤油を染み込ませておもむろに口に入れた。


「ひぃっ!?」


 意味がわからない。なんで甘い菓子に醤油を染み込ませて食べるのか。


「よか酒じゃ! 薩摩のふくれ菓子をつまんじょるみたいじゃっど!」

「か、菓子で酒を……?」

「甘味で飲むんは女々かっちかッ!?」

「い、いえ……」


 更にその目の前では薩摩人が河童焼きを一口食っては焼酎を口にしていた。こちらはつまみにしているようだ。

 そして甚八丸となると、


「しゅ、春画をおかずに握り飯を食っている……!」

「ぐふぅ……この美人画に認められた紅色が恋の味だぜ……」

「い、いや……あれは握り飯の具すら丸めた春画だ! 意味は全然わからないけど!」


 菓子屋の座敷で春画を見ながら持参の握り飯を食う半裸の大男。

 殆ど嫌がらせのような存在である。

 そわそわと、吉兵衛は他の客も居ないので彼らの座っている座敷の近くに所在なさげに立っている。


「ん? なんかこれ、兄ちゃんの店に比べて甘さが薄いな」

「そうだね」

「さては砂糖ケチってやがるな。これで値段は? 同じなのか?」

「すすすすす」


 すいません、の言葉が出てこずに吉兵衛は首をがくがくと上下させる。

 どう考えても糾弾しに来ている雰囲気である。そんな吉兵衛に、影兵衛はそっと近寄り声を潜めて告げる。


「気をつけろよ。うちの九郎親分は一度敵になった相手は、土地の大ヤクザだろうが半殺しにして晒し者にしちまうからな」

「あわわわわわ」

「手前の嫁なんざ、一瞬で寝取った挙句に遊郭に叩き売られるのがオチだぜ」


 とうとう吉兵衛は白目を剥いて卒倒しかけた。そんな影兵衛の頭を、九郎はアダマンハリセンでツッコミを入れる。


「これ。人聞きの悪いことを言って脅すでない。怯えているではないか」


 倒れそうな吉兵衛を座敷に座らせて、茶を飲ませて落ち着かせようとした。

 喉がカラカラであった。失語症になったようにどもりながら、吉兵衛は尋ねる。


「じゃ、じゃあヤクザを半殺しにするというのも嘘で……」

「いや、それはしたことがあるが……」

「ぎゃあああ」


 夕鶴を見世物にしようとしたヤクザに殴り込みを掛けたことなどはあった。

 本当に悲鳴を上げるときは大声で叫ぶ余裕などない。吉兵衛は肺に残った僅かな空気を絞り出すように、そして相手を刺激しないように低くうめき声のように嘆いた。

 そして座らされて背後に一行の気配をずしりと背負い、肩を掴まれて立ち上がることもできない現状に冷や汗がダラダラと湧き出る。

 

「おいおい、そう怯えるでない。何も取って食おうというわけではないのだ……」

「ごごごご、ごめんなさい」

「ん? なにを謝っておるのだ? 悪いことでもしたのか?」

「ゆゆゆ、許してくださぁい……」

「許す? ああ、似た商品の販売を許せ、と言うのか。ほう。確かにそれは面白いのう」


 九郎が笑顔のまま顔を近づけて言う。何か抗弁する言葉の一つ一つを勘違いされていて、しかも相手の感情を逆撫でしているように思えて吉兵衛は生きた心地がしなかった。

 ただ九郎の方は別段脅すつもりもなく、ただ儲け話を持ちかけようとしているだけである。

 背後でガシャンと皿が割れる音がした。吉兵衛の心臓が一秒停止した。危うくそのまま永遠に停止するかと思うぐらい驚いた。


「おっと悪い。ちょっと皿を重ねて片付けようとしたら、うっかり割っちまったぜ兄ちゃん」

「まったくお七はがさつだのう。指を切ったりしておらぬか? すまんな店主。これは弁償代だ」

「あああああ」


 九郎が二朱金を握らせてくるのすら吉兵衛は悪魔と魂の取引をしたかのような怯えっぷりである。 

「ところで、ここからは良い話なのだが、店主」

「へ、へえ……」

「どうせ売り出すなら、本店であるうちのお墨付きでも与えた方が認知されやすいし、変なイチャモンを付けてくる相手が来なくて良いだろう?」


 今。

 まさにそのイチャモンが付けられているのではと思ったが勿論言葉には出せない。

 だがまさにパクリ元から許可を与えられるのならば、胸を張って売り出せるので望む話ではあるし、ここで「いや、遠慮しておきます」と言える雰囲気ではない。

 良い話とやらを受けるか否かの選択肢など最初から与えられていない。少なくとも吉兵衛はそう思っていた。


「そ、それはどういう……」

「一つはこの本店紹介ぽすたぁ……浮世絵を目立つところに張っておくこと」


 と、九郎が取り出したのは[慶喜屋]を紹介した浮世絵である。

 店の住所、菓子の名前と値段に簡単な紹介が書かれている。ついでに色んな役者絵バージョンがあり、以前に幽霊騒ぎを解決した縁があった松本幸四郎なども直接許可を貰って歌麿に描かせたりしている。

 これを吉原で売ったり名主に配布したりして宣伝に使っていたのだ。

 

「それとだ。店で出す小麦粉と砂糖、それに卵など材料の仕入れは全部うちの店から買うならよいぞ」

「け、慶喜屋さんから……ですかい?」

「うむ。あちこちから別々に材料を調達するより、うちで一括して大量に問屋から仕入れた方が効率がよかろう。まあ、手間賃として多少は貰うが面倒が減るぞ。どうだ」

「そ、それぐらいなら……是非!」


 言うと九郎はニンマリとする。

 商品のパクリなど幾らでも発生するのでいちいちそれに文句を言いに行くのも馬鹿らしい。

 だからこうして、取り込むことで本店とも言えるこちらの宣伝をする支店にしてしまうことを九郎は考えていたのである。

 そして原材料を右から左に流すだけで、殆ど手間を掛ける事無く儲けを出すことができるのだ。多少は材料費が割高になるものの、相手の方もこれでパクリだのと言われることは無くなるし安定した供給が見込める。

 ついでに言えば、小さな店が仕入れをするよりも大店が纏めて仕入れた方が結果的に安くあがることもある。砂糖の流通には九郎が伝手も持っているのだ。

 客層が他店に流れることも、安い菓子を売ることで得る利益よりも、川島屋などに明かしていないレシピの高級品が売れる利益の方が大きいのでポスターを置いてそちらの宣伝になれば得をするのである。


「ただし、不義理をして仕入先を変えたり、露骨に商品の印象を悪くするようなものを売るでないぞ」

「と言いますと?」

「……ケーキに醤油を掛けて出したりとか」

「やってますよね!? そこの人が今まさに!」


 ついツッコミを入れるが、六科からじろりと見られて口を噤んだ。

 ともあれ、そうして九郎は川島屋と契約を結んで、宣伝と材料費の中抜きで利益を得ることになるのであった。


「いやぁー、九郎もえげつねえな。シノギっつーの? ショバ代っつーの?」


 店を出てから影兵衛が笑いながら背中をバンバン叩いてくるので九郎は嫌そうに腕を払った。


「ヤクザめいた人聞きの悪いことを言うな。これはフランチャイズ契約というものだ」

「腐乱?」

「うむ。土地代も従業員代も手間もかからず名前を貸すだけで安定した上がりを頂く仕組みで……おかしいな。合法でお互いに利があるはずだが人聞きは悪いぞこれ」

「やっぱりヤクザじゃねえか!」


 と、影兵衛から散々からかわれる九郎であった。

 しかしながらその後も、話を聞きつけた茶屋や菓子屋から同じようなフランチャイズ加盟の申し込みが行われたという。材料を転売するだけでそれなりの儲が出るようになっていった。

 そのうちに、九郎の店と契約もしていないのにケーキ類を出している店は「天狗の親分に許可も取らねえで、ふてえ店だ」と顰蹙を買うような空気になっていくのだが……

 果たしてそれは、天狗ヤクザの親分が仕向けたことかは不明である。





 ********





 

「おっと、ヤクザの所業はともかく相談してえことがあったんだぜ」

「喧しい。世間体の悪い。己れがヤクザならお主はヤクザの妹になるぞ」

「かっはっは。あたしゃ刺青も入れてるからそんなもんだぜ」


 とりあえず店を後にして各々帰っていったのだが、お七と浅右衛門が残って九郎に話を持ちかけてきた。


「ま、とにかく外は暑い。屋敷の方にでも来い」

「おう。そりゃ丁度いい。妖怪博士も居るだろうしな」

「そだね」


 どうも顔色の悪く見える浅右衛門は炎天下ではふらりと倒れそうにも見えるので、九郎は二人を連れて神楽坂の屋敷へ向かった。

 

 神楽坂の屋敷は冷房も効いていて江戸では非常に過ごしやすい。浅右衛門の家も、大名屋敷などが多い一等地である外桜田にあるのでごみごみと建物が密集した市中よりは大分に涼しくはあるのだが。 

 二人は居間にあがり冷たい茶を受けて、屋敷に居る豊房や石燕、お八が話を聞きに来た。夕鶴は腹も出ているというのに、スフィとサツ子を連れてふりかけを売りにまだ働いているし阿子と将翁も薬の販売などで出ている。


「おう。なんだ来てたのか七公」

「まーな。ちょいと怖え幽霊話をしに来てやったぜ八公」

「よし! あたしは家事してくる!」

「家事なんてもう終わってるでしょお八姉さん」

 

 豊房に着物を引っ張られて座らされるお八である。幽霊話と聞いて顔がさっそく引きつっている。


「ほう。幽霊話とな! 一体どういう話だね! 浅右衛門くん関係だと、非常にヤバイやつな気がするが」

「やは。実はね──」


 と、浅右衛門の方が皆に話しだした。 


 山田浅右衛門は首切り代行として、町奉行所や火付盗賊改方で斬首となった罪人の首を綺麗に切り落とすことを仕事としている。

 それ自体は儲からないどころか、浅右衛門の方から金を払うぐらいなのであったが首を切った後の体を貰い受けることで、その体を試し切りの材料か、腑分けして薬の材料にしたり、指を切り落として遊女屋に売ったりすることで莫大な利益を得ていた。

 江戸の北にある小塚原刑場でも獄門が行われ、浅右衛門も多くの者を切ってきたのであるが……


「最近、小塚原から千住のあたりで女の亡者を見たという人が複数出たんだ」

「ふむ。それはどのような姿形をしているのかね」

「ええと、聞いた話だと両手の指を全部失っていて断面から血を流し、頭から血を被ったような女が髪を振り乱して走ってくるんだとか──」

「あばばばば」


 暗い千住大橋にて、渡っていると橋の先に俯いた女が立っている。近づくと、顔を上げて指を失った両手から血を滴らせながらこちらを襲ってくる──

 その光景を想像したのか、お八が怖がり始めた。


「大変。お八姉さんが顔を青くし始めたわ」

「隣の部屋に寝かせておきなさい。どうもあまりよろしくない幽霊に聞こえるからね」


 石燕に言われて、豊房が震えるお八を連れ出してやった。


「そんな亡者が出るぐらいだから、処刑場で殺された罪人の中でよっぽど恨みのある者が化けて出たんだろうって。で、殺したのは誰かって話になると某じゃないかって言われて困ってるんだよね。九郎(うじ)、なんとかならないかなあ」

「なんとかって……その亡者の心当たりは?」

「うーん……その特徴だけじゃなあ。首を切った女というと、押し込みの手引をしたおみつ、客を三人殺した遊女の愛宕太夫、盗賊団[赤山猫]の頭領の女のおるい、女誑しにやられて両親祖父母の皆殺しに加担したおさと、心中未遂で男だけ5人死なせて生き残ったお涼……」

「わかったわかった。心当たりが多すぎて特定できんのだな」


 割りと恐ろしい女が多いことを聞かされながら九郎は首を振った。


「いやしかし、恨みを持った女の霊だとすると、あまり女は近づかない方が良いかもしれないね。悪い影響を受けかねない」

「そうなのか?」

「死んだことを悔やんでいる亡霊ならば、生きている女がその存在を認識して近づけば取り憑こうとしたり、恨みであの世に道連れにしようとしたりする可能性があるだろう。特に妊娠している者は障りに触れては、腹の子まで危険なので厳禁なのだ」

「うーん……だとすると、妖怪には興味あるけれどわたしも行かない方が良いわね」

「そうしたまえ。私も止めておこう」

「先生も子供だものね。危ないわ」


 妖怪博士である二人が、興味よりも体を優先するほどなので危険な亡霊なのだろう。九郎も心配げに頷いた。

 確かに指全部失っていて走ってくる血まみれの女は明らかにヤバイ。触れた瞬間に呪われそうである。


「じゃーあたしも駄目か」

「あら。お七さんも身籠っていたのかしら」

「おうよ。お兄ちゃんから貰った酒でな。うちの旦那も張り切ってくれてよ」

「ちょっと照れる」

「よかったのう」


 九郎が頬を抑える浅右衛門の背中を軽く叩いて祝福した。これで彼の家も安泰である。

 とはいえ首切り役人職は実力のみがものを言う職であり、世襲で剣術下手がその役目についてはまったく意味がないので基本的には浅右衛門の門下生からもっとも腕の良い者が当代の山田浅右衛門から襲名を受ける仕組みである。ただ、実子も剣術を鍛えさせてやれば後を継がせることも可能だが。

 

「でもほら、念のため腹に魔除けの刺青入れてるんだぜ。見る?」

「ほう。どれどれ」


 と、お七がいそいそと着物の帯を解いて前合わせを開けて見せると、ぽっこりとした腹の上に青色で丸い図形のようなものが描かれていた。腹は膨らんでいるが、元が丸い形をした図柄なのでそれほど崩れて見えない。

 九郎も覗き込みながら呆れて言う。


「お主は、妊娠しておるのにそんな腹なんぞに刺青を入れて……」

「かはは」

「ふーむ、鬼子母神への加護を示した真言を梵字で並べた図形だね。しかし円型図は珍しいな……鬼子母神は子供への守りだが、円型は何か意味があるんだろうか」

「でもよくお腹なんかに刺青入れたわね。痛そうだわ」

「流れの腕が良い刺青職人が居るって聞いたんでな。それにほら、チクチクやられてる間旦那に手を握ってもらってな──って言わせんなよ照れるな」


 お七は言いながら着物を正した。刺青などお七の自主性に任せているが、ちゃんと浅右衛門も心配して付き合っているようだ。

 

「ま、とにかくお主らは連れていかぬようにして……スフィが居れば話は早いのだが」


 亡霊系を歌声で強制昇天させるなど、身も蓋もないファンタジー能力を持っているのである。

 だが女は危ないとされた中でもスフィは頼ろうとしている九郎に豊房が言う。


「スフィも心配しなさいよ」

「む? なんだ? 己れにスフィの頼れるところを語らせると一晩掛かるが?」

「スフィくんへの信頼仕方が半端なさすぎる……」

「とりあえずは己れと浅右衛門が様子を見に行くとするか。それで解決できるなら面倒は無いしのう」


 そういう事になり、お七を屋敷に待機させて九郎は浅右衛門と小塚原のあたりへ向かうことにするのであった。





 *********





 恐らくは、これを見越して石燕は女を連れて行かないようにと指示を出したのだろう。

 合理的な考えに迷信をうまく絡めて説明させる腕前は見た目にそぐわず手慣れている。

 九郎と浅右衛門の二人は小塚原刑場にある、穢れに穢れ切った場所へと来ていた。

 霊的に……というよりも、九郎が意識して見れば周囲に疫病になりかねない病原菌がうようよと存在している。死体を打ち捨てているために、それが腐り毒を発しているのだ。

 このようなところに女子供を近づけるわけにはいかない。


「出るか出ないかわからない亡者を探すより、その亡者の死体を供養してやろうよ、九郎氏」


 という浅右衛門の言葉によって、二人は死体を捨てている場所へとやってきたのだ。

 夏場では特に空気が黄色く濁っているように臭気を放ち、野犬などの獣が掘り返したのか肉片や骨が原っぱには散らばっていた。

 幽霊を信じるつもりが無いものでも、ここは気味が悪く思えるだろう。


「思うに、某の切った死体じゃないと思うんだよね」

「そういえば首はあったのう。指は無くなっておったが」

「うん」


 そう言いながら、草が膝丈ほども茂った刑場近くの打ち捨て場を歩き回る。

 中途半端に埋めたり、掘り返されたりもしているので地面が荒れている。大量の蝿が耳障りな音を出していて、潔癖症な者が見たら発狂しそうな量の毒素が空間中に存在していた。

 

(いつもながらこの男はよく無事だのう)


 或いは彼が供養をよくしていることから、仏の加護でもついているのだろうか。

 ともあれ死臭の漂う原っぱを二人で探し歩いていると、半ば腐れかけた灰色のボロ布を身に纏った死体が見つかった。

 瞼は見開かれて人を呪い殺さんばかりに表情は歪み、鼻や眼球などは食い荒らされて潰れて恐ろしい顔つきになっていた。

 

「比較的新しいのう」

「ちょっと待って」

 

 と、持ち上げると崩れそうなぐらい傷んでいて、白い蛆がぼろぼろと落ちる亡骸を躊躇わずに浅右衛門は触れて検分した。

 

「磔で死んだ罪人みたいだ。脇腹から刀傷が肩口に突き出てる。内臓は野犬が食い漁っていったみたいで、血まみれだね」

「磔刑か……趣味が悪いから見に行ったことはないが」


 どうも処刑と言われると、九郎は昔に暴れて魔女を助けたことを思い出してしまう。


「磔刑台に縛り付けて、槍で刺殺して三日晒し者にした後で死体はこうして打ち捨てるんだ……だけど、妙だな」

「うむ?」

「某が切った死体なら、胴体を貰っていくから売り物にする指を切ってしまうのはわかるんだけど、この死体も指が切られている」

「獣が食ったのでは?」

「十指すべてを食べるのはそう無いと思うけどなあ。大分、損壊が激しいけれどきっと誰かが切り取って持っていってる」

「誰かっていうと?」


 浅右衛門は首を振ってため息をついた。

 

「磔刑の補佐を担当する、矢野弾左衛門(やのだんざえもん)氏だろうね」

「誰だ? それは」

穢多非人(えたひにん)の総元締め。死体の処理なんかも彼とその手下が行うことになってるんだけど……」


 幕府から役職を与えられている穢多というと、この世襲で襲名する矢野弾左衛門を指す。名称は穢多頭(えたがしら)であり、おおよそ三河より江戸までの被差別民を統括しており、また幕府からのお触れとして全国の被差別民へ号令を出すこともあった。

 本人も被差別民であるのだが、芸能や屠殺利権に深く関わっているために暮らしぶりは浅右衛門などよりも余程収入があり、おおよそ五万石の大名に匹敵するとまで言われていた。


「そやつがなぜ指を?」

「……売るためかなあ。ちょっと他の死体も探してみようか」


 もし、この死体のみ切られているとすれば何か特別な死者だったということなのだろうが。

 二人は死体と散らばった体を一箇所に集めつつ探して回ると、腕の付いている屍か腕そのものが三つばかり見つかり、どれも指が切り取られた痕跡があった。


「やっぱり。時々、某が売っているわけじゃない指が流通しているらしい噂は聞いていたんだ」

「ふーむ。それってけしからんのか」

「うん。業突く張りなつもりじゃないけど、人体を使った商売品は某が独占していて、弾左衛門氏は別の商品──例えば革製品なんかを担当して独占して利益を上げているんだ。同じく死体を扱うから、こっちにも手を伸ばしてきたのかな」

「まあ……死んだ者にとっては変わらんかもしれんが、浅右衛門はしっかり供養までしておるのに比べて骸を打ち捨てて商品だけ切り取っていくというのは、どうもあまり良いこととは云えぬのう。いや、死者にとっても迷惑なのか? 化けて出るぐらいだから」


 浅右衛門も罪人の死体で利益を上げている点では同じだが、稼いだ金は寺に寄進したり、塚を建てたりするのに使っているのだし、人体を材料にするのも死後の善行となって来世への徳を積めると信じているのである。

 死体をどう扱おうと自己満足という意見もあるかもしれないが、九郎には浅右衛門の行為は尊く思えていた。罪人の躯のためにそこまで金と気を使う男などそうは居ない。

 

「……とにかく、供養しようか」

「ああ。火葬で良いか?」

「うん。その前に」


 浅右衛門はすらりと腰に帯びていた刀を抜いた。丁寧に研がれており、濡れているように僅かに輝いて見える。

 

「もう死んでいるってことを彼女に教えてあげよう」


 そう告げると、ぐずぐずに崩れかけている死体の首を音もなく、肉を下手に潰すこともせずに豆腐を切り分けるようにストンと首を切った。

 その瞬間、死体の表情にあった妙な精気に似た恨みの気迫が、スッと消えるような気がした。

 同じく首の残っている死体からそれを切り落としてやる。介錯にも彼の行為は似ていた。

 浅右衛門が静かに、死体に手を合わせて瞑目し、抑揚を付けて囁いた。


(それがし)の刀に切られ願わくば来世こそは幸あることを──」


 九郎は浅右衛門に尋ねる。


「……罪人への辞世の句か?」

「誰もが供養されるわけじゃないけれど、某に切られた人ぐらいは供養したいんだ」


 浅右衛門がそう言って頷いたのを見て、九郎は術符を取り出し集めた死体に高熱の火を放った。

 二人は煙になり消えていく屍を見送っていた。そこでなんとなく九郎は浅右衛門に告げる。


「ああ、そうだ浅右衛門。こんな時だけれど、子供おめでとう」

「うん。九郎氏。色々あったけど、某は幸せだよ」


 ──それから、血まみれの亡者が見られることは無くなった。




「さてと。後はもう、指無しの亡者が出ないようにしておくか」


 その晩、九郎は一人でふらりと出かけていった。あくまで善人である浅右衛門を巻き込まない、ちょっとしたアフターケアである。


 ──行き先は穢多頭・矢野弾左衛門が住む浅草にある手下も数百人詰めている大屋敷であった。






 *******





「そういや九郎、聞いたかよ」

「何をだ? 影兵衛」


「なんでも罪人の死体処理をしていた弾左衛門一味がよ、どうも死体から指を盗んでいたらしくてな」

「ほう」


「その亡霊が弾左衛門の屋敷に襲ってきて、姿の見えねえ亡霊に手下は片っ端から指の骨へし折られて、弾左衛門は指を一本切断させられたらしいぜ」

「バチが当たったようだのう。それに他人のシノギを犯したのだからその程度は覚悟して然るべきだな」


「ま、あいつら偉ぶって、遊女に芸人や歌舞伎役者どころか穢多なんかにも嫌われてたしな。恨みを持つ相手は無数に居るから誰かがやったんだろうよ。そういや九郎も、遊女を雇う云々で色々こじれてなかったか? 吉原の忘八と別勢力だからな」

「さあて。少なくとも暫くは弾左衛門が、死体から指を切ることも無くなると思うがのう」


「おお、怖い怖い」


 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ