一旦落ち着こう
「リュ、リュウトッ?」
「…………みや、出るぞ」
「えっ?ぅ、うんっ」
大声を出して注目を浴びたので仕切り直しだ。
後、この昂った思いを落ち着かせるためにも!
「ふぅ……」
外に出て近くにあったベンチに座る。
「リュウトっ?」
「居た……」
「えっ?」
「これが……アオイさんだ」
俺は、こっそり“失敬”してきた写真を、みやに見せた。
「っ__」
みやの瞳が、ぱちくりと瞬いた。
次の瞬間、完全に静止する。
言葉が出ない。呼吸も忘れてる。
瞳はしっかり写真に吸い寄せられていた。
「これが……」
「可愛いだろ?」
みやは複雑な気持ちになる。
「……そ、そぅだねっ……でも、この写真って……」
「__あぁ。奴隷である証だ」
そりゃ見つからないし、集合できない訳だ。
……アオイさんは“奴隷”なんだから!
なんだよ……それ……
そりゃ居ないよな!サバイバルも!どこかの街も!魔法学校も!何もかも!何処にも居るわけがない!
誰が見たことある!!!!!!
異世界転生したら奴隷になってる!なんて!!
勇者のこの力があって……いや!異世界の勇者という称号をもって居ながら自らが奴隷になってるだと!?!?
全ての計算が崩れた!!
「……だが、居場所は分かった」
アオイさんが今、どんな状況にあろうとも。
尻尾は掴んだ。
__そしてもうひとつ、俺の中で“確信”に変わったものがある。
「やはり……テンプレートを進めば、“運命の力”が働いてる可能性がある」
今回のように、奴隷を買いに来たら偶然写真を見つけたこと。
そして以前、クリスタルドラゴン討伐に行くと義兄さんに再会した時もそうだった。
この“選ばれた流れ”のような導き。
これを名付けるなら……運命力。
やはり、俺は異世界転生物語の主人公としてこの世界に生きていると思って居たほうがいいだろう。
少し痛い人になっているが、よくよく考えてみればアニメやゲームの異世界主人公の先人の方達は成功例が書かれてることが多い……もちろん、バッドエンドもあるのだろうが……
「よし!」
気合いを入れ直す。
これから俺は奴隷を買う。
それは少なからずアオイさんの手掛かりになる。
「……みや」
「ん〜っ?」
「奴隷を買うぞ」
「ぁいあぃさ〜っ」




