カミングアウト!俺勇者!
「……」
「よし、そろそろか」
メルピグの肉がじゅうじゅうと音を立てながら焼ける。
いい感じに香ばしくなったところでナイフで薄くスライスし、皿に盛り付けた。
ワイルドにかぶりつくのも悪くないが、最終的にはこれが一番食べやすい。
「ほら、アカネ」
「あ、え、ありがとうございます」
「みやも」
「ぁりがとぅっリュウトっ」
三人並んで焼き肉を囲むこの空間は、どこかほんのり暖かくて――それだけに、次の言葉が妙に静かに響いた。
「アカネ、昨日から俺達と初めて会って今日はこれだ、疲れたろ」
「い、いえ、そんな事ありません」
「そうか……すまないな、急ピッチでこんな事をして」
「あわわ!ご,ご主人様が謝らないでください、奴隷は使い捨てです!こき使って良いんですよ」
「そう____一般的な考えはそうだな」
「一般?」
「残念だが、ここに居る俺も、みやも、一般人じゃない」
「ど、どういうことです?」
「みや」
「ぇ〜……」
「見せるんだ」
「むゆぅっ」
みやはとてとてと少し距離を取り__
「へんし〜んっ」
すっとんきょうな声を出したあと、どこまでも続く巨大な蛇に変身した。
「にゃぁーーーー!?!?!?!?」
この島くらいなら覆い尽くせるほどの巨大な白蛇。
入らない部分は海に放り込まれてる。
「にゃにゃにゃにゃにゃにゃ!!!???!?!?」
毛が逆立ち恐怖で震えて俺の後ろに隠れるアカネ。
「紹介するよ__『魔王みや』だ」
「ま、ま、まおう!?!?」
「そう、大昔のお伽話にある魔王、実際存在してたのさ」
巨大な蛇の頭が此方に近付き__
{もぅいい?}
いつもの女の子の声が響く。
「あぁ、すまないな、いいぞ」
シュルシュルと何事もなかったかの様に女の子に戻る巨大白蛇。
「ぉふくぉふく〜」
変身の際に破れない様にあらかじめ脱いでた服を来た後に戻った。
「そんなにこわがらなぃでっ」
アカネはまだリュウトの後ろに隠れている。
__そして次の言葉で恐怖の対象は変わる。
「わたしっ“リュウトにボコボコにされて”まけたからっ」
「にゃー!?!?!?」
その言葉を聞いて大きな岩の後ろに隠れた。
「そう言うこと、俺達は普通じゃない、みやは魔王、俺は__」
レイピアで岩を軽く綺麗に真っ二つにする。
「勇者だ」
「にゃぁぁあ!?ばたんきゅぅ……」
「あ」
「ぁ」
キャパシティオーバーしたのか、その場で目を回してアカネは気絶した。
現実で初めてみたなこのパターン……まぁ、テンプレっちゃテンプレか……
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