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テンプレ勇者の一目惚れラブロード  作者: しぇいく
第二章 アオイさん!好き!

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ミクラルヴォルケーノ

──《ミクラルヴォルケーノ》:火山島、上陸


 島に降り立った瞬間、むわりと肌を包む熱気に額の汗がにじむ。


 目の前には、果てなく続く蒼い海。背後には、噴煙をあげる巨大な火山。

 そして今、俺たちはその狭間――白い砂浜に拠点を設営していた。


 「設置完了っ!……ふぅ、やっぱり転送型テント便利ですね!」


 「簡易結界も貼った。夜間の防御も最低限は整ったな」


 ギルド製の転送魔皮紙を使って、仮設のキャンプを立てる。

 テント・簡易結界・資材ボックスと順調に展開され、拠点が出来上がった。


 「さて、次は位置確認だな」


 俺はギルドから受け取った《探索用魔皮地図》を広げる。


 「ここが現在地……つまり島の北側、浜辺ってところか」


 「目的地はこのあたりですね、火山の南麓にある……《紅葉密林域クリムゾンフォレスト》って名前みたいです」


 アカネが指差すのは、火山の裾野に広がる赤褐色の森林帯。

 《紅葉》と名はついているが、実際には「火山熱に耐える特殊な樹木」が生い茂る独特なエリアで、樹皮は黒く葉は赤い。


 「モンスターの住処にはちょうどいい場所ってことか……よし、出発するぞ」


 「はいっ、行きましょう!」



──そして、最初の遭遇。


 真っ赤な葉が舞う森林の入り口に差しかかった、その時だった。


 「っ!? リュウトさん、あれっ!」


 「……ヴォルクパルピーヤ、か」


 小型だが群れで行動する、獰猛な肉食獣。


 体長は大型犬ほど、口からは小規模な火炎を吹き出す。


 デカい犬に黒い鱗がある魔物だ。


 「来ます……っ!」


 群れの数は六。

 此方には既に気付いていた様で包囲するように回り込み、連携して飛びかかろうとしている。


 「任せてください、リュウトさんっ!」


 アカネが巨大なウォーハンマーを構えながら出た。


 「痛いのは一瞬ですよ!」


 そのまま適切な間合いを取ってその場で踏み込む……うまいな。


 あのまま行けば__


 「はぁああああっ!!」


 狙い通り、と言う所だろう。


 そのままハンマーを真横に振り抜くと三体のヴォルクパルピーヤが吸い込まれる様にそこへ来ていた。


 最高のタイミングで振り抜かれたハンマーをくらい、魔物は弾け飛ばされ木々をバキバキと砕きながら飛んでいく。


 「いい振りだ」


 「任せてくださいって言いましたから!」


 そのまま残った三体もあっけなくアカネに敗れ、群れは数分で全滅した。


 まぁ、勇者のパーティーに入った瞬間即戦力って助かるテンプレートだな。


 _____


 ____


 「目的のモンスターは居なかったな」


 俺とアカネはしゃがみ込んで、ヴォルクパルピーヤを解体している。


 「はい……どうしましょうか?」


 「今の俺たちはグリードから代表できているようなものだ、流石に手ぶらでは帰れない」


 「では、倒すまで帰らないということですね」


 「あぁ、幸いにもヒントはある」


 「ヒント?」


 「通常、コイツらは洞窟の奥に住んでいるはずだ、分布も地図で見れば確認できる」


 「ならどうして、ここに居たのでしょう?」


 「考えられるのは一つ、住処に住めなくなったってことだ」


 「つまり……強いモンスターがそこにいると言うことですか?」


 「その可能性が高いな、とりあえず素材を送ろう」


 「はい!」


 アカネは転送魔皮紙を取り出し、ヴォルクパルピーヤの有用部位を次々と切り取り、ギルドに転送していく。


 転送魔法が発動するたび、赤い光と共に素材が“蒸発”するように消えていく。

 これであとから戦果報告と報酬が反映される仕組みだ。


 「行くぞ」


 「はい!」 


 ──かくして俺たちは、灼熱の森林を抜け、《火山の洞窟》を目指すこととなった。

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