アオイ。
「とりあえず服を脱ぎな」
「……はい」
冷凍睡眠カプセルから現れた美女――アオイは、静かにうなずく。
その表情には感情の色はほとんどなく、ただ従うことだけを知る、静かな奴隷のそれだった。
彼女が脱ぎ捨てた衣服は、以前与えられたはずのご褒美――
だが今、それに執着する素振りは一切なかった。
「ほぉ……あんた、服を脱いだらもっとすごいさね……」
そこに居るみんながアオイの裸体に注目する。
「ありがとうございます。マスター。」
「おい、こいつに下着と服を……おい!呼んでるさね!」
「は、はい!」
そういって近くで待機していたメイドに指示をだすがアオイに見惚れていたのか一瞬判断が遅れ、あらかじめ持っていた下着と服を渡した。
「すぐに着替えるさね、外は《ニューイヤーフェスティバル》の真っ最中、忙しくなるさね」
「はい。マスター。」
アオイは渡された衣装に黙って袖を通す。
それは、白を基調に赤いリボンが添えられ、どこか祭りめいた装飾のあるメイド服だった。
従者というより、“人目を惹くため”の服装に近い。
「..................」
「お前は見た目がいいから表の門で立ってるのが最初の仕事さね」
「解りました。」
その声音に、魂の熱は宿っていない。
これも、運命力なのだろう。
アオイが現在いる場所は__
__《ミクラル王国 ナルノ町》




